第68話 雪咲の決断、口から出るは過去……。
どうも、秋水です。
一度に様々な事が起こりすぎて、自分でも対処に困っている所です。頭痛で夜は眠れないわ、歯が痛いわ、Twitterアカウントロックされたから仕方なく新しいアカウント作ったわ、ミリシタにハマるわ……等。
投稿期間が少し空いてしまい、楽しみにされていた方々本当に申し訳ありません。
それとこの度、秋水から狐饂飩へと改名しようかなと考えております。
それにつきましては、また後日Twitterの方で報告させていただこうと思います。
風呂から上がり室内用の着物に着替えた雪咲、首にタオルを巻きながら客室の方へと戻ってみる。そこにはガイルしか居らず、他の皆はミツマタノオロチの解体作業で出払っているそうだ。
雪咲は客室に入り、ガイルの正面に少し離れゆっくりと腰を下ろす。
「そういえば、風呂場が騒がしかったが……何かありましたかな?」
「あー……えっと……」
雪咲はしどろもどろと話し始める、途中ガイルは額に手を当て小さくため息をつく。
「全く……すみませんね、何せ娘は同じ年頃の……ましてや人族とは関わったことの無い箱入り娘でして……」
「い、いえ……どうせアメノウズメに何か吹き込まれたのでしょう、余り叱らないであげてください」
「はぁ……」
苦笑気味の雪咲に対し、何故かガイルの表情は深妙だった。最初は何故かと思っていた雪咲だが、後に理由を知ることになる……。
「所で……雪咲殿には、許嫁は……?」
「ぶっ……!?ごほっ……ごほっ……」
予想だにしていなかった質問に、思わず口に含んでいたお茶を吹きそうになる。何とか堪えたのは良いものの、器官に入ってしまい噎せてしまう。
「す、すまない……」
咳き込んでいる雪咲の背中を優しく擦るガイル、しばらくすると心の平安と共に咳が収まりお互い初期位置へと戻る。
「いえ……こちらこそ取り乱して……許嫁と言いますか、想ってくれている人は居ると思います……今もかは分かりませんが……俺はこんな体ですし、今後接触はしないようにとしているのですが……」
「雪咲殿の体の事情は把握しているつもりだが、何故……?想っていてくれているなら、答えてあげようとは思わないのかね……?」
「それは……」
雪咲は内心”しまった……”と思い、墓穴を掘ってしまったことに言葉を口にした後に気が付く。何とか言い逃れの言葉を探すも、ガイルの表情は生半可な言い訳では聞き入れて貰えそうにないほどに緊迫していた。少し気分を紛らわせるために窓から視線だけで外を眺めてみると、既に日は落ちトップリと夜が更けていた。
〈……仕方ない……のかな……〉
一呼吸置き、呼吸を整える。そして薄っすらと目を閉じ、少しだけ乱れた心と心拍数を一定値に戻すべく軽い精神統一状態……いわば”無”へと入る。
「……どうした?」
「いえ……」
ガイルの少し心配そうな声で現実に引き戻され、雪咲はコホンっと咳払いをする。そしてそのまま左手で自身の胸元に手を当て、深く息を吸う。そして……。
「……分かりました、知りたいと言うのであればお話しましょう。俺の出生の部分は自分でも分かりませんが、何処から来てどういう生活をしていたのか……」
「しかし、それは少し前に聞いた気が……」
「いえ、それは”こちら”へと来てからの生活です」
「”こちら”とは一体……?」
仕方ないと腹を括った雪咲は、自身の記憶の中で知りうる限り、且話しても問題なさそうな話を語る。雪咲は別の世界の遥か遠い国に生まれたこと、その国には魔法が無いこと、アルザース国王の手で友人と共にこちらの世界へ飛ばされたこと、友人は英雄と呼ばれているが自分はそうではないこと、こちらの世界へ来る途中不慮の事故で死に絶え生き返ったこと等々……。
話している途中、ガイルはにわかに信じられぬような顔をしていた。それでも、雪咲は話し続けた。既にアメノウズメとリィナが風呂から上がり、客室の戸の前に立っている事に気付くこともなく……。
次話、客室の前で雪咲の過去を聞いていたリィナ。全てを知っているアメノウズメはうんうんと頷いて聞いているだけだが、果たしてリィナはどう思うのか……。
そして、ガイルもどう思いどのような返しをするのか……。




