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ダンジョンコアの守護者

「お」

「あ」


 俺とジオニカの声が被る。

 レッドドレイクを倒してからダンジョン内でジオニカを探していると、ちょうど目の前の通路からジオニカが出て来たのだ。


「やっと見つけた...」

「なんだそのまるで私を探していたような感じの口ぶりは?」

「だって実際お前の事探してたし」


 ジオニカは割と方向音痴である。


「フフフ、それは済まなかったな。ではさっさと攻略を進めてしまおう」

「勿論だ」 


 二人でダンジョンの最深部...コアがある場所を目指し、歩みを進める...。


「ちょっとちょっと、もう階段見つけてあるから、こっちだって」

「ああ、悪い悪い」


 うーん、やはり方向音痴だ。







「ほいよっ......と」


 大きく飛んで十階層。

 だんだんと敵の強さが上がって来る。

 ジオニカの攻撃も一瞬の間に数十匹も倒すのではなく、僅か数匹を倒すだけになっている。

 それでもこちらの優勢は変わってはいないが。


土の槍(アースジャベリン)


 俺もジオニカに負けじと何十本もの土の槍で複数のモンスターを串刺しにする。

 しかし強さのランクが数段階も上がったモンスターが槍数本で殺せる訳も無く...。


「グルルァァ!」


 仕留めそこなった内の一匹が此方めがけて魔法を放つ。


土の壁(アースウォール)!」


 魔法を土で作った壁により防ぎ、再度土の槍で攻撃し、魔法を使ってきたモンスターの息の根を止めた。


「...どうする?」

「このままだと時間が掛かるのは目に見えている...が、そんな事を聞いてくるって事は君に何か考えがあるってことだろう?」

「ああ、少し下がって待っていて欲しい」

「了解だ」


 近場のモンスターの首を切断し、瞬く間に俺の後ろまで後退してきたジオニカを確認して魔法を放つ。


岩石の嵐(ロックハリケーン)!」


 俺が魔法を発動させると共に、幾つもの岩石が渦を巻き俺の目の前を一掃する。

 複合魔法。割と難しい部類の魔法技術だ。

 今のは土と風を合わせて岩で辺り一帯をグチャグチャに出来る魔法だ。

 ブーストで威力の底上げをし、そこに持っている魔力の全てを籠めたが...やはり威力は絶大。

 まあ俺の全魔力にあんまり価値は無いがな。すぐ回復できるしまず最大量がバカみたいに多いって訳ではないからな。

 それでもSランクのモンスターを一掃できる強さは本物だろう。




「ほう、まさか王子君があんなに派手な技を使えるとは知らなかったよ。何せ、古代王子なんて呼ばれるくらいだからてっきり古代魔法しか使わない物だと」

「その呼び方結構気にしてるから止めてくれ。別に古代魔法だけしか使えないって訳でもないんだから」

「複合魔法も扱えて古代魔法も扱える、それに近距離に潜り込まれた時もモンスターをすぐに撃退出来るし...全く、古代王子じゃなくて万能王子にでも改名したらどうだい?」

「出来るならもうしてるから...」


 モンスターを一掃し終え、階段を下っていく。


「しかし本当に熱いな...王子君、氷とかは出せないのか?」

「出しても数分以内に溶けるからな...」


 そう言いながらも氷の塊を生成する。


「君は本当に便利...じゃなくて器用だね」

「本音漏れてるぞ」


 二人して階段を下り終え、十五階まで降りて来た瞬間、今までと違う物を感じた。


「...どうやらここが目的地のようだ」

「ああ、今までとは違う魔力の質を感じる」


 どうやらジオニカも魔力か何かを感じ取ったらしい。

 ブーストを使わず少し鈍い状態の俺の魔力感知でも多大な魔力の塊を感じる事が出来る。


「この先の扉だろうな」


 俺が指を指したのは、通路の先に見える大きな扉。

 この先にダンジョンコアがあるのだろう。

 俺達は意を決して...みたいな演出は無く普通にその扉を開けた。

 だって俺達Sランク冒険者だもの。

 互いが互いにたとえ国家を相手取っても生きてそうだなと信用なのか嫌悪なのか分からない感情を抱いているからな。

 

 


 扉を開けるとそこにはダンジョンコアは無く、代わりに大きなモンスターが居た。

 恐らくドラゴニュートとか言う種類だろう。

 人間に近い形をした二足歩行のトカゲ、と考えてくれていいだろう。

 それがめちゃくちゃ大きくて剣を持っているだけだ。

 そのモンスターが立ちはだかるさらにその向こうに扉があった。

 あそこの向こうにダンジョンコアがあるのだろう。


「ジオニカ、気を引き締めて行けよ。あのモンスターは不可山脈(デルタズ・ノア)のモンスターと言ってもほぼ遜色ない。先程までとは格が違う。だが...」

「私達の敵ではない...と」


 なんだ、分ってるじゃないか。


「さあ、行くぞ!」


 ――グギュルギァァァァァァ!

 と、ドラゴニュートの叫び声により、戦いの火蓋が切られた。

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