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チートを貰ったが、異世界では……。  作者: 月詠 秋水
第6章 エルティア編
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第66話 ミツマタノオロチ!

どうも、秋水です。


今回から、1点だけ変更点を加えたいと思います。


1話かプロローグで言っていた毎日投稿のことなんですが、体が持たないという事で1日開けての投稿としたいと思っています。


突然の変更で大変迷惑を掛けてしまうかも知れませんが、ご周知の程よろしくお願いいたします!

「……」


 巨大な影の所にいち早く向かいたかったが、服の裾を握って離さないリィナ。その瞳は、まるで今にも泣きそうに潤んでいた。


「早く逃げ……っ!」


 雪咲が言葉を最後まで言い切る前に、巨大な影が落ちた所から鼓膜が破けるかと思わんばかりの声が聞こえてきた。音量の大きさからして、すぐ近くに居ると判断がつく。


〈やばいな、下手をすれば結界が……!〉


 動揺を隠しきれなかった雪咲、リィナの肩をそっと両手で掴む。


「え……??」


 同じく動揺するリィナ、しかし雪咲はそれ以上にテンパっていた。


「選んで……今すぐ安全な所へ逃げるか、俺と一緒に来るか……!」


「じゃあ……貴方と一緒に行くわ、雪咲……!」


 戸惑うと思っていた返答が即答で、内心驚きを隠しきれなかった雪咲。だが優しく微笑み、そっとリィナを抱き上げる。抱き上げると言っても、普通のお姫様抱っこだが。


 驚きを通り越して声も出ないリィナに目配せし、これから先は声を抑えてくれと頼む。リィナは頭の中で目配せの意味を理解すると、小さく頷いた。そして雪咲はそのまま、リィナを落とさないように強めに抱きながら走り出す。足に魔力を集中させ、衝撃を殺し、力強く地面を蹴ると……景色は全く見えなくなり、気が付けば入り口の門付近の所まで来ていた。


「……!?」


 声を出さないが、それでも起こった事が理解できずに居た。だがそれも束の間、ズシンっと響くような足音がすぐ近くまで迫っていた。雪咲は門の隙間からチラッと覗いてみる、するとあることに気が付く。それは、巨大な影の正体は三首の龍だった。それぞれの首がそれぞれの方向を向き、街を探している風に見えた。だがその三首の龍の様子がおかしい事には、すぐに気づいた。


「……リィナ、ちょっと後ろに……」


「何をする気……なの……?」


「いいから……」


 少し不満そうな表情だったが、渋々言うことを聞いてくれた。離れたことを確認すると、雪咲はおもむろに懐からボロボロの日本刀を取り出す。既に刃の部分は無くなっており、もはや刀とは言えない悲惨な状況だった。だが雪咲がそれに込めた魔力のせいか、三首の龍は何か苦しげな叫びを上げながら荒れ狂う。


「何を……したの?」


「俺が感じた、街にあった石像と同じ様な魔力を拡散してみた。思った通りだけど……」


「……?」


 静かに考え込みそうになる頭をブルブルと振り、まずは眼の前のことから片付けなければと気持ちを入れ替える。


〈龍って、魔法効いたかな……〉


 そう思い、雪咲は結界の中から飛び出す。リィナが止めようとするも、その声届かず……。


 雪咲の存在に気付いた三首龍、噛み付こうとしたり火を噴いたりと様々な攻撃をしてくる。雪咲はそれをひょいひょいと避けつつ、頭の中で魔法を描きつつ魔力を貯めていく。


〈龍を……倒す魔法……〉


 何かを閃いたのか、動き回っていた雪咲だったが突如止まってしまう。今度は逃さぬようにと3方向同時に噛み砕こうとしてくる。だがいち早く雪咲が動き、魔力を体に溜めたまま手を突き出す。するとそこに現るは巨大な魔法陣、それに驚き一瞬だが怯む三首龍。それでもまた動き出す、だが……。


「ぶっ飛べ……!」


 雪咲が突き出した手をグッと握り締めた瞬間、魔法陣から出てきたのは見えぬ風の刃みたいなものだった。だがそれが通り過ぎた瞬間、龍の首3つが地面にボトリと落ちる。それと同時に、遅れて血液が噴水のように吹き出る。


 結界の中にまで血が飛んでいそうだったが、いざ中に戻ると血飛沫は微塵も飛んでこなかった。むしろ中に居た人達は、三首龍の血液で真っ赤になった雪咲をみて倒れそうになっていた。


「ガイルさん、あの龍は一体……」


 すぐ近くまで来ていたガイル、雪咲はそれに気付き駆け寄った。


「……龍神様の下僕の龍、”ミツマタノオロチ”、龍神様と同じくらいの時に封じられたはずなのじゃが……」


「……もしかして、龍の石像と何か関係が……?」


「……」


 最初は黙り込んでいたガイル、だが少しずつ言葉を口にし始める。


「……元々、あの石像は結界の核なんかでは無いのじゃ。」


「……!」


「どういう事……?」


 その話に、リィナも食いつく。そしていつの間にか、アメノウズメも雪咲の隣に居た。


「……石像は、この世界にいくつもある。そしてそれぞれの石像に、それぞれの龍が眠っているのじゃ」


「じゃあ、あのミツマタノオロチが眠っていた場所は……」


「言い伝えによれば、アルステン王国付近の何処かじゃと言われておる……」


「……!」


 アルステン王国といえば、皇女姉妹が居る街だ。だが今何をしているのか全く見当がつかず、頭の片隅に追いやっていた。だが今この時、はっきりと2人の顔が脳裏を過った。


〈まさか……ね……〉


 また熟考しそうになった瞬間、アメノウズメがパンパンっと手を鳴らす。その音に、周りの皆がアメノウズメに視線を向ける。


「今この場で話し会ってもキリがありません、ですので今は解散としませんか?」


「そうじゃな……せっかくじゃから雪咲殿、ウチの風呂でも入っていきませんかの?」


「え……いいんですか?」


「勿論ですとも!」


 思っても見なかった提案に、雪咲は少し目を輝かせる。体を拭いていたとはいえ、最近はまともに湯に浸かっていない。その為、体に蓄積された披露は半端ない程だった。


「すいません、じゃあお言葉に甘えます」


「では、行きましょうか」


 ガイルの言葉で、この場は一時解散となる。護衛の2人は、ミツマタノオロチの解体作業をすべくこの場に残るという。ガイル・雪咲・アメノウズメ・リィナは、ガイルの家へと向かっていた。

次話では、お風呂シーンが!


雪咲と、アメノウズメと、リィナがどんな絡みを見せてくれるのか……?

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