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いちゃいちゃ



「うあ~……疲れた。抱き締めさせて」


「はぁ~い♡」



 お高い方の宿屋に移動し、部屋に通してもらい、広くて綺麗な部屋に置いてある大きなベッドに腰掛け……た辺りで、私の体力は限界を迎えた。

 ベッドに腰掛けながらイースを正面から抱き締め、大きいおっぱいに顔を埋めて力を抜く。すべすべもちもち褐色肌凄い……流石淫魔……。



「うふふ、我慢するのを止めたのねぇ?」


「セクハラになるんじゃ?とかはもう考えるの止めた。我慢も止めた。許可出た以上は嫌って言われてもスキンシップを増やしていくつもりでもす」


「もす?」



 今のは語尾がおかしいって言うよりは口が回らなかったって感じだ。相当疲れてるな私。

 あの後タバサの案内でイース達のトコまで連れてってもらい、会場から出て、丁度お昼の直前って感じの時間帯だったのでその辺の屋台で軽食を買って、宿屋に到着、というルートだった。あんだけ濃い出来事が満載だったのにまだ午前中って凄いよね。時間が歪んでいる気がする。

 まあそれはさておき、本当は屋台でお昼を済ませようかと思ってたけど参加賞のお陰で食べ放題だからね。軽食だけ買って昼は宿屋で食べようかなって。ラミィ、コン、アレク、ハイドという大食いさん達が居るから出来るだけ出費しなくて済むならそっちで済ませたい。

 そりゃ資金はあるけどこれからも旅を続けるんだし、と先の事を考えるとなるべく出費は抑えたいんだよ。未来で嫁を飢えさせたくは無い。



「イース」


「なぁにぃ?」



 イースは私の頭を優しく撫でながら、ハートが浮かんでいる紫の瞳を細めて微笑んだ。あー可愛い。



「イースの頭、撫でて良い?」


「勿論、良いわよぉ」



 イースはしゃがみ、撫でやすいようにと金属の髪留めを黒い靄に変えて消してくれた。ふわり、とウェーブしている銀髪がイースの肩に掛かった。あ、髪下ろしたイース見るの初めてかも。



「ありがと」



 手を伸ばしてイースの髪に触れ、頭を撫でる。おお、髪の毛ツヤツヤのサラッサラ…!しゅるしゅるしてるっていうか、あの、あれだ。凄く質の良い布触った時と同じ感じの気持ちよさがある。何だっけあれ。シルク?シルクだっけ。あのしゃらしゃらした感触のやつ。うわわわ、高級な触り心地……。



「……ふふ」



 目を閉じ、今度はイースが私の平均的なサイズの胸に顔を埋めた。



「ミーヤに撫でられるのぉ、初めてねぇ」


「うん」



 こっちに来て最初に出会ったのはイースだったけど、だからこそこういう風に接して良いのかわかんなかったんだよね。イースの次に仲間になったハニーはキラービー姿だったからスキンシップ取りやすかったし、ラミィは大人っぽいのに中身がちょっと子供っぽかったから接しやすかったけど。

 多分、イースに対しては頼りになる大人ってイメージもあったから尻込みしちゃってたのかな。まあ許可出た以上はもう我慢しないけど。思いっきり撫でるし触る。



「……ん、満足」


「そう、良かったわぁ」



 二十分程イースを触り続けて、ようやく満足した。解放されたイースはくすくすと笑い、一瞬にして乱れていた銀髪をいつも通りのポニーテール状態へと戻した。おお、流石淫魔。

 イースの姿は幻覚みたいなものだから、髪型を変えたりも一瞬だけど……でもやっぱりこういうのを改めて見ると凄いなって思うよね。



「良し次。ハニーカモン」


「はい!」


「うごっ」



 腕を広げた瞬間にハニーが私の胸の中に飛び込んで来た。ああ、うん、待ての状態を解除された反動なのね。なら仕方ない。仕方ないけど出来るだけ突進は止めて欲しい。

 よいしょ、と向かい合う形でハニーを膝の上に乗せ、蜂蜜色のふわふわした髪を優しく撫でる。触覚に気をつけながら触らないとね。



「~♪」



 ハニーは上の両腕を私の首の後ろに、下の両腕を私の背中に回して抱き付き、うっとりと目を細めた。あー可愛い。しっかり者だけど甘えたがりなハニー可愛い。

 撫でるついでに、ハニーの額にある桜の契約印に軽くキスを落とす。あ、今一瞬ふわって蜂蜜の匂いがした。良い匂いだ。



「……あの、ミーヤ様?」


「ん?」


「いえ、その、何と言いますか……ミーヤ様からの愛がダイレクトになったような感じで、恥ずかしくて、嬉しいです……」



 そう言い、ハニーは頬を少し染めてぐり、と私の胸に顔を埋めた。うわあ私の嫁が超可愛い。

 まあ確かに今までに比べるとちょっとどころじゃなくスキンシップ多くなったかもね。でもいつもこんくらいはしたかったよ。ただちょっと日本人としての独特の距離感があっただけで。

 そう考えると、愛するのを我慢しなくて良くなっただけアボットには感謝……したくないな。何だかんだ言ってもアイツが私の鞭を奪おうとした事実は変わらないし、セレスのような子供も見てる会場ですっぽんぽんになろうとしたのも揺るぎ無い事実だ。

 良し、感謝はしないでおこう。受け入れてくれた嫁達にだけ感謝しておこう。そうしよう。



「次、ラミィおいで」



 あの後また二十分程ハニーを撫でて満足した。

 途中で私が会場で言った「腕の付け根を~」の話を思い出したハニーが許可を出してくれたから腕もじっくり見させてもらった。私の頭が悪いせいでいまいち理解は出来なかったけど、最終的に「擬態って凄い」で落ち着いた。

 よくよく思い返せば私人体にもあんまり詳しく無いからじっくり見ても触って聞いても理解出来なかったんだよね。もうちょい真面目に授業受ければ良かった。ポンコツだからどうせ容量には限界があっただろうけど。



「…………ん」



 正面から腕を広げてくれたラミィを抱き締める。抱き締めるというか、体勢的には抱き締められてる感じだ。ラミィの大きいおっぱいに顔が埋まった。

 こっち来たばっかの時はよくこれでパニックに陥ってたな、と思いながら顔の位置を調整して呼吸を確保。混乱して酸欠になりっぱなしの私では無いのだよ。ちきんと成長しております。



「髪サラサラだね」


「ん……。ミーヤ、の、従魔……に、なって、から、健康……」



 ラミィの髪を撫でながら言うと、ラミィは嬉しそうに微笑み、その蛇の下半身を私の胴体に巻きつけてきた。……こういうの見る度に思うけど、蛇の動きって凄いよね。筋肉とかどうなってるんだろ。見ても理解は出来ないだろうけど気になるよね。

 ぎゅう、と蛇の巻きつきのように強めの力で抱き締められながら、私はラミィの頭を撫でる。ラミィって蛇だからか体温低めなんだよね。お腹に巻きついている尻尾がひんやりしていて気持ち良い。



「次、コンおいで」



 またもや二十分程のスキンシップを取り、満足した。

 ラミィの蛇部分じっくりと触らせてもらったけどあれ凄いね。蛇のお腹がこう……横線入ってるようなデザイン?に?なってる?のは知ってたけど、でこぼこしてるとは知らなかった。触り心地は良かった。



「ぁ……ぅ……み、ミーヤが言うから仕方なく!仕方なくだからな!?」


「うんうん」



 恥ずかしいのか顔を赤らめてそう言うコンの頭を撫でて落ち着かせる。何度か撫でると、コンは目を細めて耳をぴるぴると動かした。

 コンが大分緩み、力が抜けたタイミングを狙って思いっきり抱きついてみる。



「うおわぁ!?」



 驚いたのか思いっきり毛が逆立ったが、これは素晴らしいもふもふだと思ってそのまま首の一際もふもふした部分に顔を埋める。



「うりうり」


「……ぐる、る」



 コンが時々私にマーキングするようにコンの首辺りに顔を擦り付けていると、コンは力を抜いて喉を鳴らした。チラリとコンの背中側を覗いて見ると、尻尾がご機嫌な様子で揺れている。

 やっぱこれからはこうやって匂いを付けるようにした方が良いのかね。今まではちょっともふもふが出来るぞ!っていう私の欲が前面に出てる気しかしないし……って思ってやらないで居たけど、私はコンのもふもふが堪能出来る、コンには私の匂いが付く、って事で結構良いのかも知れない。よし、これからはこれをやるようにしよう。もふもふは良いぞ。



「次、アレクー」



 もふもふの後にブラッシングなんかでやはり二十分程使い、満足した。

 ブラッシングついでに肉球もマッサージ出来たしね!最初のガサついた肉球とは違い、ぷにぷにした素晴らしい肉球であった。きちんとしたケア用品を使用してるからか、肉球の状態もかなり改善されたんだとか。

 そんな肉球を揉み、クリームを塗り込んだ。毛が無くて結構敏感な部位だからかコンは赤面して気まずそうに目を逸らしていたけど、今の私は気にしません。満足行くまで揉ませてもらった。満足した。



「はいはーい!待ってました!」


「おぐぅ」



 アレクもまた突撃してきた。肉体無くて魂だけの状態なのに突進のダメージ入るの何でじゃ。アレクが触れたいと思えば触れる事が出来るから、ぶつかるって事は私に触れたいって思ってくれてるって事で喜ばしいけど……それでもダメージはダメージである。

 両手でアレクの頬をホールドし、そのまま髪ごとぐりぐりわしゃわしゃしてやった。



「うわわわわ!ミーヤったらいきなり大胆!」



 お仕置きのつもりだったけど喜ばれてしまった。……ま、良いか。

 触れる事は出来るけど、肉体が無い為ふわふわ浮いているアレクの胸辺りを両手でガッと掴み、膝の上に座らせる。正確には座る為の腰の骨が無いから膝の間にアレクの背骨の先を挟むって感じだけどね。

 …………魂の重さしか無いから、軽いな。



「え、や、ちょ、今日のミーヤってば本当に大胆……♡こんなにガッシリ掴まれたの初めて……♡」



 アレクは骨の手で赤く染まった頬を覆い、恥ずかしそうに目を伏せてくねくねと揺れた。

 そういや撫でたり触れたりする事はあってもこうやって掴んだりはしてなかったかも知れない。アレクはね、生前があったからね、ちょっと距離を掴めてるような掴めてないような感じだったんだよね。

 まあでも私は吹っ切れたから。公衆の面前で愛と性癖を叫ばされた時点で吹っ切れたから。アレキサンダーとかアレックスとか考えない。今目の前に居るのはリッチって種族でアレクって名前の私の嫁。それだけである。



「んじゃ、最後。待たせてごめんね、ハイド」



 二十分程触りまくって満足した。

 いやー、骨なんて骨格標本か、手羽先食べた時の骨くらいしか触った事無いから改めて触ってみると不思議な感覚だった。普段からアレクの手に触れてたとはいえ、こうやってじっくり見ながら触るのは初めてだったからね。

 ちなみにアレクからすると、骨の内側を触られるのは性感帯を触れられるのに近い感覚らしい。肋骨の間に手を入れて触ってみたらアレクがビクンビクン反応して声押し殺してたから多分そうだと思う。骨に触る為にローブをはだけさせてたから端から見たらとんでも無いシーンだったことだろう。

 胴体骨な幽霊の骨に触れてるってだけのシーンのはずなのにお色気になるって不思議だね。

 余談だけど鎖骨辺りの肉と骨の境目辺りも触らせてもらった。肉は生っぽくてぐちゅって音がした。腐ってなくて良かった…って思っちゃうくらいには生々しい肉だった。アレクは一際大きく喘いでいた。カオスかよ。



「やっと我の番か」



 そう言い、ハイドは床に膝をついて私を抱き締めた。

 …………幾ら私がベッドに腰掛けてるとはいえ、膝立ち状態のハイドの胸に私の頭が当たるって……もうちょっと、こう、あの、どうにかならんかね。いや、わかってる。私が小さいって事はわかってる。こうも身長差があるとこうなるのか……。

 まあ、立ってる時と対して視点は変わらないから良いやって思っておこう。いつも通りの視点だ。目の前はハイドの胸しか無いけど立ってる時と同じだもんね。

 だがしかし私はハイドの頭を撫でたいんだよ、とハイドを座らせる。床に座らせる事になっちゃうけど下は高級そうなカーペットだから寒くも痛くも無いはず。多分。



「これでやーっと私より目線が低くなった」


「?ミーヤ……わ、わっ」



 不思議そうな表情をしたハイドをスルーし、私は目の前にある紫紺色の髪をわしゃわしゃと撫でてから手櫛ですいすいっと整える。うん、ツヤツヤな良い髪だ。ちょっと長めだけど、見た目がビジュアル系だから似合ってるしね。

 そうやって撫でていると、ハイドの引き篭もり特有のような白い肌が少し赤くなってるのに思わず笑みが零れる。最初こそ病んでたけど、こうやって普通に接してると可愛い子なんだよね。愛されるのに慣れてない感じっていうか。



「失礼しますっと」


「っ!」



 指先ですいっとハイドの長い前髪を横に除ける。ハイドは一瞬怯えたように体を硬直させたが、大丈夫だよ、という意味を込めて笑いかけると全身に入っていた力を緩めた。うーん、一応多眼に対するコンプレックスは薄れたみたいだけど、こうやって近距離で直に見ようとするとまだ恐怖が出ちゃうか。

 同じ現代人として蜘蛛を恐れた勇者の気持ちもわからなくは無いけど、ハイドを嫁にした私からすると要らん事してくれたなという気持ちがちょっと湧かなくもない。

 ……ま、私がハイドを可愛いって思ってればそれで良いか。私の嫁なんだしね。

 そう思いながらハイドの額、四つの目がある額に軽くキスを贈ると、ハイドは頬を真っ赤に染めた。ははは、可愛らしくてとても良い。私の嫁は可愛い子ばっかりで最高過ぎるね。



「……良し!満足!」



 最後もまた二十分程触りまくり、満足した。

 ハイドの額の目もどうやら人間と同じような目の状態になっているからか瞼があって、じっと見つめていると恥ずかしいのか目を閉じるのが可愛かった。

 そしてずーっと顔を覗きこんでたからか、恥ずかしくなったハイドが控えめに私の服の裾を掴んで上目遣いをしてきたのも可愛かった。

 午前中に失われた体力や気力、そしてメンタルが嫁達によって全回復したのを感じる。



「丁度良い感じにお昼だしぃ、食堂に下りてご飯にしましょうかぁ」


「そうだね」



 イースの言葉に頷く。最初は昼前だったのに気付いたら結構な時間が経っちゃったな。まあでも可愛い嫁達を思う存分愛でれたので悔いは無い。満足。



「ご飯食べたら……夜の飲み会まで時間あるし、屋台巡りでもしよっか。お昼のピーク過ぎて空いてると思うしね」


「ん……!」


「良いな!王都なら食い物以外にも色んな屋台あるし!」


「やった!僕実はギルドに置いてあったパンフレットに載ってて気になってた屋台があってね!」


「我は珍味がある屋台が気になってたからそこに行ってみたい!」



 大食い組が見事に釣れた。

 イースとハニーもそれには賛成みたいだし、と皆に「了解」と告げて、まずは遅めの昼食の為に食堂へ降りる。お高めの宿屋のお食事、楽しみ!



ミーヤ達の体重。

ミーヤ→平均だったがこっちに来てから筋肉が付いて平均より少し重め。

イース♀→体重は可変だが、基本的には平均よりも軽い。

イース♂→同じく可変だが、基本的には見た目に合った重さ。

ハニー→擬態なのでキラービー姿と同じ重さ。つまり軽い。

ラミィ→下半身数メートル、しかも蛇なので大体筋肉。つまり重い。

コン→背も高いし筋肉もあるので重い。

アレク→生前は平均。今は肉体が無いので魂の重さのみ。羽一枚くらい。

ハイド→擬態だが重さは調整してあるので背に合った平均体重。何故ならラミィと違って体重が一点に集中する為、もし元の体重のまま建物内に入ったら悲惨な事になるからです。

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