第8話:そんなことまで、わかるのですか!?
本日の投稿~
◇
目を覚ますと昨日と同じベッドで寝ていたようだ。壁際には昨日ヴァネッサ夫人の側にいたメイドのアンナさんが椅子に座っていた。俺が目を覚ましたことに気づくと側まで来て起きるか確認され、起きると返すとカーテンと窓を開けた。
うっ、眩しい。太陽の日差しが目に刺さる。思わず手で朝日を塞ぐ、つもりが思ってた以上に自分の腕が細くてビックリした。まるで枝のようだ。
つい自分で「ほそい」と呟くとアンナさんが「これから少しずつ食べていけば大きくなれますよ」と気づかいの言葉を貰うことになった。感謝の言葉を使える。
「ありがとう。アンナさん」
「私だけでなくこの家にいる皆がそう思ってますよ。それで話は変わりますが坊っちゃんのお世話役、お付きになるメイドを紹介してもよろしいでしょうか?」
「おせわやく?というか、ぼっちゃん?」
「はい。公爵家の養子にすると旦那様が宣言されましたので、後々にはなりますが公爵家の人間として相応しい立ち振る舞いを身に着けていただきます。…まぁ、暫くは体調を良くしていくのがあなたのすることですね」
「…なるほど。おおきないえだもんね」
「えぇ。ということで、2人とも!入ってきなさい!」
アンナさんの呼び声で外への扉が開き、メイドが2人入室して声を揃えて挨拶をしてくれた。左には金髪前髪パッツン後髪ロングストレートのメイドさん。右には暗めの赤色でボブカットのメイドさんがいた。金髪のメイドの方は背が高くスレンダー。赤色のメイドの方が更に全体的に小さい子だ。
ジロジロと見ていてると自己紹介が始まっていた。
「クレア・セルアートです。この度は坊っちゃんのお世話メイドの1人に選ばれました。子爵家の4女なのでそれなりにこの国のことについての知識はあります。分からないことがあればお気軽にお聞きくださいませ」
「ノーマ・アルティ。同じ世話役兼護衛。男爵家の3女。戦闘は任せて」
「紹介も終わりましたので私は坊っちゃんの朝ご飯をお待ちしますね」
そう言い残してアンナさんは部屋から出ていった。
「ぼくのことは、どれくらいきいてる?」
「分かっていることは全てお聞きしております。その辺りのフォローも任されています」
「敵が来ても私が守る。安心して」
「ノーマ」
「きにしないから、いいよ。でも、ほかのひとがいるときは、きをつけてね?ノーマさん」
「ありがとう。助かる」
「それと私達のことは呼び捨てで呼んでください」
「…あー、こうしゃくけとして、ひつよう?」
「はい」
「わかった。よろしくね?クレア、ノーマ」
「「よろしくお願いします」」
「クレアさ、…クレアもたたかえるの?」
「はい。私は魔法使いなので接近戦は苦手ですがある程度動けます」
「ちなみに、その辺の兵士よりも強い」
「なるほど。じゃあふたりとも、見てもいい?」
「ぜひ」「えぇ」
クレアさんから目を見つめ、見つめ…照れる。クレアさんは清楚系でなんかこんなに見つめていること自体が罪なんじゃないかと思ってしまう。なんとか目を見つめ続けると文字が浮かんできた。
武器適性:細剣C(限界値B)・小剣D(限界値C)剣F(限界値F)鉄扇*(限界値A)
備考:体術D(限界値Bだが柔術やカウンターのみ)
魔法適性:風B(限界値B)その他F(限界値F)
「さいけん?がとくいで、まほうは、かぜだけ?」
「合ってます」
「たいじゅつはにがて?」
「はい。やはり体格の良い方が相手だと不利なので苦手意識があります…」
「でも、じゅうじゅつ。カウンター?あいてのちからを、りようすることにかんしてだけは、まだまだのびるみたいだよ?」
「そっ、そんなことまでお分かりになるのですか?」
「あってたらね?あと、ぶきはてっせん?てつのせんす?がさいけんよりもうまくなるみたいだよ?」
「細剣、よりも、ですか…」
「おもいいれがあるなら、ためさなくていいんだよ。もしくは、そとではさいけん、なかではてっせんにするとか」
「…なるほど。状況によって使い分ける。というわけですね?確かにそれなら細剣も使えそうです。少し訓練してみます」
「つぎは、ノーマさ、ノーマを見るね?」
「どうぞ」
表情の起伏が少ないけれど顔の作りは可愛い。よく見ると目元や口元が少し動くので無感情というわけではなさそう。可愛くて、照れる。
武器適性:全ての武器C(初期値と限界値がC)
「うん?もしかして、ぜんぶさいしょからつかえる、スキルみたいなのある?」
「凄い。そこまで分かる?」
「ううん。かいてないけど、はじめてみることがかいてあったから」
「…ちなみにどのようなことが?」
「すべてのぶきと、しょきちがCって、かいてある」
「正解。私のスキル『オールスタンダートウェポンズ』は全ての武器を最初から平均的に使える。だから武器の取り扱いの練習をしたことがない。武器に振り回されない様に肉体は鍛えているけど」
「すごい」
「努力しなくても全ての武器が一定の実力で使えるなんて、正直羨ましいわ」
「でも、みんなみたいに上手くなれない」
「なるほど?」
他の適性が無いか見れないかな?
身体適性:腕力D(限界値C)・脚力C(限界値A)・腕の速さC(限界値C)・足の速さC(限界値A)身軽さC(限界値A)
※備考:『オールスタンダートウェポンズ』と脚力の将来性を考えると正面で戦うよりも一撃離脱をするようなアサシンタイプの戦い方が1番輝ける。大容量の収納袋にあらゆる武器を入れて持ち歩くとなお良し。
「お~」
「ん?どうしたの?」
「ノーマのからだは、うでのちからよりも、あしのちからのほうが、まだまだのびるって」
「「っ!?」」
「そんなことまで、わかるのですか!?」
「あと、しょうめんでたたかうよりも、いちげきりだつのほうがいいって。それと、しゅうのうぶくろとかに、ぶきになるものいれて、かわるがわるだしいれして、かえながらたたかったほうが、かがやけそうだね?」
「「…」」
「あいてに、たたかいのこきゅう?パターン?をわからせないたたかいかたができそうで、かっこいいね?」
「………ふふっ。そうだね。これは楽しみが出来た」
「あのっ!私にも「『コンコン、ガチャ』食事をお持ちしました。…どうやら仲良くなれそうで♪それでは2人をよろしくお願い致します。私はこれにて失礼致します。『ガチャ』」……食事にしましょうか」
「うん。おなかペコペコ」
昨日よりも本当に少しだけ具が増えたスープを飲み干すと、どうやら閣下達に食後に落ち着いたら来てほしいと言われているみたいなので身支度を整えて向かおうとしたら部屋にヴァネッサ夫人が現れてだっこされながら別の部屋に移動することになった。戻って来たアンナさんから話を聞いて食後に合わせて来てくれたらしい。
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