第12話 学校祭〜一番カワイイ或高生コンテスト②
「それでは、まずは、質問コーナー。
皆さんに、三つの質問をします。エントリーメンバーについて、理解を深めるチャンスですよ。
それでは、第一問。
『お風呂は、お湯に入る?シャワーだけ?』
ボク、成木曽は、シャワー派だな。
え?、早く進めろ?
仕方ないなあ。
まず、必歩流帝さんから…。」
司会はまず、必歩流帝にマイクを回します。
「…シャワーだけなんて、ありえねぇ。
湯に入らなきゃ、疲れ取れねえだろ!」
「あ、はい。ありがとうございます。
…それでは、次は、女鹿蘭さん?」
「…塾が遅くなったときとかは、シャワーで済ませます。
…てか、何?この質問。」
女鹿蘭は、あからさまに不機嫌な顔をします。
「えー、では、次は、出井亜寧羅さん?」
司会は女鹿蘭の反応は気にせずに続けました。
「プール入るからね。湯に浸かるよ。
身体冷えてるし。
あと、塩素臭くなるから、いろんなところゴシゴシする。」
…いろんなところ。
男子たちの妄想が広がります。
「…くっ、ボクも。
いろんなところゴシゴシするよ。
みんなのためにね。
あ、いらない情報。はい、進めます。
…次は、井尾玲さん。」
「あ、はい。
普段はお風呂に入りますよ。」
ほぉ…と客席からため息が漏れる。井尾玲は、少し不安そうな顔をした。
「え!?
…なんか、おかしいですか?」
司会が唇を噛みます。
「くっ、さっきから、ボクより人気がある子ばっかり…。
え?、はやくしろ?
はいはい、次は、尾牟派麗子さん。」
「はいはい、とは何じゃ。
無礼者め。
…まあ、よい。
わらわの家の風呂は広いからの。
マッサージまで全て、召使に任せておる。
シャワーだけでは、終わらぬな。」
観客の脳内に、尾牟派麗子宅の広大なお風呂場が広がります。
はあ…。井尾玲の時とはちょっと違うため息が広がります。
「さあ、観客の皆さんのイメージは広がりましたでしょうか?
それでは第二問!
『ファッションで気を遣ってるポイントは?』
今回は、フリップに書いてもらいます。」
担当者が、フリップとマジックを配り、五人はそれぞれ何やら書き込みます。
「はい、それでは皆さん、フリップを見せてください。
今回は、さっきと逆順で聞いていきまーすす。
では、尾牟派麗子さん。」
「身分相応のものを身につけるようにしておる。あとは、毎日巻いておるぞよ。」
フリップに「身分相応」と書いた尾牟派麗子が答えました。
観客席から見事な縦ロールツインテに拍手が上がります。
井尾玲は、「髪型」と書きました。
「…三つ編みがうまくできない日は、少しブルーになります。」
井尾玲の美しい銀のハーフアップが、一層、輝いて見えます。
「では、次、出井亜寧羅さん
!?」
司会も観客も、息を呑みます。これは…、一体、何とコメントするのか。期待と不安が交錯します。
出井亜寧羅のフリップに書かれた文字は。
「ムダ毛?」。
「んー、水泳部だから、処理しないといろいろヤバいじゃん?」
出井亜寧羅は、あっけらかんと言います。男子たちの妄想が、再びむくむくと膨らみます。
「ちょっと、早く次に進めなさいよ。
ここ、深く掘らない!」
女鹿蘭が、真っ赤になって司会に促します。
「あー!
うちは『白』。
白は心を表すからな。大事にしてる。」
必歩流帝が、横から割り込みました。本人は、出井亜寧羅を誤魔化したつもりだったのですが…。
「白、か…。」
男子たちの妄想は、さらに広がりを見せました。
「…。
もう、次行きなさい、次。」
女鹿蘭は、「スカートが好き」と、比較的まともなことを書いたフリップを司会に投げつけました。




