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チートを貰ったが、異世界では……。  作者: 月詠 秋水
第4章 アルステン王国編
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第42話 気付かれたくない思い、そして謎の刺客?!(後編)

今回は、結構な病んでる展開に……女性のキャラ崩壊?元からこんなキャラです。

ヤンデレは自分も大好物なんで、書いてる内に凄く楽しくなってきましたよ(苦笑)


ちなみに、女性はこれから激しくヤンデレ化する予定ですのでお楽しみに(何を)


「俺は……この世界に残りたいです」


雪咲の安堵した表情からこの言葉が出ると、女性は不思議そうに首を傾げる。


「……何故ですか?この世界には貴方の幸福なんて……」


だが、女性は言葉を最後まで言うのを躊躇う。本当は本人も薄々勘付いているんじゃないか、だがあえて何かを伝えようとしているのではないかと考えた。しかし、雪咲の答えはほぼ予想とは程遠いものだった。


「俺は自分が幸せになれなくていい……俺がこの世界に残りたいのは、皓をちゃんと元の世界に戻してあげたいだけ」


「……この期に及んでまだ他人の心配ですか」


女性の呆れ返ったため息に、少しだけむすっとなる。刹那、雰囲気が急激に変わるのを見逃さなかった。


「良いでしょう、貴方にその覚悟があるか……見定めさせてもらいましょう」


そう言って女性が取り出したのは、一本の日本刀。だが抜刀してみると、さっきまで静かだった周りは急に騒ぎ出す。止まっていたはずの時間は流れ始め、強く風は吹き荒れる。


「っ……」


身構えてはみるが、途轍もない威圧感。まるで宇宙空間のような、息をすることさえ忘れさせてしまう程の……今まで感じたことのない恐怖。必死に頭でどうすれば勝てそうか模索してみるが、どの方法でも瞬殺される未来しか見えなかった。一か八かと雪咲も日本刀を出すが、手は震えカチャカチャと虚しく金属音だけが辺りに響く。それでも平静を装い、足に魔力を込め地を蹴る。女性は雪咲の姿を見失うが、微動だにせず。


何か策……いや、あれは単なる余裕だろうな……なら!


女性のすぐ隣に姿を表し、神速を越える程の斬撃をお見舞いする雪咲。女性は防ぐどころか、慌てる素振りすら見せず一歩前に歩き出した。すると、雪咲の刀はまるで”自身から避けた”かの様にするっと躱されてしまう。即座に切り払おうとするが、既に女性の刀の切先は雪咲の喉元にあった。剣筋どころか、腕を動かす仕草でさえ目視することが出来なかった。思考を巡らせる前に飛び退き、距離を取る。だがいつ女性の刀に触れたのか、頬が薄っすらと切れて血が滴る。


「……この程度なのですか?」


表情一切変えない女性、雪咲は悍ましささえ感じた。だが此処で怯んだら殺される、その気持を以て自身を奮い立たせる。小さく息を吐き魔力を全身に巡らし、またもや雪咲は姿を晦ます。


「またそれですか」


退屈そうに刀をプラプラと揺らす、雪咲は女性の死角部分に姿を表し斬り込む……のだが、雪咲の刀は女性の刀の鞘に弾かれる。


しまっ……!?


弾かれ態勢を崩した瞬間、急に視界が暗くなる。気が付けば、雪咲は戦っていた場所から結構離れた場所に横たわっていた。気を失ってから何分経ったのか、すぐ近くで女性は刀をプラプラさせながら鼻歌を歌っていた。だが雪咲が目を覚ましたのに気付いたのか、鼻歌は止む。


「貴方……あの馬鹿神から力を貰ったくせにあの程度なんですか……?刀の使い方も全然なってませんよ」


「……」


黙ることしか出来なかった、何故なら神から貰った力はどれも癖が強くて簡単に使いこなせるものでは無かったから。だがこれを言っても言い訳にとしか聞いて貰えそうに無い、だから雪咲は歯を食いしばる。そして手にしていた刀で、自分の喉を突き刺す。女性は驚き、少しだけ距離を取る。さっきまで消えそうな程の魔力しか纏っていなかった雪咲が、自身の喉を突き刺した瞬間膨れ上がったのだから。しかし強大になった魔力は禍々しく、だが女性にとっては少し懐かしい感覚だった。


「これは……ふふっ、そういう事ですか」


さっきまで無表情だった女性、懐かしい魔力の感覚に嬉しそうに頬を緩める。だが、刀は構えたまま。


喉から多量に出血し、瀕死状態に陥る雪咲。朦朧とする意識の中、女性が少しずつ歩み寄ってきているのを感じた。だが体は動かず、ただ衝動に身を任せることしか出来ずに居た。そして雪咲が意識を失う頃には……女性に飛びかかっていた。ドス黒い魔力を纏い、それの全てを刀に込めて。だが惜しくも届かず、女性の刀は雪咲の心臓部を的確に貫いた。そして、雪咲は力無く地面に倒れ込み動かなくなる。


「やれやれ、まさか本当に使いこなせていなかったとは……折角あの馬鹿から適当な理由をつけてまで遠ざけたのに……」


小さくため息をつき納刀、刀を仕舞い倒れる雪咲の隣にそっと座る。そして、頬を優しく指でなぞる。まるで小動物を可愛がるかのように、優しく撫でていた。


「高天原からずっと見てたけど、貴方は少々馬鹿の力に頼りすぎ……そして他の子に気を許しすぎ……!」


撫でたかと思えば、拗ねたようにきゅっと頬を抓る。だが、雪咲はピクリとも動かない。


「これは貴方への天罰……なんてね、冗談よ。この刀で貫かれた者は、私と同じ力を手にすることが出来る……つまり、いわば一心同体みたいなものかしら」


一人で盛り上がり、周りの目なんか気にせずに燥いでいた。そして、うっとりとした表情で雪咲の顔をじっと見つめる。


「貴方は誰にも渡さない……とまでは言わないし他に女の子を作ってもいいけど、一番は私じゃなきゃ嫌……」


女性は微笑みつつも、そっと膝の上に雪咲の頭を乗せる。そして、愛おしそうに優しく撫でていた。

果たして神は無事なのでしょうか……(苦笑)

次話では、女性の名前と目的(?)が雪咲に伝わる。


果たして、どんな展開になるのやら……

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