↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
80/88

第14話 冷たいコーラ


魔王城の夜。


お風呂のあとは、

冷たい飲み物を。


そして、

そろそろ寝る時間です。



Un Coca bien frais


風呂から上がると、

ミュルラスはもう服を着ていた。


ベルサイユで買った黒いTシャツ。

そして、水着にもなる黒いボクサー。


すっかり気に入ったらしい。


「あ」


ミュルラスが空間へ手を入れ、大きなバスタオルを取り出した。


「ありがとう」


ノエルが体に巻いていると、

今度はペットボトルを渡された。


「……コーラ?」


「ああ」


「君、こんなのも持ってきたの?」


「ああ」


「この前見たアニメで、

コーラとポテトとチョコを食べながら、

ゲームとネットをしてた」


「……」


「コーラも、いっぱいあるぞ」


「ありがとう。一本でいいよ」


蓋を開け、風呂上がりに一口。


「……」


ぬるい。


「どうした?」


「ねえ、このポケットの中って、冷やせない?」


「?」


「コーラ、冷たい方がおいしい」


ミュルラスの目が、少し大きくなった。


「おおおお」


「待てよ。多分、できる」


次の瞬間、大量のコーラが現れた。


「そんなに持ってきたの?」


「ああ。まだあるぞ」


ミュルラスが手をかざすと、

冷たい空気が流れ、ボトルの表面が少し曇った。


そして、全部また空間へ消えていった。


少しして、一本だけ取り出す。


「……冷たい」


「どうだ」


いつもの、得意そうな顔。


ノエルは一口飲んだ。


「……おいしい」


今度は、

ちゃんと冷えている。


「そうか」


ミュルラスも一本取り出した。


二人で、冷たいコーラを飲む。


ノエルは、もう一口。


そして、

ふあ、と、

あくびが出た。


「そろそろ、寝るか」


「うん」


ミュルラスが、空間へ手を入れた。


「ほら」


渡されたのは、ノエルのパジャマだった。


「……え?」


ノエルは、思わずミュルラスを見る。


「なんで、君が持ってるの?」


「ああ。ソファーの上に忘れてたからな」


「……そうだっけ。ありがとう」


ノエルは、

パジャマに着替え始めた。


すると、

ミュルラスがじっと見ている。


「そういえば」


「ん?」


「お前、いつも寝る時にそれに着替えているな」


「うん」


「何が違うんだ?」


「楽だよ。柔らかいし、寝やすい」


「そうなのか」


ミュルラスは、自分の黒いTシャツを見た。


「じゃあ、俺もベルサイユに戻ったら、モノプリで買おうかな」


「うん。一緒に見ようか」


「ああ」


ノエルは、ふと思った。


「ねえ、君は魔界では何着て寝てたの?」


「これだ」


ミュルラスが空間へ手を入れる。


出てきたのは、

黒く光る、豪華な寝間着だった。


幾重にも重なった襞(ひだ)。

細かな銀の刺繍。

袖も、裾も、やたらに長い。


「……え?」


ノエルは、目を丸くした。


「なんか、ゴシックファッションみたい」


「なんだ、それ?」


「こういう感じの服のことだよ。

パジャマなのに、おしゃれだね」


「お前も着てみるか?」


「え、いいの?」


差し出された寝間着を、

ノエルが片手で受け取る。


「……っ!」


重い。


思わず、両手で抱えた。


「これ、何でできてるの?」


「魔界蛇の抜け殻だ」


「……蛇?」


「ああ。丈夫だぞ」


「……そっか」


ノエルは、もう一度寝間着を見る。


「いや、いいや。僕はこっちで」


自分のパジャマを指す。


「.....だな」


ミュルラスは、あっさり寝間着を空間へしまった。


「じゃあ、上へ行くぞ」


「上?」


「寝室だ」


「……あ、そうだった」


「ああ。一番上だ」


à suivre…



冷たいコーラと、

重すぎるパジャマ。


二千年生きた魔王は、

どうやらモノプリで、

また買いたいものができたようです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。