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王都帰還

 結構久しぶりに城に帰って来たが...。

 なんともまあ、とんでもない景観である。

 大きな橋は行きかう人々で溢れ、普通に歩くのも難しそうだ。

 何か空でも飛ぶ手段があるなら移動が楽になりそうなんだがなぁ...。

 飛ぶ...風船...気球...あ。

 これは良い事を思いついたぞ!





「お帰りなさいノア様!」


 部屋に入った俺を見るなり、パタパタと此方へ寄って来るラミュ。

 

「ここ最近はお仕事で会えなくて寂しかったんですからね!」


 そう言いながら俺に抱き着いてくるラミュ。

 半分不意打ちだったが、一国の王子がこの程度でバランスを崩して倒れよう物なら王子の名が廃ると言った物だ。


「俺も寂しかったさ。...それで、今から俺はやりたい事があるんだ、少し離れてくれないか?」

「あ...すみません...」


 素直に俺の腰に回していた腕の力を抜くラミュ。

 ちょっと可哀そうかなとは思ったが、それより今はこの思いついたアイデアを早く形にしてみたい。

 すぐさま部屋を後にして、国王の居る所へと向かった。




 別に王だって毎秒謁見の間に居る訳にはいかないし、自室に居る訳でもない。

 だとしたら何処に居るのか?

 それは執務室であろう。

 王として日夜書類に目を通す日々。そんな執務はここで行う。

 俺が王になったら執務系はなんとか回避出来るような法でも作るか。

 それくらい面倒であろう。


「失礼します、国王様。アルカディア王国第一王子のノアルト、国王様に用事があり、少しだけ時間を頂けはしないかと――」

「今は儂とお前しか居ない。口調はそんなに堅苦しくなくてもよい」

「じゃあ単刀直入に。俺はこれからどのくらい暇がある? それと、あるものを思いついたんだが、それが上手くいったら生産ラインを確保して欲しい」

「最初の質問については...だいたい数か月は暇になるかもやしれんな。正直な所、オルフェウスがどう動くかでお前が暇な時間は変わって来るだろう。それと、生産ラインとか儂には良く分からん、お前は王子であるのだから自分でなんとかしろ」


 まあ、俺この国の王子だし、自分でなんとかしろって言うのは確かにごもっとも。

 あとは俺が暇な期間は数日程度とかではないって事だけ分かったのなら安心だ。


「分かった、ありがとう。それじゃあ失礼します」

「うむ、儂にはお前が何を考えているのか分からぬが、今までもそうだったように国益になる事をしてくれると儂は信じているぞ」


 身を翻し、退室しようとした俺に静かながらも、心に響く声を背中から向けられた。

 全く...いくら国王とは言え、血の繋がった親子。

 立場や役割から親子らしい事は全くしてこなかったが、こうされると嬉しい物もあるな。











 城をウロウロしているが、一向にエルが俺を見つけて走って来るとかはない。

 どうやらまだ何処かに任務か何かで行っているのだろう。

 暇なら着いてきて貰おうかと思ったのだが...いないなら一人で何とかするか。

 

 飛行魔法を発動、再び俺は城から飛び出し、南の方へと飛び立った。

帰還してから数時間も経たずにどこかに飛んでく王子...

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