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第45話 柿の種の結果

 昨晩、ハムの餌(えさ)の容器に新しい柿の種を二つ仕込んだ。明日の結果が楽しみで珍しく寝付きが悪かった。

 今日の午前七時半頃、俺はいそいそと段ボールハウスに向かう。期待に胸が膨らみ、自然に笑みが零れる。

 そっと上から覗くとハムは段ボールの右奥に背中を見せる形で埋まっていた。目覚める前に中のケージの蓋(ふた)をそっと取り外す。

 餌の容器を見るまでもない。打ち捨てられた柿の種が二つ、隅の方で寄り添っていた。一つは先端をほんの少し齧った跡がある。残りは綺麗なままだった。

 これはあれだ。一つを味見して不味かったと。当然、残りもそうだと判断して試さずに捨てた。そういうことなのだろう。

 俺は柿の種のストックを全てゴミ箱に投げ込んだ。

 気晴らしではないがレースカーテン越しに庭を見た。生え過ぎた紫蘇を引っこ抜き、日当たりのいいところに集めた。それもあっていつもの庭が広く思えた。

 何とはなしに眺めていると数羽のスズメが舞い降りた。地面を飛び跳ねるように移動して積み上げた紫蘇の中に突っ込んだ。忙しなく嘴(くちばし)でつつく。

 どうやら紫蘇の実を食べているようだ。穀物が好きなスズメなので納得の行為である。そこで思い付いた。


 ハムは紫蘇の実を食べるだろうか。


 匂いが強いので何とも言えない。無理に食べて体調を崩されても困る。

 試してみたい欲求を呑み込み、朝食の用意を始めた。

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