第11話 学校祭〜一番カワイイ或高生コンテスト①
「さあ!いよいよ始まりました、『一番カワイイ或高生コンテスト』。
司会はこのボク、みんなが見とれる放送部の花、成木曽がお送りします。
…いやあ、それにしてもですね。
今年もまたレベルの高いエントリーメンバーで、あ、ボクも相当レベル高いですが、え、関係ない、あ、失礼いたしました…。」
「あの司会
ウザ。」
空玲須の横で、平来が毒づきます。
「クソが。
はよ始めろ。」
「まあ、まあ。ああやって焦らす作戦なのかもしれないし。狩りの時みたいに。」
空玲須が平来をなだめているうちに、司会は進行し…。
「…それではエントリーナンバー二番、『二組のクイーン』必歩流帝!カモンッ!」
音楽と共に、必歩流帝の長身が壇上に上がります。モデル風のウォーキング。すごくハマって美しい。客席からも歓声が飛びます。
「必歩流帝!」
「ステキー!」
「必歩流帝って本名じゃないんだけどなあ。」
必歩流帝は、内心そう思いながら席に着きます。
「続いて、エントリーナンバー三番、『三組のマドンナ』女鹿蘭!カモンッ!」
音楽と共に、女鹿蘭が歩いてきます。見ている空玲須が心配になるくらい、心もとない足元。ハラハラします。
またも客席から応援が飛びます。
「女鹿蘭〜!」
「カワイイ〜!」
応援をもらって、女鹿蘭もちょっと乗り気になったのか、席に着く頃には足元の不安感は無くなりました。
「続いて、エントリーナンバー四番、『四組のアイドル』出井亜寧羅!カモンッ!」
音楽が鳴り始めるや否や、助走をつけて
「ていっ!」
ステージまで跳び上がる出井亜寧羅。そのまま振り向いて、観客席に手を振ります。
「出井亜寧羅〜!」
「こっち見て〜!」
太い歓声に、出井亜寧羅は答えます。
「みんな〜、ありがとう。
じゃあ、いっくよー!」
ステージの端から端まで走り、手を振りまくります。
「えー、出井亜寧羅。
ボクより目立ってはいけない…じゃなかった、アピールはまた後にしてくださいっ!」
「ご、ごめん。
みんな〜ありがとう。
また、後でね〜。」
出井亜寧羅は、観客に手を振りつつ、席に着きました。
「あー、コホン。
それでは皆さま、輝くボクに改めてご注目…あ、違う?…(チッ)
続いて、エントリーナンバー五番、『五組のプリンセス』井尾玲!カモンッ!」
音楽と共に、壇に上る井尾玲。
「きゃ…。」
ただ、普通に歩いているだけ。それだけなのに、見ている者全てが息を飲みます。歓声も、出ない。
…美しい。
壇に上った井尾玲は、少し寂しそうにニコッと笑って、観客に小さく手を振りました。
一気に爆発する拍手!
歓声も上がります。
「井尾玲〜ッ!」
「美しすぎ〜!」
井尾玲は、そのまま席に着きます。
「最後にご紹介するのは、特別出場となります『聖リディア女学院生徒会長』尾牟派麗子さん!カモンッ!」
ステージ奥の壁を越えて、四角いゴンドラが出てきました。そのゴンドラの上に立つのは。
尾牟派麗子です。金のフレームに紫の柔らかい布を設えた玉座に座り、観客席を見下ろします。レーザーが交差し、スモークがゴンドラを隠すと、尾牟派麗子の姿は見えなくなり…。
やがてスモークが晴れると、尾牟派麗子はステージに立っていました。不敵な笑顔で、観客席にマイクアピールします。
「皆、コールせよ!
わらわの名は?」
「尾牟派麗子。」
「わらわの名は!」
「尾牟派麗子!」
会場の声も揃い、ヒートアップしてきました。
「尾牟派、麗子じゃぁっ!」
「うおーッ!」
コールの声に満足気な尾牟派麗子も、席に着きました。
「さあ、今年のエントリーメンバーが揃いました。
優勝するのは果たして誰か?
『一番カワイイ或高生コンテスト』
ここに、開始です!」




