第41話 気付かれたくない思い、そして謎の刺客?!(中編)
今回は(前・中・後)の3つの編成となっております。
前回は導入と言った所で、今回はメインと言った感じになっています。
散々悩んだ方針へ、今後はゆっくりと向かっていきたいと思います!
目を覚ますと、見慣れた部屋の天井が視界に映った。不意にとてつもない違和感を感じ飛び起きてみる、辺りは白い絨毯にテレビから何までの家電が揃っている部屋だった。
「……あれ?」
そして何に対して違和感を感じたのかさえも忘れてしまい、雪咲はベッドを出て部屋を出る。少しだけ狭い廊下はいくつかの部屋へと続いており、反対側には1階へ続く階段へと繋がっている。無意識に階段の方へと歩き、1階へゆっくりと降りていく。リビングに居たのは、自分よりも年下であろう少女だった。
「あ、お兄ちゃん。起きるの遅いよ!」
何食わぬ顔で妹は朝食の準備をしている、途中
あれ……俺妹なんか居たっけ……?
と思ったりもしたが、アホらしくなり考えるのを止める。妹に急かされるがままに制服に着替え、朝の食卓についていた。すると突然2階から誰かが降りてくるような足音が聞こえる、リビングにやってきたのは寝癖もボサボサの男性とうとうとしながらも男性に支えられている女性だった。
「あ、お母さんお父さんおはよ~。朝ごはんできてるよ」
妹の言葉に、表情が柔らかくなる2人。そのまま父らしき男性……と呼称するのは些か長いので、父と呼ぶことにする。
父と母は同じ食卓につく、配置は雪咲の隣に父が座り妹の隣に母が座る形になり、家族で朝食をとった。トーストにサラダにベーコンエッグ、どれも朝食の定番だ。特に変わった様子も無く、皆和気藹々としていた。雪咲と言えば無表情に、静かに、家族の輪に中々入れずに黙々と黙って食していた。
別に何時も通りの朝の筈なのに……なんでこんなにも胸が締め付けられる思いなんだろう……
手にしていたコーヒーの入ったコップをテーブルに静かに置き、瞳を伏せ食卓をぼんやりと眺めている。すると突然隣に居る父から、話しかけられる。
「どうした?やけに今朝はテンション低いな……大丈夫か?」
心配そうな顔をしながら額にそっと手を触れてくる、そして熱がないと確認したのか更に心配そうな顔をしてくる。雪咲はせめて安心ぐらいはさせてあげなきゃと
「大丈夫、考え事していただけだから」
といい、優しく微笑む。それに対して父もとやかく言うつもりはないらしく、あっという間に父は出勤の時間帯を後数十分にまで迫っていた。みるみると父の顔は青ざめていき、急いで食卓を離れる。どうしたのかと思えば。髭剃りから歯磨きから着替えまで急ピッチで身支度を整えていた。全て終えるのに、恐らく数十分すら経っていなかったと思う。
「じゃ、行ってきます」
「行ってきま~す!ほら、お兄ちゃんも行くの!」
「……行ってきます」
3人揃って家を出て、門を出た後父は少し小走りで先に行ってしまった。妹はぼーっとする雪咲の腕を引っ張り、そのまま学校へと向かう。そして、学校に向かっている最中重大なことに気が付く。それは、自分と妹意外に周りには人が一人として存在しないことに。人通りが少ないとかそういう次元ではなく、完全に別次元に迷い込んだ感じだ。
「……っ!」
色々考えていると、急遽激しい頭痛に見舞われてしまう。意識は混濁し、妹の声すらぼやけては闇の中へと消えて行く。そのまま、雪咲は意識を手放し気を失ってしまう。
次に目が冷めた時は、外に居た。上を見上げれば満点の星空、なはずなのに時間が止まっているみたいに動きもしなければ色もかなり褪せている。足元には小さく咲いた草花から、少し伸び茂った雑草が生えている。眼の前には、和服の女性が真剣な眼差しで雪咲を見つめている。そして、気が付いてしまう。
さっきのは……まさか……
そう思い口にしようとした瞬間、女性に遮られてしまう。
「先程貴方が体験したのは、貴方が本当に心の底から望んでいる光景……若しくは、望んでいた光景です。浄化されれば、先の光景を現実へとさせてあげることも出来なくはないです。如何なさいます……?」
女性のその問には、すぐに結論を出すことは出来なかった。だが……先からずっと、胸が締め付けられる感覚に襲われ続けている。ただの一時も休まること無く、ずっと……。
気が付けば、また涙が頬を伝い落ちていた。そして、既に自身の心は決まっているんだと気が付く。
そっか……うん……
溢れ出る涙をそのままに、雪咲は静かに息を吸いこむ。そして少しの間の後、静かに言葉を発する。
「俺は……-」
次話は後編です、次で決着つきます。
少々の戦闘シーンもありますし、頑張って書き上げたいと思います!




