↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/62

第20話 体育大会〜借り物競争

 学校祭が終わって、学校も落ち着いたかと思いきや、今週末は体育大会です。

「なあ、女鹿蘭(メガラ)。

 学校って、祭りが多くて忙しいな。」

「…。

 三年生が受験あるから、日程詰まるんじゃない?」

 最近の女鹿蘭(メガラ)はこんな感じで、空玲須(クレス)に冷たいです。

「祭りって、牛を食うもんだと思ってたけどね…。」

「…。

 プッ。それじゃバーベキューじゃん。」

「やっと、笑った。」

 空玲須(クレス)は、女鹿蘭(メガラ)が笑ったのが、何だか嬉しいと思いました。


 体育大会当日。まずは短距離走からです。

 空玲須(クレス)は、ぶっちぎりの一位。陸上部すらその記録には届きません。

「オマエがいてくれたら、三組は安泰だ!」

男子たちは肩を叩き合って泣きます。

 女子短距離走は、二組と四組が新記録。

「ふふふ…。やるわね。

 って一度言ってみたかったんだよね。」

 出井亜寧羅(デイアネイラ)が、笑いながら必歩流帝(ヒッポリュテー)に話しかけます。

「ウチ、去年は出てなかったから。」

 必歩流帝(ヒッポリュテー)が出なかった理由は秘密です。

 写真部のフラッシュが激しく光ります。


 高跳び。

 出井亜寧羅(デイアネイラ)の身体が、華麗に宙を舞います。

 幅跳び。

 必歩流帝(ヒッポリュテー)が、またも新記録更新!

 砲丸投げ。

 想定を越える距離を飛ばす空玲須(クレス)。

 

 …もはや、三人の独壇場です。

 

 男女の長距離走が終わり、記録系の競技から「みんなが楽しむ系」の競技に移りました。アナウンスが流れます。

「借り物競争にエントリーしている生徒は、スタート位置に集まってください。」

「おーい。空玲須(クレス)。」

 男子が空玲須(クレス)を呼びました。

「借り物競争に出る奴が足挫いちゃって。代わりに出てもらえる?」

 空玲須(クレス)は即答して、集合場所に向かいました。


「三組は…。」

「代理です。空玲須(クレス)です。」

 審判係にそう言って、空玲須(クレス)はスタートを待ちます。でも。

 「借り物競争」って何だ?

 競争である以上、ゴールまで走るのは間違いありません。問題は「借り物」。

 空玲須(クレス)は、先に走る組の生徒の様子を、まじまじと観察しました。

 カードを拾う、観客に見せる。カードに書かれたものをもらってゴールへ走る。

 何だ、簡単じゃん。空玲須(クレス)はそう思いました。

 いよいよ、空玲須(クレス)の組のスタートです。

「よーい、バン!」

「いっけー!

 空玲須(クレス)!」

 女鹿蘭(メガラ)も応援に熱が入ります。

 一斉にスタート!カードを拾います。

 …

 …

 空玲須(クレス)のカードに書かれていたものは。

「三首の犬」

 …いるわけない。女鹿蘭(メガラ)は思いました。


「あなた様、がんばれー!」

 観客席から声がかかりました。平米(へーべ)です。

 犬を連れています。

 三首です。

「ケルちゃん。

 あなたも応援してね!」

「ばう、ばう、ばう。」

 ケルちゃんも応援します。

 

 …周りの人の目は、点になりました。


 空玲須(クレス)はケルちゃんを借りて、一位でゴール!三つの舌でベロベロベロです。

「ケルちゃんは、あなた様を覚えているのですね。ペルセポネ様からお借りできてよかったです。」

 平米(へーべ)の言葉はわからないことが多いけれど、何となく納得した空玲須(クレス)なのでした。


 その後、ケルベロスは、平米を通じて駅土奈(エキドナ)先生に無事返されたようです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。