第13話 学校祭〜一番カワイイ或高生コンテスト③
「一番カワイイ或高生コンテスト」の質問コーナーは続いています。
「さて、気を取り直して、最後の質問です。
『恋と友情』大事なのはどっち?
…さあ、コレは一人ずつ聞いていこうかな?
まずは、必歩流帝さん!」
「…そんなの、『友情』に決まってる。
でも、メンバーの恋愛は全力で応援するぜ?」
必歩流帝は、脚を組み直しながら答えました
「歯切れの良い、素晴らしい回答ですね。
では、次。
女鹿蘭さん?」
「…そんなの、その時にならないと決められない。」
女鹿蘭が、不機嫌そうに答えます。
「ほうほう、『恋愛を取る可能性もある』という含みを持たせた意味深回答ですね。
あ…。」
司会の成木曽は、女鹿蘭にものすごい目つきで睨まれて、言葉を詰まらせました。
「で、では次。
出井亜寧羅さん。」
「わたしは、んー多分好きになったら止められないかなあ。で、周りの人に嫌われちゃうかも。」
珍しくしおらしく答える出井亜寧羅。
「『恋愛』を止められない出井亜寧羅さん…。」
司会の言葉に出井亜寧羅が割り込みました。
「まって、やっぱり嫌われるのやだから『友情』にする。」
なぜか、会場から拍手が起こります。
「拍手をいただけるのは気持ちがいいですね。え?ボクにじゃない?
…まあ、いいでしょう。
それでは次は、井尾玲さん。」
「そうですね。
今は、『友情』です。
書道部、部員募集してます〜。」
井尾玲は、笑顔で小さく手を振ります。
「サラッと宣伝を入れ込むとは、やりますね。
…え?あ、はい、ごめんなさい。」
司会の成木曽がインカム越しに怒られたようです。
「最後は、聖リディア女学院生徒会長、尾牟派麗子さんです。」
「どちらもじゃ。
『友情』も『恋愛』も全力を尽くす。
どちらも優先。そうでなくては、相手に失礼じゃろ?」
尾牟派麗子は、ふふっと口元を上げました。
…女王ならではの自信。
会場からは再び拍手が起こります。
拍手はやがて収まり、司会の声が響きます。
「えー、質問コーナーが終わったところで、みなさんお待ちかね!
『胸キュン告白タイム』のお時間がやってまいりました。
ここからは、投票が可能となります。今年も、専用アプリでの投票となりますので、お手元のスマホにインストールしておいてください。
…ボクに投票したい子は、直接会いに来てね。
え?あ、はい。すみません。」
司会は、またインカムに謝っています。
「もう、アイツ。
クビでよし。」
平来が、ギザ歯の奥でつぶやきました。
「『胸キュン告白タイム』は、仮想の彼氏の前に向かって、愛の言葉を演技してもらうコーナーです。
そう。
仮想彼氏。気になりますよね。
五人の女子からの愛の言葉を受ける、羨ましいヤツ!
さあさあ、この幕の中に名前があります。
いいですか、みなさん、せーのでとりますよ。
せーのっ!」
司会の成木曽は、掛け声に合わせて大きなパネルの布を取りました。
そこには。
「三組、空玲須」
…
「オレ?
なんで?」
ステージ上の五人は、それぞれの想いを胸に「胸キュン告白タイム」に挑みます。
それは演技なのか、それとも…。




