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チートを貰ったが、異世界では……。  作者: 月詠 秋水
第3章 ハルカス編
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第19話 商人の少女

見事ゴブリンの群れを退け、無事にハルカスへ到着する雪咲達。しかしそこで見たのは、現実世界の海とは全く違うものだった。


雪咲は内心はしゃぎ、そわそわしていた。


コーネリア達との契約を無事果たし、宿屋へと歩を進めるフリーダム・シーフ一行。


しかしそこで待ち受けていたのは、とても強情で訳の分からない女性だった。


見事女性の無茶振りで男性に打ち勝ち、部屋へと案内してもらうのだが……!

カウンターにいた女性のせいで変に疲れ、部屋に案内してもらい中に入るなり布団の上に速効でダイブする。アーシュとグランと雪咲が同じ部屋、その他は皆別々の部屋となって廊下で別れそれぞれ部屋の中へと入っていく。


さてと……


あまり長時間ゴロゴロは出来ず、雪咲はちょっと適当にふらついて来ると言って宿屋を後にする。アーシュとグランは何を思ったのか着いてこようとしていた、しかし特に重要な事はしないと1人で行ってしまう。


「まずは……」


最初の行き先は、ギルドだった。とても大きな建物が特徴的なギルドで、中はとても広く商人達は売買を嗜んでいた。売っているものは主に武器や回復ポーション、逆に買っていた物はモンスターの落とす素材だ。よくそんなので成り立つものだと思いながらフラフラしていると、1人の少女に声をかけられる。


「貴方冒険者?よかったらウチの所で買っていかない?」


その言葉に反応したのか、急に辺りの商人らしき人達が雪咲に視線を向けてくる。どうやら競争が激しいみたいで、冒険者は片っ端から声をかけられまくっていた。中には揉みくちゃにされてる人も……そんなふうにはなりたくはないから、仕方なく商談を受け入れることにした。


「それで、何を売ってくれるんだい?」


「えっとね……回復ポーションと解毒薬、後は剣くらいかな」


嬉々として語り始める少女、彼女には悪いが全てを鑑定して他の商人と比較してみた。値段は全て他の商人よりも高く設定されているが、それに見合うほどの良い品質のポーションと解毒薬だった。


例えば隣の商人の物と比較してみる、向こうは凄く安い小銅貨3枚なのに対しこちらは小銅貨6枚と2倍の値段である。しかし使用している薬草の違いか、回復量はあちらは全く回復しないのに対してこちらは体力の3分の1を回復するという。


解毒薬にしても、向こうは軽度な毒しか直せないがこちらのはある程度重度でも毒なら消すことが出来る。しかし値段も高く、同じく3倍の値段である。だが剣は同じ様な値段だった、その理由はよく見るとすぐに分かった。


何故なら、所々に刃毀れが見られるからだ。多少の刃毀れでも切れない原因になったりする場合がある、その為命がけの冒険者は一切買う素振りなんて見せず。


「大体は分かった……それで、買い取りはしてくれるの?」


「現金での買い取りは……店に有るものなら……」


どうやら物々交換なようだ、雪咲は仕方なくコカトリスの肉片(ギルド証明書を見せ)とゴブリンの体パーツ(部位はほぼ適当)を取り出す。すると少女は突然慌て始める、雪咲はどうしたのと首を傾げる。


「そ……そんな物と交換できるような品は……ウチには……」


その言葉を聞き、少女のボロボロな姿を見て小さくため息をつく。その姿にショックを受けたのか、今にも泣きそうな顔をしていた。そんな少女の頭に優しく手を置き、撫で始める。


「別にいいよ、お金目当てじゃない……ってのは嘘だけど、ちゃんとポーション買うから」


そう言うと、少女はポーションを纏め始める。


「そうだな……取り敢えず在庫全部頂戴」


そう言いつつ、懐から金貨を取り出しポーションと引き換えに渡す。すると少女は震え、返そうとする。


「お、多すぎます……余剰がお返しできな……」


「お返しはいらない、君は商人で俺は買いに来た客だ。遠慮する必要はない、それで美味しいものでも食べると良いさ」


あえて言葉を遮るように話し、ポーションを懐(異次元袋)へ仕舞い立ち去ろうとする。少女の方に視線だけで振り向いてみると、雪咲の方を向いてポケ~っと突っ立っていた。どうやら人生で初めて手にした金貨らしく、どうして良いのか分からないみたいだった。だがその時は何も思ってはいなかったが、後にこの事が大事を招くとは思いもしなかった……。

次回、雪咲が金貨を渡した商人の少女の正体が明らかに!?


そして、その事により雪咲は大変なことに巻き込まれることに!?

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