第82話 あまりにも呆気ない終わり
どうも、秋水です。
最近く、ちょっと実家でドタバタがありまして……
それでも、投稿は続けていくつもりです(ペースは落ちるかと思いますが)
そして腹を壊して、WCから出れなくなりました……もう腹痛怖い……
今回の話で、玲那のは終わりとなります。恐らく、次章がラストになるかなと自分の中では思っております。
真っ暗なゲートを抜けた先は、見たこともないまるで廃墟のような建物の中だった。天井はいくらか穴が空いていて空が見え、床は踏み込む度にギシギシというような音を立ててた。4人は慎重に、皓とアメノウズメは平然と奥の方へと歩を進めていた。しかし幾ら前に進めど最奥は見えず、まるで同じ様なところを何度も行き来している感覚に襲われる。
「一体ここはどうなってるんだ……」
小さくボヤきつつも前へ進む皓だったが、突如異様な雰囲気を肌で感じとった。誰も気付いては居ない様子だったが、明らかに少し奥の方の部屋の雰囲気が違和感の塊だった、
”まさかな……”
ゆっくりとその部屋の前へ移動し、音を立てずに戸を開いてみる。そして皓の目に飛び込んできたのは、柱の様なものに縛り付けられている雪咲とそれに絡みつくように抱きしめている玲那だった。2人は……というよりかは玲那が一方的に何度も雪咲と唇を重ね、蕩けたような表情で夢中になっていた。
部屋の中に突入するか否か決め倦ねていた時だった、背後から何かに押される感覚があった。驚いて背後に視線を向けると、玲那の事を知らぬ4人が恨めしそうな表情であの光景を見ていることに気がつく。そして皓が何かを言おうとするが、その前に4人は勢いよく部屋に飛び込んでいく。
「貴方達、一体何をしているの……!?」
「雪咲君……その人、誰?」
「……」
「雪咲……」
まるで昼ドラの様な場面だが、玲那は雪咲からそっと唇を離した後ジトッとした視線で皓達を睨みつける。アメノウズメと皓以外は怯んでしまうが、2人だけは負けじと睨み返す。
「また……邪魔するんですね」
「お前が間違ったことをしているからな」
「妹が兄を愛して、何がいけないの……?」
「”家族”として愛しているなら俺は何も言わないが、お前の愛はどうしてもそうには思えないからだ」
「ずっと……いつもお兄ちゃんを独占していたお前が偉そうに……!!」
駄々っ子のように泣きわめく玲那、だが次の瞬間……玲那の中の魔力が膨れ上がる。そして気付いた時には、既に魔法が放たれていた。それはまるで、全てを焼き尽くすような炎だった。近づくに連れ熱気を感じ、焼かれているかのような感覚に襲われる。だがそれは幻覚などではなく、正真正銘現実だった。そして、皓にはそれを防ぐ術など持ち合わせてはなかった。
”畜生、ここまで……なのか!”
迫り来る”死”の感覚よりも、またしても玲那を止められなかったという悔しい思いに歯を食いしばり、固く拳を握る皓。だが……その魔法が皓に届くことはなかった。突如、玲那の放った魔法があっけなくも消滅した。
「なっ……!?」
ふと気になり皓の横に視線を向けると、アメノウズメがいつの間にか刀を手にしていた。その刀は皓からすれば見るだけで悍ましく、寒気が全身を走り、何か言い表せぬような物を纏っていた。
「……さっきから黙っていれば、随分と自分勝手ですね」
「煩い煩い煩い!!」
次々と強大な魔法を連射する玲那、だがそれら全てが一瞬の内に掻き消されてしまう。
「何で……!」
「当然です、その程度の魔法で手傷を負うとでも?」
「っ……!」
一歩ずつ着実に、アメノウズメは玲那の方へ歩み寄る。来させまいとありったけの魔力を使い弾幕を張り巡らすも、尽く掻き消されていく。
「もう良いです、眠りなさい……-無限の夢の彼方で-」
アメノウズメが言葉を言い終えた瞬間……手にしていた刀は既に玲那の胸を貫いていた。そして有無も言わさず、玲那はその場から何も残す事が出来ずに霧散し消え去ってしまう。
「……」
その場に居た誰もが言葉を発することが出来ず、ただ立ち尽くしているだけだった。そう、一人を除いて……。
「あれ……」
言葉を口にしたのは、雪咲だった。まるで今目が覚めたかのように微睡み、何が起きているのか分からずに辺りを見渡しているだけだった。皓は、ただ黙って雪咲の元へと歩み寄っていた。
アメノウズメの一撃で、あまりにも呆気なく消え去ってしまう玲那。その重い空気の中、何が起きたのかすら理解出来ていない雪咲。




