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チートを貰ったが、異世界では……。  作者: 月詠 秋水
第4章 アルステン王国編
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第29話 共通の予感……?そして発現する上級魔法!

あらすじ


アルステン王国内部へと入る雪咲達、だがそこでは反乱軍と騎士団が戦いを繰り広げていた。上空から入り込み、城壁の内部へと降り立つ。


そこで出会ったのが、騎士団長リーシアと副団長フィーリアと特別補佐官のヴァンだった。コーネリアやジュリア達も混ざるが、それとほぼ同時に反乱軍が城内の方にまで侵入してくる。


アーシュとユリナを含め4人を城の奥へと逃し、必死に敵を食い止めるグラン達盗賊団とリーシア達騎士団。


はたして、この先どうなっていくのか……!?

「うぉぉぉらぁぁぁ!!」


雄叫びと同時に大剣を振り下ろすグラン、相手の剣をあっさりとへし折り叩き切る。血を飛び散らせながら倒れる反乱軍の一人、それを気にせずグランは次々と切り倒していく。一方で騎士団の方は気遣ってなのか、切らずに気絶させる魔法で相手を倒していっている。だが気絶しなかった者も居て、背後から斬りかかろうとしていた。


「クソっ……!」


騎士団員が斬られる間一髪の所で間に割り込み、完璧に息の根を止める。気が付いてなかったのか、騎士団はグランに付いた大量の返り血を見て腰を抜かす。それに何を思ったのか、騎士団員の胸ぐらを掴む。


「気絶させるなんて甘っちょろい事してんじゃねぇ!!死にてぇのか!!」


怒鳴りながらも掴んだ胸ぐらを離し、次々と斬り進んでいく。だが一向に数が減る様子はなく、こちらの体力だけが消耗されていく感じがしていた。その頃雪咲は、リーシアの直ぐ側に居た。だがリーシアの少しだけ険しい表情に、雪咲は不思議に思う。


「……どうしたんですか?」


「いや……嫌な予感がしてな」


そう言って視線を向けたのは、先程アーシュがユリナ・コーネリア・ジュリアを連れて走っていった城の奥へと続く細い道。


「向こうにも侵入出来そうな場所が……?」


「いや……そう簡単に入れる場所では……」


その言葉が終えたと同時に、雪咲は4人の後を追いかけるように走り出す。


「俺が様子を見てきます、だからそっちの方は任せましたよ!!」


「ちょ……」


リーシアが何かを言おうとした時には既に雪咲の姿は無く、細い道の遥か奥の方に居た。


「……仕方ないか、皇女様を頼みましたよ」


小さく呟き、腰に携えていた剣を抜く。そして、騎士団員が戦っている場所へと乱入する。



嫌な予感……か……


そう思いつつも薄暗く細い道を走り続ける雪咲、曲道とか途中にあったのだがアーシュの魔力を辿っているため余計な回り道をするわけにはいかない。だから雪咲は、壁抜けの魔法を駆使して城の奥へと突き進んでいく。


~一方グラン達城門の方では~


無限に思える敵を次々と薙ぎ倒していく、だが盗賊団員達は次々と疲れ果てへばっていく。


「も、もうだめ……」


「疲れた……」


剣を地面に突き立て、荒くなった呼吸を整えている団員まで出てくる。騎士団の方も疲弊が激しいらしく、倒れている騎士団も少なくはない。中には血を見て倒れている奴や、死にたくないからと言って逃げ腰な奴らも居る。そんな中騎士団長であるリーシアやヴァンやフィーリエはそんな騎士団達を奮い立たせながらも戦っていた。


「”遍く安寧の鈴、聴くは我が旗印を持ちし者のみ。今立ち上がれ”……〈ヒーリング・ベル〉!」


フィーリアが詠唱を終え魔法を顕現させる、すると先程まで疲弊していたものや傷を負い倒れた者達が立ち上がる。そしてまた、反乱軍の方へと突撃していく。


「”我が剣は誓いを立てし者に捧げた、今こそその誓いを果たせ。尽くを以て全てを薙ぎ払い、数多もの敵を殲滅せよ”……〈アイシクル・ソード〉!!」


次はリーシアが魔法を顕現させる、魔力を込めると薄蒼く光を帯びる剣。光は一振りで消え去ってしまうが、その一振りで2割以上の反乱軍が氷漬けにされていた。


「”貴様らの一寸先は闇、呑まれ混濁の渦の中で足掻き苦しめ。闇の胃袋はどんな物も取り込み、強力な闇で解かし尽くしていく”……〈ダークネス・ストマッチ〉!!」


ヴァンが魔法を顕現させると、辺り一面が闇に包まれていく。そして次の瞬間……反乱軍の1割以上が消え去っていた。何処に言ったのかと視線だけで探してみると、上から何かが落ちてくる。見てみると、巨大な闇の渦から人骨が次々と落ちてくる。


ちっ……負けらんねぇな……


強力な魔法を使用する騎士団長達、そして平然と無詠唱で化物みたいな魔法を使う雪咲。少しでも追いつきたいとずっと思い、頭の中でずっとイメージしていた魔法を唱えようと準備に入る。


「……」


地に片膝を付き、そっと地面に触れる。そして魔法を使用した後の現象を考え、そして一気に魔力を放出する。最初は何も起こらなかったが、少し時が経った瞬間……突如地面が大きく揺れ、立っていたものの半数以上は転ぶ。そして転んだ隙を見計らい、更に魔力を放出する。すると地面が少しずつ盛り上がり、反乱軍の半数近くを上空の彼方へと打ち上げていく。魔法を使用した後の地面は、まるで断崖絶壁のような大きな山みたいなものが出来上がっていた。それを見たリーシア達は唖然とし、盗賊団員ですら呆然と立ち尽くしていた。反乱軍はまだ戦意があるらしく、回り込んでグランの方に斬りかかってくる。


「まだ残ってやがったか……っ!」


大剣を握りしめ立ち上がろうとする、だが魔力を使いすぎたせいか思うように体に力が入らず立つことが出来ずにいた。すぐ近くまで敵の剣が迫ってきていたが、後少しの所でピタリと止まる。見てみると、リーシアが横から敵を吹き飛ばしてくれたようだった。


敵を牽制しつつ、グランの元へと移動するリーシア。敵から視線を離さず、グランに声を掛ける。


「魔力の使いすぎだ、少し後ろへ下がっていろ!」


だが体が思うように動かない、そんなグランを後ろへと下がらせたのはヴァンだった。グランの腕を持ち、後方へと放り投げる。受け身すら取れないせいか、城の壁に体を打ち付ける。


「っ……!」


若干傷みはしたが、文句を言う気力すら無かった。


「……まさか、上級魔法を無詠唱とはな……面白い男だ」


嬉しそうに呟きながら反乱軍を斬り捨てていくリーシア、援護するようにヴァンとフィーリアがどんどん前へと突き進んでいく。

まさか此処で初呪文の詠唱を考えることになるとは……。


グランの無詠唱は、雪咲に影響されてなので別に想像魔法というスキルではありません。

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