第25話 夏仕様に模様替え
月曜日、目覚めると即座に一階へ駆け下りた。
窓辺の段ボール箱を覗くと、そこにハムはいた。蓋を取り付けたケージの中、腹這い姿で眠っていた。脱走を阻止した喜びがじわじわと染み出す。
立ち昇る臭気には顔をしかめた。全体を通して鼻にツンとくる小便の臭いが漂う。
今が好機と考え、ケージの左右の扉を閉めた。そっと持ち上げて文机の上に移動させた。ハムはすやすやと眠っている。
その間に段ボール箱に敷き詰められた紙を手で探る。種の殻に混じって黒い米粒のような物が大量に出てきた。砂を入れた容器で見慣れたフンである。ようするに段ボール箱、全体がハムのトイレになっていた。
連日の暑さを考慮して買ってきたアレが役に立つ。俺は大型のゴミ袋を用意した。塵取りと手帚を使ってゴミ袋に収めていく。掘られた四隅は穿るようにして掻き出した。
四隅を齧られているものの段ボール箱は元の姿を取り戻した。
何もない真っ新な中に顔を突っ込み、大きく息を吸った。臭気はほとんど感じない。そこに夏仕様の白樺の木屑を敷き詰める。掘られた四隅の穴を埋めるようにしっかり押し込んだ。
乾いた木の独特な匂いが広がる。高原を吹き渡る爽やかな風を感じた。ハムはどのように思い、行動するのだろうか。
早速、ケージを元のところへ戻した。左右の扉を開けるとハムが起き上がった。間もなく飛び出すと木屑に鼻を突き入れる。匂いを嗅いでいるようだった。
数秒で終えると直線を走り、右隅の角で立ち止まる。そこでも鼻を下げた。
またしても走る。ケージと壁に挟まれた通路で止まると前脚で掻き始めた。木屑を一方に積み上げると頭から突っ込んだ。丸っこい尻尾を振りながら尚も突き進み、満足したように動きを止めた。
香しい匂いに包まれて眠っているのだろう。明日のハムはどうなっているのか。
楽しみに思いながら朝食の用意を始めた。




