動物の生態についての勉強タイムでは無かったはず
「ネズミが……強い?」
ポカン、と口を開けてそう復唱したネヴィルさんに、私は頷く。
「強いです」
「具体的には?」
ビルさんの問いに、回復魔法はもう掛け終わったし、と私は洗濯物を手に取って畳みながら答える。
「そうですね、まずはすばしっこい。小柄なのも合わさってちょろちょろ動き回られたら厳しいです」
そう、猫とネズミのアニメでもそんな感じだった。小さいからこそ隙間なんかに入り込めたり、攻撃をかわしやすかったり。
「……確かに、ネヴィルは力こそ無いが素早さはあるな」
「正直言って、小柄で素早いってだけでかなり強いと思いますよ」
「そ、それだけで……ですか?」
「だって、それじゃ攻撃にならないですよね?」とネヴィルさんは言うが、
「空振りって、攻撃が当たるよりも疲労が溜まりやすいって言うじゃないですか」
漫画の知識だけど、でも攻撃する想像をしてみると何となく理解は出来る。
自分が剣を持って相手を斬ろうとする。しかし相手は避ける。こっちは次の攻撃で当たるかもしれないって思うから全力で振りかぶる。しかし空振る。
壁やカカシに当たる場合なら振った時の力が対象に当たる事で分散されて、相手にダメージが行く。でも空振りの場合、空気はこっちの力を受け止めて分散してはくれない。剣を振る時に込めた力は全部こっちの腕とかに返ってくるわけだ。
そもそも空振ると、全身が動いちゃうからね。
どういう事かと言えば、こっちは相手の肩を狙ってるとしよう。相手の肩に当たればこっちは上半身、それも腕くらいしか疲れない。でもそれを避けられると、込めた力の分だけ地面に向かって剣を振り下ろす事になる。そうなると思いっきりお辞儀をするみたいになって、背中や腰にも負担が来ちゃう。
まあ要するに、空振りは消耗が激しいって事だ。
「相手が大きい体であればある程、相手の動きは大きい動きになる。なら小柄さを生かして避け続ければ、相手はひたすら大きな動きで空振りをし続ける事になる。後は攻撃を続けて疲れきった相手に一撃入れてはい勝利、って感じで」
「避ける事自体には体力の消耗少ないみたいだし、避けるのに専念すればそうそう攻撃には当たらないと思うし……」と、私はズボンを畳みながら言う。
凄いなこのズボン。デカい。しかもちゃんと尻尾穴も開いてる。
「力じゃなくて、小柄さと素早さで、勝つ……」
力による勝利以外を考えた事が無かったのか、その強さを一番知っているはずのネズミ獣人であるネヴィルさんは呆然と呟いていた。いやいや、これネズミの常套手段じゃないの?小柄ですばしっこい存在程やり難い相手は居ない。虫とか本当その筆頭だからね。
「ネズミの強いトコは他にも沢山ありますよ」
「他にも!?」
「まだあるのか!?」
ネヴィルさんとビルさんが驚愕に大口を開いた。そ、そこまで驚く事…?
言っておくけど、ネズミ対策って無限に考えられてるからね?なのにそれを掻い潜って進化して未だ繁殖を続けてるのがネズミだからね?
……害虫とか害獣とかって、こっちがどれだけ策を練ろうとも進化して追い抜いてくるんだよね。
「まずネズミは小柄です。ほんの少しの隙間からでも屋内に侵入出来ちゃったりします。これは諜報とかに凄い役立つでしょうね」
「諜報……!?」
そんな選択肢考えた事も無かった、とでも言うようにネヴィルさんは目を見開いた。…いやいや、ネズミっつったらこういうのがベターでしょ。
ネズミってのはいつの間にか侵入してたりするからね。
「あと歯。ネズミの歯って硬い物を齧って無いと伸び続けて大変な事になっちゃうみたいですが、そのネズミの歯の攻撃力はかなり強いです。正確には顎の力が少ないのでガリガリと対象を削るって感じみたいですけど、でも充分なポテンシャルではあると思います。脱出とか出来そうだし」
ネズミの嫁入りでもあったよね、こんな感じの。
太陽は凄いが雲に隠れてしまう。雲は太陽を隠せるが風に散らされる。風は雲を散らせるが壁は吹き飛ばせない。壁は風には耐えられるが、ネズミの歯にはとても勝てない。だからネズミ最強、って感じだった。確か。
「それにネズミは小さいけど、大きい存在に対して迎え撃つくらいには結構メンタルも強いし」
そう、これがネズミの厄介なトコだ。普通は自分より大きな生き物には喧嘩を売らないんだけど、ネズミは売る。売るっていうか普通に立ち向かうっていうか。そして勝つ事もある。
だってさ、普通ネズミ対人間ってなったら人間勝利だって思うじゃん?でも赤ん坊や病人相手なら余裕で体齧ってくるらしいからねネズミって。病人がガチでネズミに指食われた事もあるらしいからね。前にネズミってどんだけやばいの?って思って調べた時にそう書いてあったから知ってる。ネズミのやばさ知ってる。
皺だらけのシャツをラミィに手渡してから、私は靴下を手に取る。
「学習能力も高いですしね、ネズミって。知ってる罠には絶対掛からないって言うし。……まあ、結論を言っちゃうと」
畳んだ靴下を置いてから、私は言う。
「ネズミが他の動物の真似をするから駄目なんです。ネズミはネズミらしく戦わないと宝の持ち腐れです。同じ種族なら真正面から行っても良いでしょうけど、ネヴィルさんはネズミなんです。ネズミらしいやり方を極めた方がずっと良いと、私は思いますよ」
「ネズミとして、ネズミらしく………」
目を見開いたままのネヴィルさんは何度か言葉を復唱してから、くしゃりと表情を歪ませた。
「……ネズミである事を肯定されたの、初めてです…」
くしゃりとした泣き顔で、しかし口元だけは笑顔で、ネヴィルさんは小さな声で「…ありがとう、ございます……!」と言った。
「…どういたしまして」
私としては当然の事を言っただけだったんだけどね。
だってほら、誰だって自分に合った戦い方ってあるじゃない?一寸法師を見てみなよ。彼は5センチ未満の小さい体だったけど、鬼を倒したからね。しかも真正面から戦うんじゃなくて、相手の口ん中飛び込んで内臓を針で刺して勝ったからね。戦い方さえ合ってれば小人だろうと鬼に勝てるって事だよね。
「成る程な……。昔は獣人部隊っつったら俺みたいな虎とか、狼とか、ライオンなんかが多かったから種族差による違いなんぞ考えた事も無かったが……種族が多い分、その種族の良さを極めさせる方が良いって事か……!」
そう言い、ビルさんはうんうんと頷いた。
「ネズミやウサギとかの小さくて力も弱い獣人は兵士にゃ向いてないって思ってたが、真正面からの戦いに向いてねえってだけだったのか。戦い方さえわかれば、俺らすら凌ぐ戦力になるかも……」
ぶつぶつとそう呟いていたビルさんは、「いよっし!」と叫び椅子を倒しそうな勢いで立ち上がった。
「ちょっと待っててくれ!」
そう言ってビルさんは休憩所から出て行き、数分足らずで戻って来た。数分っていうか、え、何事?って思ってたら戻ってきてたので私からすると一瞬レベルで早かった。え、つかマジでどういう事なの?獣人特有のその考えを全部言わないトコどうにかして欲しい。
「あ、あの、副隊長?」
「突然どういう……」
「いきなり鍛錬中断しろって…」
そしてビルさんが連れてきたらしい三名もまったく理解が及んでないっぽいというね。
ウサギ獣人と……ビーバー獣人?それと……獣人というよりは鳥人の三人が、どうやら鍛錬中にほぼ無理矢理連れて来られたようだった。
「ミーヤ!こいつらの活かし方もわかるか!?」
「まず自己紹介してくれないと無理です」
ウサギ以外種族が断言出来ん。私は日本でメジャーな生き物しか知らんっちゅうねん。
ビルさんに促され、連れて来られた三人は一人ずつ自己紹介をしてくれた。
「自分はウサギ獣人のブリジャーと申します!」
白い毛だがところどころ土でまだら模様が出来ているウサギ獣人さんはブリジャーさんね、了解。ビシッと敬礼したトコや喋り方からして、真面目な兵隊さんって感じだろうか。
「俺はビーバー獣人のヘンリーだ」
意外と声が低いビーバー獣人さんはヘンリーさんか。見た目じゃよくわかんないけど年上って気配がする。雰囲気とか声とかが。
「俺は正確には獣人じゃなくて鳥人なんだけど、鳥人部隊が無いから獣人部隊に所属してます。あ、白鳥鳥人のカルカスでーす」
人間のような腕が生えていて、背中に羽がある鳥人………というわけではなく、腕の部分が完全に羽ってタイプの鳥人だった。白鳥のカルカスさん、と。鳥人を見たのは初めてだけど、ハーピーみたいな感じなんだね。顔も嘴とかあって鳥感強いけど。鳥を人型にしたタイプの鳥人なのね、この世界は。
「どうも、人間のミーヤです」
とりあえず頭を下げると、ビルさんはわくわくした様子でブリジャーさんを指差した。
「まずブリジャーからだな!ウサギ獣人は何が優れてるんだ!?」
「いやそれビルさんの方が付き合い長いんじゃないですか?」
「昔ながらの鍛錬法しかやってないから種族的に向いてない奴はとことん向いてねえんだ。つまり向き不向きがよくわからん」
「それで良いのか副隊長。というかまずはご本人に自己アピールしてもらうんじゃ駄目なんですか?」
「ああ、その手があったか。よしブリジャー!自己アピールタイムだ!先陣を切れ!」
「まず自分、何故ここに連れて来られたかすら理解出来ていないのでありますが…」
ブリジャーさんの言葉に他二人も頷いた為、ビルさんがかくかくしかじかと説明した。
「成る程、そういう事でありましたか。確かに自分、あまり剣を上手く扱えてないであります。蹴りを入れたり距離を取ったりするのは得意なのでありますが……」
うーむ、とブリジャーさんは片方の耳をぺしょりと垂らした。
「正直言って、それ以外は耳が良いという所くらいしかアピールポイントが無いであります!自分草食系獣人でありますし!」
「堂々と…」
両耳をピーンと立ててハッキリ言うのは別に止めないけど、そうも言い切らなくても…。
「じゃ、アピールタイムが終わったって事でミーヤの意見は?」
「ゴリ押しで無茶言って来るこの虎」
うーん、と脳内の記憶タンスを漁り、どうにかウサギの知識を引っ張り出す。
「ウサギに関しては、やっぱり耳が良いってのが大きいと思います。索敵とか、情報収集とかに凄い役立つと思いますし」
「ネズミと同じく諜報系って事か?」
「そうですね」
私は頷く。
「遠くの会話も聞き取れるのであれば盗聴などで敵の作戦を知ったりする事も出来そうですし、ウサギは脚力が強い。ジャンプで距離も稼げるので、敵陣地の近くまで行って状況を確認し見つかりそうになったらさっさと逃亡、って感じが良いんじゃないですかね?」
私は「ネズミは侵入、ウサギは盗聴、って分け方が良いかもです」と続けた。
「基本的に草食動物は足が速くて警戒心が強いですから、戦闘はいざという時だけで普段は索敵役とかの方が良いんじゃないでしょうか」
ウサギは脱兎の勢いで、とか言われるくらいには素早いもんね。
「なんと…足音を聞き分けて当てる遊びをするくらいしか役に立たないと思っていた自分の聴力がそんな利用方法があるとは!」
「いや足音を聞き分けれるって最高に諜報としての才能あると思いますよ」
衝撃!みたいに驚かれても、これが普通だと思う。ゴドウィンさんは村全体の音を聞き分けてたし、ジークさんは心音で大体の考え読んでたし。脚力に関してもアルディスとか顎狙いで首落としちゃうくらいには強かったし。
「そういう考え方はした事無かったな…」
ほうほう、とビルさんは頷いた。
「そもそも力で倒せばオッケーって考えてたし、殺さないように力ではい制覇!以外の考えも無かったし……ミーヤって頭が良いんだな!」
「私頭は良く無いです。ポンコツです」
ただ脳筋じゃないだけです。言わないけど。
「よし次はヘンリーだな!自己アピールタイムだ!」
「水の中に適している。歯が頑丈。実家が大工だから土木関係の知識あり。以上だ」
「簡潔ですね」
合理的なのを好む性格の人なんだろうか、ヘンリーさん。事実ビーバーってその通りだから何も言えないし。ビーバーが大工ってしっくり来るよね。
「んー……」
正直言って、私はビーバーに関しての知識はあんまり無いんだよね。ダムとか作るらしいって事くらい。あと何か泳ぐって事くらいだ。
というわけでスマホを使用。バチッと雷魔法を使って電波を繋げて教えて検索先生!主にビーバーについて!
「うお!?ミーヤ何だそれ!?」
「私の故郷にかつて居たという勇者様が遺してくれたアイテムです。様々な知識が中に入ってたりします」
「そのバチバチいってんのは!?」
「このアイテムの仕様なのか、調べようとするとこうなるんですよね。あ、使用者として登録されてる私以外にはこうならないので調べられないですよ」
「……いや、そもそもこの文字読めねえんだけど」
「ああ、勇者様の母国の文字らしいですよ。私の故郷ではこのアイテムを埋もれさせない為に幼少期に覚えるんです」
「…すげえな、ミーヤ」
「いえいえ」
全部嘘ですから。
とは言っても全部が嘘ってわけじゃない。受け取り方次第では事実しか言ってないわけだしね。だから獣人の嘘に敏感な鼻も誤魔化せる……はず!多分!
えーと、それでビーバーの生態っと……。
「ふむ」
「ビーバー獣人の役立つ役割わかったか?」
「何となくは」
幾つかの記述を読んで、ざざっと頭の中で情報を整理する。
「そうですね……ヘンリーさんのようなビーバー獣人は、工作員とかが合ってるんじゃないでしょうか」
「工作員?」
眉を顰めて少し考える様子を見せたヘンリーさんは、視線で私に「続けろ」と訴えた。口で言って欲しいが頷くしかない。
「まずビーバーは水中が得意です。毛皮とか防水だし、足は水かきだし、潜水も最長十五分くらい可能らしいですし。ですから、水辺が戦場になる時はかなり頼もしいと思います。水中から相手を探ったりも出来そうですし」
「……ほう。続けろ」
顎に手を当てて、瞳をギラリと光らせたヘンリーさんの言葉に黙って頷いて続きを話す。この人なんか威圧感強いであります。
「そして歯。ビーバーの歯は太い木も齧り倒せちゃうレベルですし、土木関係に詳しいのなら罠を作る事が出来るのではないか、と」
「罠?」
「はい」
私は頷く。
「木を齧り倒して道塞ぐとか、足止め用の檻とかそういうのです。私の頭じゃそんなんしか思い浮かばないですけど」
まあとにかく、ビーバーは大工仕事と水中が一番適してるんじゃないだろうか。
「だから工作員かなって」
「成る程」
ヘンリーさんは頷き、
「俺が得意な事を専門にしたらどうかっていうお前の考え、気に入った。ここの脳筋馬鹿共は皆同じ戦い方だったからな。そういう臨機応変な考えが出来る奴は好きだぜ」
「あ、ありがとうございます」
頭を下げると、今まで大人しく洗濯物を畳んでいたコンが「ヴゥーーー…」と唸った。それに対しヘンリーさんは「別に人の旦那を奪おうなんざ考えてない。そんな趣味はねえから威嚇するな」と宥める。
「べ、別に嫉妬なんかしてねえからな!」
ヘンリーさんに対しコンはそう返し、視線を洗濯物に移してもくもくと畳み始めた。あ、嫉妬してくれたのね。他の皆もヘンリーさんの言葉でヘンリーさんから視線を逸らしたし……愛されてるね、私。嬉しい事だ。ヘンリーさんからすると災難だっただろうけど。
「じゃあ次はカルカスだな」
「はいはーい、白鳥鳥人のカルカスでーす。戦う時は基本的に足で剣を掴んで戦う感じ。まあ片足じゃまったく踏ん張れないから普段は頑張って低空飛行を維持しつつ相手を攻撃する感じかな」
「成る程」
それは……とても、無駄が多いのではなかろうか。
羽ばたきながら足で剣持って斬りかかってって……それ、踏ん張れない事に変わりは無いと思う。それに確か鳥って空中で止まる事出来ないんじゃなかったっけ。
ささっとスマホで検索してみると、やっぱりそうだ。ホバリングが出来るのは虫とハチドリだけ。となるとこっちの世界のミツドリも出来るんだろうけど、白鳥じゃないのでスルー。とりあえず出来ないって事でファイナルアンサーだろう。
と考えると……面倒な事してるね。鳥って羽ばたいて前に飛んで、って感じだから。飛ぶ時は基本的に滑空がメインらしいし。低空飛行を維持ってとんでもなく負担大きいんじゃないかな。
「そうですね……」
白鳥についてを検索して、中々の攻撃力を有していると知ってちょっとビックリ。へぇー……まあ確かにカルカスさんを見ると結構大きいし、羽とかしっかりしてるもんね…。そりゃ翼の攻撃力高いわ。
「まずカルカスさんは、剣持つの止めた方が良いです」
「理由は?」
「高い位置から石とか落とす方が強いし安全」
私の言葉に、カルカスさんは「確かに!」と頷いた。
「低空飛行とか、飛びながら同じ高さを維持とかかなり難しいです。それなら高い位置から偵察したり、奇襲したりする方がずっと良いです」
「でもどうしても陸上で戦わないと駄目な時は?剣要るよね?」
「要らんです。白鳥は羽の力凄いらしいので羽ばたけば近くの人をノックアウトくらい出来ると思います」
「マジか。後で実戦してみよう」
わくわくした様子でそう言うカルカスさんに、生身相手じゃなくてカカシ相手の話だよね…?と、ちょっと冷や汗が出た。何か白鳥の全力の羽ばたきは骨折するからマジでって書いてあったんだよね、さっき調べたら。マジでガチなのかどうかはわからんけどガチだった場合が怖いのでカカシ相手にやって欲しい。
まあそんな怪我人を治すのも私の仕事なんですけどね!だからこそ私の言葉が発端で誰か怪我したらって思うとね!嫌なんだよね!
それはさておき、ネヴィルさんはもう治ってるわけだし、他の三人さんももう用件は済んだわけだし、と洗濯物を畳むのに集中しようとした瞬間。
「ミーヤ!次こいつら!こいつらの頼む!」
いつの間にか休憩所から居なくなっていたらしいビルさんが、また違う獣人達を連れて駆け込んで来た。やだ、この人超わくわくしてる……珍しい物見つけた幼稚園児の顔してる…。
「パンダ獣人なコイツは!?」
「パンダって熊の一種だから剣持つよりも爪の方が攻撃力高いと思います。でも最低限剣は使えてた方が相手の油断も誘えて良いと思いますけど」
「近付くといっつも威嚇してくるし実力高いからちょっと遠巻きにされてるタスマニアデビル獣人!」
「それただ自分よりデカい生き物に怖がってるだけなんでゆっくり近付いてあげてください。あと攻撃力は既にカンストしてますよねその方」
「手も足も蹄なせいで剣がまともに持てず主に運搬係やってる馬獣人は!」
「無理に剣を持たせずに蹄を使うのが一番では。蹄鉄ちゃんと付けてますし、馬は脚力凄まじいんで蹄使うのが最強だと思いますよ」
「鍛錬サボりがちなカバ獣人!」
「体大きいし皮は鎧レベルで硬いし攻撃性も攻撃力も高い種族じゃないですか。実戦で最前線任せたい」
「剣の扱いが苦手なカンガルー獣人!」
「何故剣を持たせる。キックで戦わせろキックで。カンガルーのキックは内臓潰せるレベルでしょうよ」
「剣上手く持てないワニ獣人!」
「顎を使え。ワニの顎の力は馬鹿に出来ない」
「バトルの空気でスイッチ入るバーサーカー系牛獣人!」
「闘牛じゃないですか。頭突き、角、突進、以上」
そんな会話を続け、最終的に鍛錬している隊員の数がおかしい事に気付いたレオンさんが来てくれるまでこのやり取りは終わらなかった。




