第38話 彼女のその後 8
「そうだ。だから、君は、ここにいる」
気持ちを汲んでるのではなく、どうやら心の声を聞かれているようだ。
なんだかとても嫌な気分だ。
「そっか、で、私はどんな罰を受けるの?」
気を取り直して、考える前に口に出す。
「罰? 何故?」
「え、だって」
「君は、悪くない」
聞かれるだけじゃなく、先読みされた。
やっぱり悔しい。
「悪いのは貴方だから?」
にやりと笑うと、男が目を丸くして、
「ああ、そうだ。俺が悪い、俺が悪い」
と、不貞腐れたように唇を尖らせた。
神様と言いながら、ちっとも神様っぽくない姿に笑ってしまう。
「笑うな。もっと神々しいとか、神秘的だとかが良かっただろうが、俺はこういう質なんだ。でも隣の奴よりはマシだろ」
「……確かに」
殺し合うばかりの世界を創る神様なら……
「あれ?」
言おうとしたのに言葉が出ない。頭にも浮かばない。
「奴に力を与えるようなことはやめてくれ」
悪口もだめなのか。振ったのは自分のくせに。
「奴に祈りの属性を選択できるだけの繊細さはない。神として認識されることだけで力になる。まあ、奴の場合悪口の方が受け入れやすいだろうがな」
「貴方はいいの?」
「俺は神様だ。神が神に祈っても意味がないだろ」
そういうものか。
「そういうものだ。で、君のことだ、何故罰を受けるのだと」
「だって私、禁忌を犯したんでしょう? 罰はないの?」
死んだら終わりの世界で、私は記憶を持ったままこんなところに、神様の前に連れてこられたのは、罰を受けるためじゃないのか。
「君の死は、君のせいじゃない。俺のせいであり、奴のせいであり、あの魂の……あの世界全部のせいだ。
だから俺があの世界を取り戻した時、君の人生は、君の一番初めの生を選定した。
だから、君は禁忌を犯してここに来たわけじゃなく、神による救済だ」




