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第10話 そんな日もある

 執筆の合間に窓を眺める。黒雲と白雲(しらくも)がひしめき合う。その中には青空もあってとても窮屈そうだ。

 パソコンの画面に目を戻す。ほとんどが文字で埋め尽くされていた。黒さが増して黒雲のようだ。改行は空白で白雲に見える。外の光景と違い、青空だけはどこにもなかった。

 俺はノートパソコンを閉じた。椅子から立ち上がると早々に着替えた。速乾性の高いTシャツにウインドブレーカーを羽織る。自動販売機を想定して財布も忘れない。

 気が変わる前に勢いよく階段を下りた。一階に母親の姿はなかった。

 窓際の段ボール箱に目がいく。中を覗き込むとハムは珍しくケージの中にいた。手を差し出すと挨拶のように指を噛まれた。

 不自由な中で自由に生きるハムらしい。俺も今日は人目を気にせず、自由に外を飛び回るつもりだ。


 俺だけの青い空を見つけにいく。

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