第十二話 決着
俺のテレポートが成功した。周囲の貴族、王宮関係者が見つめる中、王子は声の主を確信したようだ。
「…… 国王陛下!! 」
「息子よ、久しいな。 皆も今までご苦労であった。 挨拶はこのくらいにしよう。 本題だが、私が不在の間は確かにお主に国を任せてはいたが、理由もなく民を拘束せよなどと命令した覚えはなかったが、これはどういうことかお主の口から説明せよ」
「父上! いえ、国王陛下。 私がいながらこのような自体になったこと、申し訳なく思っています。 この者たちは収益を不当に報告した罪、またそれを我が者にしようと企んでいるとの密告が入りまして、このように査問会議を開き、罪を問いただしている中、この者たちが逆上した為、落ち着かせるために一度連行しようとしたまででございます」
「逆上って! そんなことはしてないけどな! 」
「なるほど……。 お前の言い分は分かった。 だが、この者たちが罪を犯したという確実な証拠はないのではないか? 密告があったと言うが、その者はどこにおるのだ? 」
「それは……。 その者は密告をしたということで、顔を晒すことはしないように手配していますので、この場にはいません。 ですが、事前に詳しく話は伺っていますので、この場にいなくても問題はないかと私が判断しました」
「では、その者とのやり取りを記した文書を見せてくれぬか? 私も確認したいのだ」
「その…… それは…… 」
「どうした? 顔色が優れないようだが」
「大丈夫ですので、お気遣いは無用です。 文書は後程ご提示致します。 それよりも、この者たちは私に反抗したのですよ。 この国の王子に意見するなどそれこそが罪ではないですか」
「分かった。 この国にとって、悪は不要な存在であるな。 気づかなかった私にも問題がある」
「父上は何も悪くはありません。 私の責任ですので。 では、この者たちの処罰は私が致します」
「いいや、処罰を受けるのはお前だ。オレインよ! 息子ながらこのような自体になるまで気づかなかったのは私の責任である」
「なッ! なぜです? 私が処罰!? 」
「まだ、わからぬか。 自分がよく分かっているはずだ。 この会議が開かれる前から、私はずっとレイジ殿とやり取りをしていたのだよ。 最初に私の元に文が来たときは内容に驚いたがな。 取引の内容まで事細かに記載されていた。それに、ギルドにも調査を出したが不正の証拠など何もなく、毎月丁寧に帳簿を出してくれているとの事だった。 それと、私が不在の間の息子のやり方に不満を頂いているものが多いことは知っていた。対処を先送りにしていたのは私なのだ。 皆の者、息子がすまなかった。 どうか、許してやってほしい」
「父上! 謝らないで下さい。 謝るのは私の方ですので……。 父上が私を思ってくれているとは知らず、権力に物を言わせていました」
「そのようだな。 査問会議中もレイジ殿の魔法で全て聞かせてもらっていたよ。 お主が逆上しているところも。 さて、他にこの会議で異論のあるものはいるかな? 」
「……」
「では、この査問会議はこれで終了だ。 よいな」
「それでは、これを持ちまして査問会議は終了と致します」
議長が会議終了の挨拶をし、これで全てが終わったのだ。俺達は何のお咎めも無しに、この国にいられそうだ。スコット家も商売は続けられるようだ。本当によかった。一時はどうなることかと思ったが、国王陛下ばんざい! と喜びたいところだ。
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