ダンジョンコア
さて...残るはダンジョンコアの破壊だけだろうが...。
「む、竜に似ている味だな...」
案の定食べ始めている。
「先に行っても良いか?」
「うぐ!? 待ってくれ、あと少しで食べ終わるから」
「いや、もう早く終わらせて帰りたいから先行ってるぞ」
ドラゴニュートの死骸に火を通しただけの物を頬張っているジオニカを傍目に、その先にダンジョンコアがあるであろう扉を開いた。
前の部屋と同じくらいの広さをした空間、そこに多大な量の魔力を放つ物があった。
紫色に光る浮いた球体。
あれがダンジョンコアなのだろう。
アレがこのダンジョンの管理やモンスターの生成、そして魔道具を生み出す存在...。
ダンジョンコアに近づくと、いきなりダンジョンコアから幾つかの武器やら宝石が吐き出された。
まるで「これあげるからコア壊さないで...」なんて言ってるみたいだ。
ちょっと構図がカツアゲしてるみたいになっててちょっと心苦しい。
まあ壊すんだがな。
適当な魔法をダンジョンコアに向けて放つ。
...一撃では壊れなかったか。ただ次で壊れるな。
もう一度。
ダンジョンコアに罅が走っていき...。
ダンジョンコアは眩い光を出しながら粉々に砕け散った。
それと同時にグラグラと地震のような揺れが起こる。
ああ、そうか。ダンジョンの管理をしているコアを壊したらダンジョンも壊れるか。
てっきりダンジョンコアを壊してもモンスターや魔道具が出てこなくなるだけだと思っていたのだが...。
「おいおい王子君? なんか揺れてるんだけどこれからどうするんだい? ってそんな呑気に魔道具を拾わないでくれるかな!?」
「いや大丈夫だから。焦らなくていいぞ」
「私には全然大丈夫じゃないように見えるんだけどなぁ!?」
「...分かったって。丁度魔道具の回収も終わったし帰るか...。はい、隧道穴化」
俺が上に向かって魔法を放つ。
それだけで人一人が通れそうな光の差し込む穴が出来る。
「ほいじゃ、ここから出ればいいだけだから」
「私は飛べないんだけどなぁ?」
「あ、すまないな」
そう言いながらジオニカを掴み、飛行魔法で穴へと入っていく。
「こんな雑な脱出方法で良いのか...?」
ジオニカの呟きと共に火山のダンジョン、熱岩の洞窟は崩壊し、消えて行った。
「いやあ、お二人とも凄いです! まさか一日足らずでダンジョンを踏破してしまうなんて! それにお二人ともダンジョンには初めて挑戦したんでしたよね?」
「あ、ああ。そんなところだ...」
ダンジョンから脱出して、ダンジョン攻略の報告をギルドにしていると、受付嬢に絡まれてしまった。
受付嬢が大声で凄いとかダンジョン踏破とか騒いでいたので、近くの冒険者達も野次馬になってしまった。
「もう私はダンジョンには行かないよ...」
「へえ、それはどうしてなんですか?」
「痛い目に合う所だったからね...ダンジョンが崩れ始めたりとか」
...それって俺のせいじゃん。
俺の事ディスってるのか?
お、やっと報酬が運ばれてきた。
「あー、なんだ、今から用事もあるので失礼する」
「うーん、私も今から用事があるのでここらでお暇しようか」
これ以上ここにいると面倒そうなのでとっとと城に帰る事にしよう。
依頼をしている時には大して深く考えていなかったが、ダンジョンの活性化ってどういう事なのだろうか。
いや強いモンスターが滅茶苦茶湧くってのは分かるんだけど...。
「お帰りなさいませノア様!」
自分の部屋に戻るとラミュがお出迎えをしてくれた。
「ああ、帰って来て急だがここに放置する魔道具とか宝石には触らないようにな」
「え...? わ、分りました...」
そう言いながらダンジョンから搔っ攫ってきた魔道具一式や宝石をそこら辺に出す。
アイテムボックスに余りにも沢山物が入っていると少しだけ魔力操作の質が落ちるからな。
それらを置いて俺は部屋を出て例の地下室へと向かった。
無駄に多い魔法以外の書物も意外と役に立つことがあるものだ。
文献を読む感じ、ダンジョンはコアが本体の超巨大なモンスターと考えても良いらしい。
そしてダンジョンでは宝箱が出る物と出ない物があるらしい。
が、ダンジョンは人を誘い込み、体から漏れる魔力や使われた魔法の魔力、果てには死んだ後の魔力を食べ物にする為宝箱が出ないダンジョンは稀らしい。
そしてここからが本編。ダンジョンの活性化とは何ぞや?
それは、魔力過多での暴走、だそうだ。
人がダンジョン内で短期間の内に大量に死亡するとか、ダンジョンコア自体に狂ったような量の魔力を流し込むとか、どんな要因でも良いから沢山の魔力がダンジョンにある事で起こる物らしい。
つまり、ご飯(魔力)を食べ過ぎたからモンスター生成(運動)しないと魔力いっぱい過ぎで貯蔵量足りない...みたいな感じなんだろうか。
ダンジョンって不思議だなぁ...。
誤字報告アリガトネ...




