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魔物の街 71

「へえ、西君がオリジナル大名で出てるんだ……国は和泉……畠山氏をいじったのね」 

 こういうゲームには詳しいアイシャはレベッカからコントローラーを奪うと武将の能力値の確認を始めた。ついてきた要も生暖かい視線でレベッカと西を見比べながら画面を覗き見ている。

「家老が叔父貴……これって能力の最高値は?」 

 今にも笑い出しそうな要。止めるべきかどうか悩みながら後ろのカウラに目を向けるが、彼女も呆れつつも興味があるようで画面をちらちらと盗み見ている。

「設定は100までだけど改造ツールを使えば150まで……ああ、ノーマルねこれ」 

 ニヤニヤが止まらないアイシャ。こうなっては誰も手が出せないので、部屋の主の西も苦笑いでアイシャと要を見守るしかなかった。

「知性98、武力99。チートねえ、でも……西君。忠誠60で不満が80になってるわよ……って義理が0じゃないの!謀反起こされるわよ!」 

「へ?これ初級ですよ。謀反は起きにくい設定なんじゃないですか?」 

 何をしても無駄だと悟っている西。苦笑いを浮かべながらそう言って画面を見る。

「馬鹿ねえ、この性格設定は松永弾正より謀反が起きやすい状況じゃないの。俸禄を増やして……」 

 完全にゲームのコントローラーを独占して操作を始めるアイシャ。入力が終わるとすぐに要がコントローラーを奪って再び武将情報の画面に切り替える。

「大名が西?いつの間にアタシ等が部下に……」 

 そこまで言って要のニヤニヤに火がついた。さらに隣のアイシャも薄ら笑いを浮かべながらレベッカを見つめる。うつむいて時々西を見つめるレベッカ。

「おい、なんで妻がレベッカなんだよ。いいねえ純情で」 

「西園寺さん!黙っていてください!お願いします!」 

 要に土下座を始めた西。だがそんな西が入り口を見て表情を硬直させたのに気づいて誠達も入り口に目をやった。

「おう、西。休暇か」 

 そう言って部屋に入って来たのは島田だった。そのまま西がちらちらと見ている端末の画面を覗き見る。

「ゲームやってたのか」 

 落ち着いている島田に誠達は胸をなでおろす。だが、いつの間にかコントローラーを手にしていた島田がすぐに情報画面を開いたのを見て西が頭を抱えるのが見えた。

「西家、妻がレベッカ・シンプソン中尉。これはかなりむなしくないですか?」 

 レベッカが大きな胸に手を当てて苦笑いを浮かべている。すぐに島田は画面を見て情報を探す。

「姫武将が多いな……西園寺要」 

「おっ!アタシか」 

 要はすっかり仕切り始めた島田の言葉で飛び上がる。そして画面の正面に座っていたアイシャを押しのけるとそこを占領して画面を食らいくつように見つめる。

「知力52、武力100」 

「西!」 

 島田から数値を聞くや、西の首には要の腕が絡みついていた。ぎりぎりと首を締め上げていく要の鋼の腕にもがき苦しむ西。レベッカやカウラが取り押さえようとするが、それに面白がるように要が今度は締め上げつつ振り回し始めた。

「次はアイシャ・クラウゼ」 

 島田は騒動を無視して相変わらず画面の操作を続けていた。

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