第十六話「200年前の真実を知る者」
遅くなり申し訳ございません。
第十六話です。
ではどうぞ。
―――――あの時ああしていたら、こうしていたらって、嫌っていうほど考える。
後悔ばかりでどうしようもなくて。
「感情」という不可解なものに押しつぶされそうで。
あなたがいない世界は満たされない。
生きる価値もない。
でも、もし、もしも。
あなたにもう一度会えるなら。
その時は必ず―――――。
「ど、どういうことなの……?」
キリアの小さく消え入りそうな呟きがはっきりと聞こえた。
その質問に関しては私も同意見だ。
チャームは私達に嘘をついていたことになるのか。
いやそれよりも、チャームが本当に200年前の人物なら、真実がわかるかもしれない。
「『死神の子』は他の魔法使いと違って、魔力の形や大きさがはっきりと見える。それによって、相手が生きてきた年数もあらかたわかる。そしてあなたの魔力の場合、たかが数十年で身につけられるものではない。違いますか?」
チャームは静かに聞いていた。
チャームが返事をするのを私達は固唾をのんで待つ。
「ええ。そうですよ」
手にコーヒーが入ったカップを持ち、ユラユラと小さく揺らす。
水面が動くのをじっと見ていた。
「そして、あなたはもう一つ隠していることがあります」
エフィは椅子から立ち上がり、コツコツとチャームの前まで歩く。
「シャーナさんの学長である、ビナード学長。あなたは彼と血縁関係があるのではないですか?」
そこでなぜ学長の言葉が出てくるのかがわからなかった。
あれ、でもそういえば。
『あの人は、ただの魔法使いじゃない……』
あの時にはもう気づいていたのだろう。
「私と彼がどういう血縁関係かは私にはわかりません。そもそも200年前と言っても私はまだ幼かったので何も知りません。むしろ……知りたいくらいです」
なぜ、そんな悲しそうな顔をしているのだろう。
でも今の話だと、学長が何かを知っていることになる。
確かに学長は顔を隠していたり、プライベートな情報が一切ないことで有名である。
「知らなくては……全てを終わらせるんだ」
チャームの言葉は誰の耳にも届かなかった。
「それで、私のところに来たのかい」
相変わらず顔が見えなくて、表情がわからないがおそらく笑顔なのだろう。
今、マージェリー学園へ研究員である6人とチャームで学長室まで足を運んでいる。
それぞれ、ソファに腰をかけ学長の話を聞く。
「いいのですか?」
スラリと長い脚を組み、手で支える。
「今から話すことは、政府も王家も知らない空白の200年。きっと皆が思ってる世界よりも、非道で残酷で理不尽であることを思い知らされる。それを知ればもう知らない時には戻れないだろう」
「でも、何か知っているのであれば話してください……200年前本当は何があったのですか?」
学長は深く深呼吸をした。
姿勢をただし、「では」と口を開く。
この世には運命というものが存在する。
私はそれを誰よりも知っている。
きっと、あの日から決まっていた未来だったのだろう。
そしてそれが、全てを歪ませた元凶であることも。
今でも思い出す。
景色も言葉も、なにもかもを。
『私が君を助ける。そして君は私の犬になるの』
私の名はビナード・マグナーではない。
私の本当の名はゲルデッド。
そんな私の前に彼女は颯爽と現れた。
どこまでも赤い瞳。
陽光が差し直視できないほどの輝く銀髪。
それは私……俺にとってはまるで―――――。
悪魔との契約のようだった。
第十六話どうでしたか。
第一章はここで終わりです。
次回からは第二章となります。
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これからも執筆頑張ろうと思います!
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