第13話 いざ、想像魔法!
目が覚めると、朝方になっていた。昨夜どんちゃん騒ぎをして寝てしまい、そのままなのを思い出す。
雪咲は1人森の中を歩いていると、とても幻想的な場所に出る。そこにある大きな大樹に触れると、突然何も無い空間に居る。
そこで出会ったのは龍神 アーシュ、古代封印魔法 ユグドラシルに封印されていたらしい。
果てさて、今後どうなるのか!?
さてと、やりますか
そう思い、目を閉じて頭を最大限に働かせる。イメージするのは全ての魔法を解除している所、封印を呆気なく打ち砕くイメージ。小さくため息をつき、スッと膝をつく。そして地面に手を触れる。
「……何をしてるの?」
アーシュは少し不安そうに見つめる、だが雪咲はその言葉を聞き流して考えついた言葉を唱える。
「……”全ての呪いを解く者、我その力を望まん。今此処にその力を顕現し、全てを開放せよ……”〈オール・リカバリー〉」
文言を唱え終え魔法の名を唱えた瞬間、全てが白い何もない空間だった場所は硝子のように割れてさっきの森の中の湖の場所へと戻ってきていた。先程までの大樹は段々と小さくなっていってしまっていた。
「……何が」
そう呟いた瞬間背後から強力なプレッシャーを感じる、冷や汗をかきつつ振り向いてみるとアーシュが少し離れた所に立っていた。見た目は少女のままなのだが、発せられているプレッシャーは強大な力の持ち主のそれだ。
「……」
黙りその場で動かずにいると、アーシュはふと微笑む。
「ありがと、私を開放してくれて……」
そう言うと。華奢な少女は急に見えなくなる。目を擦りもう一度見てみると……そこには巨大な白い龍がそこに居た。
「……」
思わず失神しそうになるが、何とか踏みとどまっている。冷や汗を流しながら黙りこくっていると、アーシュ(?)は元の少女の姿に戻る。プレッシャーは少し和らぎ、安堵のため息をつく。
「……意気地なし」
雪咲に聞こえない程度に呟くと、木製の橋の先……さっきまで大樹があった場所まで歩いていく。もうそこには先程までの立派な大樹は無くなり、代わりに小さな木が生えていた。アーシュはそっと木を撫でると、急速に大きさを取り戻していく。
「しかし大したもの……まさかユグドラシルを破るなんて……」
木を元の大きさに戻し終え、再び雪咲の方へと向く。
「……一体何者?」
アーシュは首を傾げ尋ねる、雪咲はどうしようかと考え込んでいた。異世界人だと言っても信じてくれるか分からないし、かといってただの盗賊と言ったら何されるか分かったものじゃない。だが下手な隠し立てをするよりは、普通に話してしまったほうが身のためだと思い……神様の事以外全てを話す。
……
アーシュは話が終わるまで黙って聞き続けた、そして話が終わるとクスクスっと笑い始めた。
「な、何でそんな笑う……?」
「だって、英雄召喚のオマケって……可哀想」
「うっ……」
図星をつかれ、雪咲は内心涙目状態。アーシュはひとしきり笑い終えると、項垂れている雪咲の頭を優しく撫でる。
「全く、今も昔も人族は世話が焼ける……」
まるで我が子を愛すかのように、優しく抱きしめた。見た目は少女なのだが、中身は年の離れた姉のようだった。そんなアーシュに雪咲は、少し恥ずかしがりながらも離れようとは思わなかった。
「……」
もう少しこのままでも……
そう思いかけた瞬間、背後から草木が揺れる音が聞こえ急いで離れる。何故かアーシュの顔は少し残念そうだったが、振り向いてみるとそこには眞弓が草むらから出てくる。それに驚き、どうしようか悩んでいる雪咲。幸いなことに、眞弓は此処が何処だか把握できておらずキョロキョロしているため雪咲の存在には気付いてない模様。
これは……
絶好の機会と思い、姿を隠す。勿論魔法で姿だけを消しているので、気配や視線などは恐らく隠しきれてはいない。アーシュも雪咲と共に姿を隠そうとした瞬間、眞弓に見つかり声をかけられる。
「貴方、こんな朝に此処で何を……?」
心配そうに駆け寄る眞弓、それに鬱陶しそうな表情を隠し無表情になるアーシュ。
「別に……」
ぷいっとそっぽを向くと、眞弓は少しショックを受ける。だがめげないと言わんばかりに、余計にアーシュに突っかかってくる。
「貴方みたいな小さな子を、放っておける訳ないでしょ!」
「……放っておいて」
このまま無限ループになりそうなので、盗賊団の所へ戻ろうとすると迂闊にも落ちている枯れ枝を踏んで大きな音を鳴らしてしまう。その音に2人が反応し、雪咲の方に視線を向ける。動揺のあまり、雪咲の透明化は解けてしまっていた。
「「あ……」」
雪咲の姿を見て、アーシュと眞弓は硬直してしまう。
続きは明日投稿いたします
今回は体調が優れないので、文字数は少な目です




