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現地

 港町ウォルテッド。

 何回か訪れたことはあったが、その時は海路を使ってオルフェウスやアルヴェルに渡ろうとする商人や冒険者で大変賑わっていた様子だったが...。

 今は道ですれ違う全ての人が暗い顔をしている。

 海龍のせいで経済は回らず、海を渡った移動もエルが海龍を討伐するまで封じられたからなぁ...。

 それが数日続けばほんの少しではあるが鬱憤も溜まる、という物だろう。

 俺は幻術魔法で存在感を薄くしているから王子がここに居るとはバレないだろう。

 それも全て今からの為...!


「ウォルテッドに居る冒険者や商人、そして市民達よ、聞け!」


 空へと浮き上がり、幻術魔法を解除。

 風魔法でウォルテッド全体へ俺の声が届くようにする。


「俺がアルカディア王国王子のノアルトだ! 王からの勅命によりこの地で戦っている勇者エルの助太刀に来た! この数日間、不自由な生活を送らせることになってしまったが、Sランク冒険者の俺が来たからもう安心だ! 王子が勇者と海龍を打ち倒し、明日には元通りの活気溢れる町に戻すことを誓おう!」


 町中に向けた俺の演説...と言うか宣言。

 最初の方は町中の人たちは少しざわついていただけだったが、最後の方...Sランクとか王子が勇者と~のあたりから人々から歓声が聞こえてくるようになり、俺の宣言が終わった。

 それと同時にウォルテッドの人々は湧きあがり、先程とは比べ物にならない程の熱気で溢れかえった。



 活気を戻すのも王子の務め。それに活気が無いと料理店の飯が不味くなるからな。

 さてと...活気だけは回復したっぽいし、さっさと海龍を退治しに行きますか。





 当てもなく海の上を飛んでいると、海の上を漂う船の影が。


「ノア!? どうしてここに!?」


 船の近くまで移動すると、船には数十人の兵士とエルの姿が。

 

「どうしてって...手助けしに来たんだが?」

「わざわざノアが出てこなくても良かったのに...相手は海龍よ?」

「海の中のモンスターなんて魔法を使える奴でもないとまともに相手出来ないんだから、エルだけじゃ無理って事で俺が来たんだが...」

「あたし一人でも次アイツが顔出した瞬間に聖剣解放(シャイニングブレイブ)で倒せるのに...」

「次って...一回戦ったのか?」

「ええ。船で探してたらいきなりブレスを撃ってきて...聖剣で弾いたんだけど、ソレを見て海の中に逃げられちゃったのよ」

「マジか...」


 多分エルがブレスを弾き飛ばしたからだろうな...。


「時間が無いからさっさと終わらせて帰るぞ」

「時間が無いってどういう事よ?」

「いや、明日までに終わらせるって言ってきちゃった」

「...出来るの?」

「勿論だ」


 そう言いながら、魔力感知にブースト。

 海の中には沢山のモンスターが存在する。海の中のモンスターも不可山脈(デルタズ・ノア)には劣るかもしれないが、Aランクのモンスターだらけの危険区域だ。

 その中でもより大きな存在、つまりは海龍を探す。

 ...見つけた。割と浅い所に居るな。これならすぐに囲えるだろう。


「エル、戦闘準備は出来てるか?」

「もう見つけたの!?」

「まあそんなところだ」


 まあ準備は出来てそうなので、早速魔法を発動。

 古代魔法の中の...結界魔法にブースト。

 まずは最初に海龍を結界で囲う。

 この時点で古代龍なら結界に捕らわれた事を察してなんとか破壊しようとする筈だ。

 しかし、龍程度が一瞬で壊せるような柔な結界を張ったつもりはない。


「エル、行くぞ!」

「いつでも良いわよ!」

「あっちに向かって跳べ!」

「あっちって...海じゃない?」

「早くしてくれ」

「...あーもう! 分かったわよ!」

 

 エルが俺の指さした方へと跳ぶ。

 そこで結界魔法を更に発動。

 海龍を閉じ込めてある結界から海水を追い出す!

 すると...。


「ちょっとノア!? なんか海に穴が開いたって! アンタはさっきの海龍ね!」


 海龍に限らず水中のモンスターと戦う際の俺達にとっての不利条件...つまり水中と言うアドバンテージを取り除いた。

 海龍は水属性の古代龍が海に入っただけなので、地に出てしまえばそこらの古代龍となんら変わりない。

 因みに龍と言っても蛇みたいな奴じゃなくて属性竜とか属性無しとかと同じでトカゲ型だ。

 四つん這いじゃなくて後ろ足で立っていることくらいしか違いが無い。

 俺も飛行魔法でエルへと続く。

 

「ほう...この我を結界で閉じ込めるとは...」


 結界内に入ると、海龍がなんか喋ってた。

 ある程度の知能を有したモンスターが人間の言葉を理解し喋れるのは知っているが...いや、古代龍ともなれば当たり前か。属性竜程度で会話が出来たんだからな。


「が! 閉じ込めた所で我からの逃げ場が無くなっただけだ!」


 そう言いながら、海龍は何千と言う水魔法を展開、俺とエルに向かって放つ。

 魔法一つ一つが強力で、Aランクの冒険者なら数発もガード出来ないだろう。


「舐めるなよ? ウォーターバレット」


 俺もそれと同じ魔法で対抗、飛んできた魔法を全て相殺させる。

 

「バ、バカな!? たかが人間風情が我の攻撃を全て打ち消しただと!?」


 俺の技に驚愕する海龍。てか魔法使わなくてもエルなら全部切ってただろうし、その程度で驚いてもらっちゃあ困るんだが...。まあいい。


「さて...やるぞエル!」

「ボッコボコにしてあげるわ!」


 俺の掛け声と共に、海龍討伐が始まった。

ブクマ100行きたい

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