マイケル&ジェニファーと無礼者
いやー、昨日はビックリしたね。
もぐもぐと朝食を食べつつ、昨日の夜を思い出す。
「ローランさん!宿屋の人から引き取ってって連絡が………ってミーヤ!?」
「え、ルーク!?」
ローランを迎えに来たの、まさかのルークだったからね。あれは本当に驚いた。
だって私てっきりルークはその辺の、主にツギルク辺りの低ランク冒険者だとばかり思ってたから。まさか高ランク冒険者であるローランと同じパーティに所属してるとは思わなかった。
しかも、
「ごめん!」
っていきなり頭下げられたからね。
「何がですかね!?」
って返すしか無かったよね。正直言ってこっちが謝る事はあっても謝られる覚えは無かったし。
私の言葉にルークは、
「……その、グレルトーディアの受付嬢にミーヤの事偶然聞いてさ。まさか17歳だとは思ってなくて……!ツギルクで会った時に子ども扱いしちゃったのは馬鹿にしたわけじゃなくて、その、本当に未成年だとばかり……!」
と、めちゃくちゃ申し訳無さそうに謝ってきた。
いやー気まずかったよね!だってその誤解を解かなかったの私だからね!
バーバヤガ野郎共に絡まれてイースが助けてくれて、の直後だったせいで警戒心バリバリMAXの時期だったから本当タイミングが悪かった。あの時の受付嬢アニスさんじゃなくて淡々とし過ぎてる感じの受付嬢さんだったから余計に警戒バリバリだったんだよね。
……あと初めての人里だったからってのもあるし。
その後屋台のおっちゃんとかブラウンさんとかレオナルドさんとかメリーじいさんとかと話して、あ、やべ私ってば完全なる善人に酷い対応をしてしまったのでは…?って思ったんだよね。いや、異世界系って優しそうに見えて怖い人ってのも結構テンプレだったからつい。
「いや、えっと、私も絡まれた直後だわ田舎から出てきたばっかりだわで警戒心バリバリの時期だったから。つい個人情報を明け渡してなるものかの精神が前面にデスクトップ」
「デクスト?」
「言語がちょい迷子になっただけなんでお気になさらず。つまり私が人見知り発動してたから誤解を解く気皆無だったっていう。子供扱いの方が危険があっても誰かに守ってもらえるんじゃないかっていう打算もあったわけでありますし」
とにかく「私に非があったんですごめんなさい」という意味の言葉を酒が入った頭で必死に連ねていると、ルークはニッと笑った。
「別に怒ったりはしてないさ」
そう言って、ルークはあっさりと許してくれた。善意を嘘で返しちゃってたのにとてもあっさりと。イケメンかよ。より良心の呵責が酷い。怒られても辛いけどね。
「つかローランさんめちゃくちゃ酔ってるし。いつも酒を水みたいに飲んでケロっとしてる癖に何でこんな泥酔……」
「え、そうなの?ローランって酒強いの?」
「酒を飲み続けても最後まで素面保って他のメンバーの介抱してるくらいには強い」
「マジでか」
「マジで」
嘘だろ。と思ったけど、ミサンガは反応してなかったからガチなんだろう。あんだけ酔ってたのはもしや演技……?って事も無さそうだった。ローラン完全に酔い潰れて三割くらい夢の世界に足突っ込んでたもん。
ルークが「酒代払うから財布出してください」って言ったら「ああうん、はいこれ…」ってクナイ出してたからね。クナイで支払いじゃーってか。山賊じゃねえか。ただ酔っ払いが出すアイテム間違えただけで良かったよ本当に。
「よ、っと」
そしてルークはローランに肩を貸す体勢になってどうにかローランを立たせ、
「じゃあ俺はローランさん送ってくから」
と言った。直後に、
「あ、その前に」
って言って振り向いたけど。
「この人めちゃくちゃ惚れっぽい人なんだけど大丈夫だったか?ちょっとでも優しくされるとすぐに「好き!」って言い出すくらいには惚れっぽいんだけど」
「酔っ払いの妄言としてスルーした」
「言われたんだな」
言われました。
「まあ、ローランさんは惚れっぽいけど別に害があるわけじゃないからスルーが最善か」
ルークはそうポツリと呟いてから、
「じゃ、今度こそまたな!」
「はいはーい」
「あ、それとな」
去るかと思ったらまた振り返った。言い残しが本当に多かった。
しかもルーク、
「俺とローランさんが所属してるパーティ、王の剣っていうパーティなんだ。グレルトーディアのドラゴン退治の件で俺も勿論だけどリーダーがめちゃくちゃ感謝してたから、もし話し掛けられても邪険にはしないでやってくれ」
って言ったんだよ!そのまま「じゃ!」って言って本当に帰って行ったし!最後の最後にどんな爆弾落としてんだよ!国王直属の冒険者パーティじゃねえかよ王の剣ってさ!
というか色々と腑に落ちたわ!ローランが話しかけて来た理由それか!ドラゴン退治の一件で色々と意見した冒険者が気になって話しかけに来たって事か多分!いや何かこれでファイナルアンサーな気がする。多分これが正解だわ。
まあとにかく、昨夜はそんな事があったわけでやんす。
「ルークが王の剣メンバーとは思わなかった…」
「そうですね」
フルーツを食べつつ、私の従魔の中では唯一ルークと実際に対面した事があるハニーが頷いた。
「若い人間でしたし、強者特有の覇気のようなものもありませんでしたから。まさかそんな有名パーティの一員だったとは」
「ね」
身に着けてる装備もシンプルなのばっかりだったから、てっきり低ランクの冒険者だとばかり……。先入観って信じるに値しないね。
……あれ?もしや私、武道大会が終わってからの二連続で凄いメンツと飲み会をしているのでは……考えないでおこう!うん!そりゃ視線も集まるわなって一瞬思ったけど知らない振りをしていたい!
「さて」
意識を切り替えて、ハニーの蜂蜜を塗ったパンを咀嚼し飲み込んでから私は話し出す。
「今日は午前から夕方まで獣人部隊で洗濯物畳み&治癒があるわけですが」
正確には昨日の内にレオンさんにお願いしてコンも鍛錬に参加させてもらうってのも入ってるけどね。色々と意見を言った事への対価なのか、レオンさんはあっさりと参加許可を出してくれた。「剣を使えて損は無いからな。持ち方からしっかりと教えよう」って言ってくれた。紳士優しい。
「午後、どうする?屋台巡りとか薬屋とか服屋とか観光とか候補はあるけど…」
「ミーヤはどこが良いんだ?」
ハンバーガーとサンドイッチの狭間のような肉入りパンを食べながらのハイドの言葉に、私は首を傾げて頭を悩ませる。
「……正直何処でも。今日行けなくても明日や明後日に行けるしね」
「なら今日は服屋を見て回るのはどうかしらぁ?」
悩んでいると、イースが意見を出してくれた。
「昨日図書館で調べたのよぉ。今日は王都で評判の良い薬屋……が休みってわけじゃないんだけどぉ」
「じゃないの?」
「じゃないのぉ。でもねぇ?ラミィが好きそうな変り種の薬を作ってるお店は今日お休みなのよねぇ。定休日なのぉ」
「……それは…残念…」
「でしょう?」
ラミィの返答に、イースはにっこりと微笑んだ。
「じゃあ薬屋は明日とかに行くとして、今日は服屋だね」
「ああ!」
「色々な店の刺繍の癖なんかも見てみたかったんだ!」と、ハイドは嬉しそうに微笑んだ。
あー可愛い。こんなにも可愛いのに2メートル級の巨体だしパンクでロックな服装なんだよね。しかも正体は8メートル級の蜘蛛で人食いの称号持ち。ギャップすっげ。
「にしてもイース、変り種の薬屋さんが休みとかまで図書館で調べれたの?」
「いいえぇ?評判が良い方は載ってたけどぉ、変り種の薬屋の方は載ってなかったわぁ」
「え?」
なら何でわかったの?
誰かの心でも読んだのかな、と思っていると、
「ギルドの職員にその変り種の薬屋の子が居たのよねぇ。そこでその店の情報を読んだのよぉ」
「納得」
当たってた。
…………変り種の薬屋なギルド職員……あの人体に問題がありそうな不眠薬を試してたっていうギルド職員さんの実家かな。先輩らしき人に真っ当な理由で叱られてたから覚えてる。
「んじゃ、今日の仕事が終わった後は服屋という事で」
と、そこまで言った瞬間。
「見つけたァ!」
聞き覚えのある、聞きたくない声が食堂に響いた。
一気に周りの宿泊客や朝食を食べに来ていた客の視線が相手と私達に集まる。
「あ、えーと、ミーヤちゃんに二回戦目で倒されてた男」
「オルコットな、オルコット。何かやべートラウマ所持してた奴」
「ああ、通り魔のなりそこないみたいな……」
「お前凄く酷い事言ってる自覚あるか?」
「え、そんな酷い事言った?」
「自覚無いのが怖い!」
「なんか大会の時に比べて血色良くなってね?」
「鷹鳥人の視力と一緒にすんな。猛禽類と違って哺乳類はそこまで目が良くねーんだよ。出場者の顔色なんて見えるか」
「え、じゃあお前みたいな人間はどうやってあの大会見てたんだよ」
「遠いトコも見える魔道具が会場で貸し出されてるからレンタルして。でも貸し出し在庫が無くなると買うしかなくてさ…。去年も買ったのにどこに仕舞ったか思い出せなくて結局買っちまったよ。結構なお値段なのに」
「馬鹿だコイツ」
「うっせー夜目鳥!言っておくけど夜になると何も見えない癖に外出て飛んで頭ぶつけて俺ん家の前に気絶してたお前程の馬鹿はそうそういねーからな!?自分の体質忘れて気絶する馬鹿よりは頭良いわ!」
「おっま!その話すんなっつっただろうが!確かにお前ん家の屋根壊しちまったのは事実だけど!その後お前とパーティ組んで役立ってるし家事だってしてやってるだろうが!」
「ありがとう感謝してる!」
「おうどういたしまして!」
惚気か?最後の人達ショートストーリー書けそうなくらいキャラが濃いんだけど。馴れ初めをもうちょい詳しく聞きたい。
「おいこら!ミーヤ!ミーヤだったなお前!?何でこっち振り向かねェんだおい!」
そして現実逃避をしたーい。DQNに絡まれた気分。
「………いきなり喧嘩腰で何の御用ですかねオルコット」
「あァ?わかってんだろォが」
オルコットの方を向いてそう言うと、オルコットは大会の時に比べて隈が少し薄くなっていた。血色も良いし、視線が彷徨ってたりもしてないからよく寝れたのかな。
なーんて思っていると、オルコットは、
「あれ以来、初めて悪夢も見ずにぐっすり寝れたんだ。あんがとなァ」
と、薄く笑いながら言った。
…………え、それだけ?さっきまでの喧嘩腰なんだったの?警戒してた従魔達までちょっと不意を付かれた感じにきょとんとしちゃってんじゃん。イース以外。可愛いから良し。
「……どういたしまして?」
「おゥ」
私の返答にオルコットは頷き、近くの椅子を掴んで私の横に座った。
「何故隣に座る」
「あれから丸一日寝てたらしくてよォ、目が覚めたら今日の夜明けだぜェ?お前の魔法凄ェんだなァ」
「それはお褒めに預かりありがとう。で、何故隣に座った」
「ゆっくり休めたのかめちャくちャ体も軽いし、マジで助かったぜ」
「いえいえ、お気になさらず。私勝てたし。そして何故隣に座った」
「そんでそんなミーヤに頼みがあるんだけどよォ」
スルースキル高いなお前!!
私の言葉を聞き入れる気皆無か!正常状態でも聞く耳持たず系男かお前は!質問にくらい答えろや!
私の「答えろ」という念のこもった視線すらスルーし、オルコットは小さな紫の三白眼でこっちを見ながら言う。
「もっかいあの魔法掛けてくんねェ?」
…………ほわっつ?
「今日の夜明けに目が覚めたんだよね?」
「おゥ」
「丸一日寝てたんだよね?」
「おゥ」
「で、あのお眠りなさい魔法を、今?」
「今」
………わかった!コイツ馬鹿だ!
「ミーヤ、今何か腹立つ事考えなかったかァ?」
「大丈夫、誰でも思う事しか考えてない」
「ふーん?」
私の返答に問題無しと判断したのか、オルコットは袖から出しかけていた短剣を仕舞った。こっわ。コイツ私が悪口考えてたって言ってたら短剣投げるつもりだったのかよこっわ。誰かコイツに常識をインストールしてやって。え、対応してない?なら仕方ない。
まあそんな思考はさておいて、
「オルコット、それ不健康だと思うんだけど。どんだけ寝る気だよ。お前は野比家の息子さんにでもなる気か」
「誰だよ野比家の息子さん」
早撃ちとあやとりと昼寝が得意で心優しく、何度も世界を救った小学生男子だよ。あ、駄目だこれちょっと目指したい。表現次第で野比家の息子さん結構良い子になっちゃうなんて初めて知った。
「とりあえず聞くけど、何で今すぐにでも眠らせろコール?夜に寝ろよ。健康的な生活を目指せよ」
「寝れねェかも知れねェだろォが」
オルコットは私が頼んだまだ手を付けていない鶏肉のサラダを勝手に奪ってもぐもぐと食べながらそう言った。おい貴様。そりゃ私もオルコットも食べ放題飲み放題だから新しく頼めば良いだけだけど。礼儀ってもんがあるじゃろがい。
腹が立ったから足を蹴っ飛ばしてやろうかとも思ったけど、蹴った結果短剣を投げられるのは嫌なので無言スルー。チキンは私ですってか。あっはっは、面白くねえ。
「俺はよォ、あんなにもぐっすり寝れたのは久々なんだ。しかも気絶じャなくて睡眠なんてかなァり久しぶりだったんだぜェ」
「それはお前の魔法のお陰だろォ?」と、サラダを口いっぱいに頬張りながらオルコットは言った。零れそうだから口の容量考えて頬張れば良いのに。同じ哺乳類ではあるけど、リスやハムスターと違って人間に頬袋は無いから。
「でェ、また不眠症で苦しみたくねェから今の内にお前にもっかい魔法を掛けてもらおうかと」
「永眠でもする気か」
「んなわけねェだろォが。寝る時だけあの魔法が発動するようにしてくれりャあ良いんだよ」
「出来るか!」
そして出来て堪るかそんな高等技術!これ高等技術だよね!?
慌てて確認の為にイースに視線を向けると、イースが口パクで何かを伝えていた。サーチを使って唇の動きを読むと、
「魔法でそんな芸当は出来ないわぁ。出来ても呪いとかの範疇になるわねぇ。ちなみに私も魔法でやれって言われたら流石に無理って答えるわぁ。毎回掛け直さないとそんなの無理だものぉ」
と言っていた。
ってイースすら無理ならこの世の人間ほぼ全員出来るはず無いレベルじゃんか!
「お前ならよくわかんねェ魔法も使ってたからいけるだろォ?」
「買い被んないでくれるかな!?私!一般人!そんな神業無理!無理寄りの無理!無し寄りの無し!」
「じャあ俺はまた眠れねェ日々に戻んのかよォ!?」
叫び、オルコットは私がたった今食べようとしていたベーコンエッグにフォークを突き刺してひょいっと食った。三口くらいで食った。私が食べたくて頼んだ分厚い外国風ベーコンエッグを食った。しかもベーコン二枚セットだったのに、「あんま量無ェな」って言って二枚目も食った。食べ放題だからまた頼めば良いだけとはいえこの野郎。思わず殺気が溢れたわ。
もうこのままコイツ放置して苦しめば良いのに、と思わなくも無いが、だからといって付き纏われたら嫌だ。無駄に巻き込まれて何らかの罪を擦り付けられる可能性があるって私のフォースとか第六感とかコスモとか天使と悪魔とかが囁いてる。多いな囁き。
「……要するに、オルコットは毎晩安眠出来れば良いんだよね?」
「おゥ、その通りだ。運動したら尚の事目が冴えて眠れなくなる性質だからそういうアドバイスは無しなァ。とにかく普通に安眠出来るので頼むぜェ」
図々しいなコイツ。
重度の不眠症男を眠らせるアイテム?そんなのあるわけ…。
それがあるんだよジェニファー!
マイケル!
そう、普通なら無いと思うだろうが、そんなアイテムがあるのさ!それがこれ!「流星ダガー」!
流星ダガー!?でもこれ、ただの装飾が綺麗なだけの短剣じゃない?短剣でどうやって不眠症を解決するのよマイケル。永眠するの?
ジェニファー、そういう思考から一旦離れようか。このアイテムは持ち主の能力次第で流星のような素早さで敵を屠る事が出来る短剣なのさ!しかし!本当の力はそれだけじゃない!
本当の力!?
そう!何とこの流星ダガー、枕の下に置いてから頭の中で流れ星を十回数える間にいつの間にか眠ってしまうという特性があるんだ!
な、何ですって!?それってこの状況にピッタリ!
しかも彼は短剣使い!さいっこうの相性だろう!?これが欲しい人はこの番号までお電話を、
「って暴走すんな脳内!」
「うォっ」
あービックリした。急に脳内で外国風通販番組が始まるとは思って無かった。誰だよマイケル&ジェニファー。しかもジェニファーちょっと思考が血生臭いし。過去に何があったんだよジェニファーは。
おっといかんいかん、思考の切り替えの為に叫んだせいで隣のオルコットがよくわからないものを見る目でこっちを見ている。いやお前にそんな目で見られる筋合いねーわ。
ちなみに従魔達は私が思考の限界に到達すると諦めるかキレるかの二択である事を知っているのでスルーしてもぐもぐタイムを続行している。イースは私の脳内にマイケルが出てきた辺りで笑い出し、永眠するの?の辺りから痙攣し始めてるのでスルー。いつもの事でありんす。
とにかく、流星ダガーという丁度良いのがあるのは事実だわね、と私はアイテムポーチから流星ダガーを取り出した。
「オルコット」
「お、おゥ」
確かにさっきのは奇行だったかも知れないけどお前に引かれる程では無いはずですのよ!?誠に遺憾の意であります!
とにかく、私は流星ダガーをオルコットに渡す。
「それ、枕の下に置いてから脳内で流れ星を数えれば十回以内にお休みなさい出来る短剣。流星ダガー。武器としても使用可能なアイテム」
「マジか!?」
「マジです」
オルコットは流星ダガーの柄をしっかりと握り締め、照明に照らして刃の状態を確認しているようだった。
「私使わないからあげる」
「本当だなァ!?」
「本当本当。使わん物は欲しい人にあげるに限る」
王都に来てから変な事に巻き込まれはするけど、お陰で色々と処理出来てるのはありがたい。回復の剣にアーチャー三種の神器にプラチナ鉤爪に流星ダガー。欲を言えば他にも処理したいのはまだまだあるんだけど、これだけでも手元から無くなってくれるととても心が安心する。凄いアイテムが手元にあると不安で仕方が無かったんだよね。
「だから付き纏ったりしないでね」
「おゥ!もうミーヤに用は無くなったから俺はギルド行ってこれで魔物討伐してくるな!じャ!」
そう言って、オルコットは嵐の様に立ち去って行った。
あいつマジで礼儀を知らねえな!?絡んだ事に対する謝罪と食事を強奪した事に対する謝罪とアイテム貰った事に対するお礼も無しとかどういう常識が埋まってんだよあの野郎!
「……あいつ、関わるとあんま良い事ねーな」
「コンに全力で同意」
朝から体力が半分くらい削られた気がする。仕方ないので、回復の為に私は改めてベーコンエッグを頼み直した。畜生。




