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春へ歩いて 5
「優勝したのは、ボクらの力じゃないんダ」
解散後、わたしの家にスッタンがやって来た。いつものことなので、お母さんも違和感など何もない様子。自然と二人分のジュースとお菓子を部屋まで持って来てくれた。
「どうして? 怪しいとは思ったけどさ」
聞いて欲しそうにしていたので、あえてからかわずにわたしは問い掛けておく。ジュースとお菓子を一口、スッタンは落ち着いたトーンで説明を始めてくれた。
「ファンの人なんて、殆んどいないんじゃないかナ。可愛いメンバー多いし、全くいないとは言わなイ。それでも、優勝だなんてネ? 本来なら、予選突破も無理だったと思ウ」
分かってはいるけれど、改めて言われると少しショックだった。それを考えると、わたしも優勝を実力と願う部分があったのかな。ありえない、頭では思っていたんだけどね。




