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第44話 新たな種

 我が家の庭の柿が豊作。鈴なりでどの枝もしなっている。

 実際に食べると甘い。熟柿(じゅくし)が多くなってきて少し焦る。今日も昼食後に柿を食べた。柔らかい実が多いので皮を剥くと直に齧り付く。一個に付き、種は五個くらい。取り除いたそれを見ていて思った。


 カボチャの種を食べるハムなら、これもいけるのでは?


 柿の種はカボチャのものよりも大きい。しかもふっくらとしている。中の実にも期待が持てる。試しに水洗いして乾かした一粒をハムの餌(えさ)の容器に混ぜてみた。

 音に気付いて右奥の木屑から顔を出した。俺の姿を見つけると走ってケージの中へ入り込む。餌の容器に顔を突っ込むが、いつものような勢いはない。匂いを嗅ぐような動作を見せた。

 注意して見ていると柿の種を前脚で持ち、ケージの隅で齧り始めた。全体を回すようにして前歯で削ってゆく。

 その前脚が止まり、尖ったところから齧り始めた。時間にして数十秒くらいだろうか。ポイと種を投げ捨てて寝床にしている右奥の木屑へ突っ込んでいった。全身が隠れると安心したようで動きが止まった。

 俺はケージの蓋(ふた)をゆっくりと開ける。捨てられた柿の種を摘まんで顔の前に持ってきた。

 齧ったところは実まで届いていた。食べることはわかったが、途中でやめたところに引っ掛かる。美味しくなかったのだろうか。もしくは腹が膨れていらなくなったのか。

 柿の種のストックは十分あるので、また試してみようと思う。

 さて、どうなることやら。

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