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第36話 ヒマワリの種?

 両脚の腫れが引き、ようやく普段の生活に戻れた。必然、ハムに構う時間が増えた。給水器の水を頻繁に入れ換え、餌(えさ)の減り具合に注意するようになった。

 その餌にちょっとした変化が起きていた。いつも以上にヒマワリの殻(から)が多い。ケージの中の容器を取り出し、殻を摘まんで捨てる。作業を進めていくと底の方に見慣れない物が幾つも転がっていた。楕円形で薄っぺらいそれは剥(む)き出しのヒマワリの種であった。


 ――殻だけ剥いて中身を残している?


 その理由はわからない。一気に食べるつもりなのか。前歯を削る意味だけでヒマワリの種を齧ったのか。

 変わり果ててもヒマワリの種。捨てるのは勿体(もったい)ない。食べることを期待して餌を補充した。

 容器を元の場所に戻すとハムが駆け寄り、前脚で選(よ)り分けながらヒマワリの種に齧り付いた。

 俺はハムの口元を注意して見た。殻を割って出てきた実を小刻みに食べる。備蓄用ではないらしい。

 次もヒマワリの種で殻を剥いて平らげた。食が進んでおかわりを繰り返す。


 結果として実だけを残す理由はわからなかった。実に不思議だ。

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