第15話 ルビー、お祭りを楽しむ
あれから2時間ちょっとが経過していた。
現在私とシャーリーちゃんは外に出て、西地区の方へ向かっていた。
例のお祭りの場所へ向かうためだ。
段々と人混みが増えてきて、食べ物のいい匂いや、音などが大きくなってきた。
そして、ついに、、、会場へ到着した。
「師匠!すごーいいっぱいの人だねーー!」
手を繋ぎながらお祭り会場を見て回る。
「そうね~。シャーリーちゃんはこういうお祭りは初めて?」
「うん!だから楽しみなの!」
ゲーム内イベントで確か夏祭りイベントみたいなのがあったけど、まさにそれと似ているような感じみたいね。
リアルは完全に陰キャな私なので、リアルのお祭りなんて本当に小さい時しか行ったことなかった。
だからなのか、実は私もちょっと楽しみっていう気持ちはわかるかもしれない。
「シャーリーちゃん、食べたい物があったら言ってね」
「え?いいの~!?」
「うん!師匠に任せなさい~!」
ふふーんと胸を張ってドヤ顔をしてみた。
シャーリーちゃんの瞳は輝いており、あっちをみたりこっちをみたりして、色々な屋台を見ている。
「じゃああれ!!」
指差した方を見てみるとそこにはお祭りで定番のメニューが並んでいた。
「りんご飴だね。これでいいの~?」
「うん!可愛いから食べてみたい!」
「わかったわ。・・・すいません~りんご飴を2つ下さい」
「あいよ!ちょっと待ってな!」
りんご飴屋台のおじさんがすぐに2人分用意してくれて手渡してくる。
「へいお待ち!」
「ありがとうございます。ほら、シャーリーちゃんもお礼」
「おじさん、ありがとう!」
ペコリと頭を下げて可愛い笑顔でお礼をするシャーリーちゃん。
屋台のおじさんも笑顔で嬉しそうにしていた。
丁度少し先に座れるところを見つけたので、せっかくなので座ってゆっくりとりんご飴を食べることにした。
「いただきます」
口に入れるといい塩梅の甘さでとても美味しい。
シャーリーちゃんも目をキラキラさせてパクパクとりんご飴を食べていた。
「どう?気に入った?」
「うん!初めて食べるけど、美味しいよ~!」
「それならよかった!」
こうやってシャーリーちゃんと旅をするのも悪くないって思ってる自分がいる。
最初は一人で旅をするって思ってたからちょっと寂しい、なんて思ってたくらいだったし。
誰かと話すとこんなに楽しいって思えるのはVtuberの時と一緒かもしれない。
1人でゲームをやるよりも、リスナーさんと配信を通してコメントでお話していると、ゲームも何倍も楽しめるあの感覚と似ている気がするのだ。
「ふ~!ごちそうさまーーー!」
「ってシャーリーちゃん食べるの早い!?」
「師匠が遅いんだよー。ボーっとしてどうしたの~?」
「大丈夫。別に大したことじゃないから」
♢
りんご飴を食べた後は、わたあめや焼きそばと定番メニューを食べていった。
流石にもうこれ以上は食べられない。
お腹が限界を迎えてきたが、シャーリーちゃんの両手にはわたあめが2つ存在していた。
「ふっふふ~ん!」
楽しそうに鼻歌しながらわたあめを食べ進めているシャーリーちゃん。
まあ、シャーリーちゃんがこんなに楽しめてるならいいかもね。
さて、私は私で仕事を始めてみますか。
シャーリーちゃんと共に歩きながら、意識を集中させる。
(・・・魔法発動、探知【ディテクト】)
【発動を承認します】
頭に発動の声が聞こえると魔法発動が開始される。
この魔法は探知【ディテクト】と呼ばれる物で、ある程度初歩的魔法の内の1つである。
自分を起点として10m程度の範囲にある宝や爆発性のものを感知したりすることができるのだ。
(初歩的魔法は流石に余裕で発動できそう、、、じゃあ次は)
10mの範囲では流石に今回の事件では狭すぎるので、更に範囲を拡大することにした。
(魔法発動、拡大探知【フィールドディテクト】)
これは使用者の魔力に応じて、範囲が決定される高魔法の一つ。
実際私がゲームをプレイしている時に発動できた距離は自分を起点として、半径5キロ圏内は余裕で探知することが出来ていた。
ステータスをある程度引き継いでいるのであれば容易に探知することが可能の筈・・・。
【発動を承認します】
脳内に3Dのような表示でこの王都【スペード】が見えてくる。
やはり半径5キロなら余裕で探知出来る。
この辺には、お宝反応は特になし。
(そして怪しい反応は・・・今のところは無しかな)
【継続して自動発動を行っておきますか?】
(魔力消費は起きちゃうけど、何が起きるかわからないからそのまま発動にしておいて)
【畏まりました。引続き【拡大探知】を発動します】
これで何か探知した瞬間にすぐに対応することは大丈夫かな。
せっかくのお祭りなんだから、私も楽しむ事に集中集中!!
「師匠!あれもやってみたーい!」
シャーリーちゃんが指差した先には射的と書かれた看板が置いてある。
「いいよ。シャーリーちゃんがやりたい事全部遊んでみよう!」
「よーし!頑張る!!!」
充分な気合が入ったシャーリーちゃん。
今はこの幸せな時間を満喫しよう。
その後もお祭りは大いに盛り上がり、シャーリーちゃんも、そして私自身も無事に楽しんだ。




