第22話 神の世界 2
隣の世界の神が去っても、神の世界では、何処までも続く焼け野原の真ん中で、その男はまだ声を上げて泣いていた。
いつもならさっさと消して、新しい世界を作るのに、何故か手が動かなかった。
体の中からもやもやしたものが湧きあがり、気分が悪い。
『世界を作り、見守ればよい』
神にこの空間を与えた見知らぬ誰かの言葉通りにしてきたはずなのに、それが間違いだったような気がしてならなかった。
――――あれに、尋ねればいいのだろうか?
隣の世界を見やり、初めて世界を作った日の事を考える。
――――あの時は、どうしたろうか?
どうすればいいのかと尋ねようとして、世界を与えた者を見上げれば、それは何かを問うにはどこまでも大きく、酷く恐ろしかった。
声を出す事もできないまま、今と同じような気分だった事を思い出した。
それでも、あの時、世界には力が溢れていた。
何も分からないまま、それらに適当に世界に色をつけた。
散らばる色をまとめ、見てくれよく形作れば、それぞれが意思を持ち、なんとなく世界は動き始めた。
何度も、何度も世界を壊し、作り直すうちに、少しずつ世界を作る事に慣れ、いつの間にか夢中になっていた。
上手く出来る事もあれば、気にくわない事もあったが、いつしか当たり前のように世界を作り出す事が出来た。
最初にすべてを与えれば、あとは世界が勝手に動き出す……そのように。
それが、正しいか正しくないかは、分からなかったが、神は自分で世界を作り見守っていたのだ。
言われた通りに。
何度も何度も繰り返す世界を。
【お前の世界は疲弊している】
男はそう言っていた。
確かに、初めて世界を作った時より、目の前の世界は力が無いように見えた。
隣の世界に比べれば、なおさらだ。
――――隣の世界のようにすればいいのだろうか?
獣のような声を上げ泣く男を見ながら、神は途方に暮れた。




