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繰り返しのその先は  作者: 水瀬


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第46話 女 3





 卒業式が終わると、待ちに待った祝賀パーティーだ。



 私が好きな物語の主人公たちは、初めての夜会で愛する人から熱烈な告白とみんなからの祝福という、劇的な終演を迎えていた。



 王子様には婚約者がいなかったから、私と王子様の間にも物語のような出来事は少なかった。


 けれど、邪魔者なんて必要ないくらい、気にかけてくれていたのは間違いない。



 だって、私が令息たちと話していると、婚約者のいる男性にそんな風に接してはいけないとか、距離が近すぎるとか、周囲に誤解を招くような行動をするなとか、まるで教師のようなことをとても不機嫌な顔で注意をしてきた。


 今考えると、王子妃になるなら王子様以外の男性と噂があるのは良くないと思ったのだろう。


 それに、何度もちゃんと作法を身につけたほうがいいとか、もっと女生徒たちとも交流したほうがいいとか。


 まるで将来のことを考えているような発言をしていた。


 確かに、私のような淑女はいない。


 王子様は王子様なりに、王子妃には作法や社交術が大切だって注意してくれていたのだろう。



 そして何より、私が自分以外の男性と話すのが気に入らなかったから、いつも怒ったような顔をするのだと思った。


 私は王子様の嫉妬が嬉しくて、卒業間近まで態度を改めなかった。


 噂では、王子様の婚約者を決めるのは卒業式が終わってからだと聞く。


 私が変わらなくても、周りの人たちが、お似合いだ、私こそ王子様にふさわしいとあちこちで言ってくれている。




 だからきっと、私にも素敵なサプライズが待っているはずだ。


 誰もがうらやむような幸せな結末が。





 私はそう信じて、恩人の商人が用意した真っ赤なドレスで祝賀パーティーに出席した。






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