35 急展開
その時は私が吐き気でしゃがんでいたから気がついたの。
ツンツン地面をついばむジャナールの後ろ姿────
フワフワの羽が濡れて小さく固まってるとこがある。
フン? フンがお尻にくっつくなんて、ジャナールは普通に見えるけど少し体調が悪い?
ううん、違うみたい。
この子、ケガしているの? もしくは草むらで変な虫をくっつけて来たのかも。
ゲッ! マダニだったら大変だよ?
私は這いつくばるようにジャナールの真っ白なフワフワの羽のお尻に顔を近づけた。
─────ん?
「ジャナール、ちょっとごめんッ!」
「コ、コケッ!! コココココッ!!」
ガっと後ろから掴んで後ろ向きのまま左小脇に抱えた。
ちょっとお尻を見させて貰うよ。つつかないで、イタタタ・・・
「ごめん、3秒じっとしていて? すぐ終わるからさ」
烏骨鶏の白いふわふわの毛に絡まって埋もれていたものは────
*
ジャナールを解放し、私の右手に残ったものは息絶え絶えでグッタリしていた。
親指の先ほどの大きさの緑色の物体。それは────
「あ? ア? ア?・・・アマ・・・ガエル???」
どうしてジャナールのお尻の羽にアマガエルが絡まっているの?
狼狽。今、自分の目が泳いでるの自覚。
私の背中から肩越しに覗いてきたアノールが言った。
「・・・おいおい、まさかのまさかだぜ?」
「・・・もしかして? まさかこれ・・・?」
私の手のひらに乗った、このちっこいヤツ。天川???
「あ、あんた・・・天川・・・なのッ?!」
「・・・ゲ・・・コ・・・」
掠れた微かな鳴き声が聞こえたような聞こえなかったような。
棒立ちとなり、首をカクカク回しながら恐る恐る肩に乗ってるアノールと視線を合わせた。
「・・・アノール?」
「確定だ・・・」
私は昨日、農作業用エプロンに切り込みを入れ、脇部分を背負い紐に結んだりして即席リュックに改造。幸いにも、中には天川へのお土産も兼ねた湿っぽいキノコや山菜やらの山の幸が詰まっている。
「天川は取り敢えずここに入っていて!」
一番大きなキノコのベッドにそっと寝かせてからリュックを背負った。
「さあ、アノール! 至急メルヘン小屋に帰ろう! ジャナール! さっさと帰るよ? ついておいで」
*
急く気持ちを抑えつつ慎重な足取りで進んだ。
やっとこメルヘン小屋に戻ると、玄関にはおなじみのNNKデスからの新しい封筒が落ちていて、物置部屋には大きな水槽とカエル飼育セットが届けられていた。
「エッ、なにこれッ!? 天川用ッ?!」
「ああ。ここはAIによって最適化された世界だw」
運営マザーAI選択、緊急時における『最善な処置』ってこと・・・?
これってナイスフォロー、なの? (;゜∀゜)




