30話 普段通り?
「肩の怪我、大丈夫?」
「うん。こんなのリスに噛まれた方がよっぽど痛い位。ヘーキだよ(〃ω〃)」
「そうか・・・よかった・・・」
二度目の口づけを静かに目を閉じ待ちわびる仕草のミーシャ。俺は彼女の肩に手をかけ・・・。
ジー。
なに?
ジーーー。ジロジロ。ジーーー。
・・・なるべく無視するように努めるがどうにも気が散ってならない。
「どったの(//ω//)」
頬を染めまだかと待つミーシャ。
天を仰ぎため息をつく俺。
ぐるっと向きを変え彼女の肩をトントンたたく。うっすらと目を開いたミーシャは思わず唸った。
「げっ!キショ!!」
沼地から半身を乗りだし此方の様子を窺う目、目、目・・・。
「うげげっ((||゜Д゜))あれ・・・なに??」
「ムツゴロウ・・・かも。魚だよ」
「さかな!?だって外、出てるよ(~。~;)?」
泥の上の無数の目はまるで映画鑑賞でもしているかのごとくジッとこちらを眺めて動かない。俺達はスクリーンの中のアクターじゃないっての。
「うん・・・粘液で・・・ってそんな話しはいいか。アレの干物、美味いんだぜ!?釣り方がちょっと変わってて“ドロスキー”って板に乗って引っかけて釣るんだ!うわ~。生のムツゴロウ初めて見た!!んー、届きそうだな・・・釣ってみて~!!」
「呆れたこと(;¬_¬)」
「あ、ダメだ。我慢できん!ちょっとミーシャごめん。えと、確か・・・」
ポケットの中から『銀鱗 1号 50M」と換えのバーブレストレブルフックを取り出す。
「危ないから少し離れてて?」
竿がないから糸を結んだ針をグルグルと回しピヨ~ンと投げ入れる。
「バカ・・・釣りバカ・・・ホントバカ!でもそこも、好き(〃ω〃)」
「ハハッ締まらないねっ!俺」
「ん、知ってる(-ω-;)」
「ごめんて~。後で埋め合わせに背中掻いてあげるからさ♪・・・むぅ・・・なかなか上手いこといかないな」
何度か試してみたものの、傍に落ちても届くまでの距離は稼げない。その間も体の割には大きな目が俺を朝笑うかのように凝視してくる。
「クソっ!意地でも釣ってやる!」
一歩近づいてしまったのがマズかった。魚達は一旦泥の中へ身を隠したかと思うと
ズボッ!ビタビタビタ~!!
それらが一斉に泥から這い出し逃げていく!!
「ギョギョッ!?(゜o゜;あ、足生えてる!泥の上を走って逃げてる!!ムツゴロウなんかじゃないって!何だよあれ!あんなの知らん!キモっ!」
泥と同じ体色の小さな魚体から、ヌラッと生える鳥の骨付きもも肉に似た筋肉質の生足。
「食べられないの?」
「れる、られないとかじゃなくて視覚的に無理!」
俺は呆然と見送ることしか出来なかった。
「行っちゃった・・・」
「そ、そだね・・・なんだかお魚って聞いたらお腹空いちゃった( ´艸`)」
「じゃ、今何か出すね」
「いや~ケンチ探してる間、食べるの忘れてたからさ~( ̄△ ̄)めっけた時、ぶっ倒れた位だもん」
「え?あの時のって、撃たれたからじゃなくって・・・もしかして?」
「そ!腹ペコリン(ゝω∂)」
「ハハッ。ミーシャらしいや!」
「いっぱい食べてレッツゴー!だね(≧∇≦)b」
「・・・海へ行くのは止めよう」
数匹の大型魚を召喚して渡すと、俺はそう告げた。




