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第5話 夢


今日は、

ノエルが夢をみます。


Rêve


さら。

葉が揺れた。


ノエルは鉛筆を止める。


風はない。

それでも、

木の葉が静かに触れ合っていた。


さら。

さら。


ぽたっ。


どこかで雫が落ちる。


ちゅん。

ちちちちち。


遠くで鳥が鳴いた。


今日は、

森がいつもより近くにいる気がした。


ノエルは、もう一度、絵本に目を落とす。

今日のページは、今までよりも細かかった。


雫のような形。

そのまわりには、ゆらゆらと揺れる線が描かれている。


何度も見つめる。

鉛筆を握る。


しゃく。

しゃく。


紙の上を滑る音だけが、洞の中に響いた。


その音を聞いているうちに、少しだけ眠くなった。



その日の夜。

寝る前に、今日のノートを開いた。


どこかで見たことがある。

これは、なんの絵だろう。


ノートを閉じる。


ふわりと、森の匂いがした。


「おやすみ。僕の友達たち。」


そう言って、目を閉じた。



森を歩いていた。


いつもの裏山。

昼よりも涼しい風が吹いている。


どこからか、小さな囁き声が聞こえた。

誰だろう。


秘密基地へ向かう。

そう思ったのに、気がつくと知らない道を歩いていた。


木々の間を抜けると、小さな泉が湧いていた。

透き通る水。


そっと指先をつける。

冷たい。


手ですくい、口へ運ぶ。

甘かった。


囁き声は、泉の底から聞こえてくるようだった。


ノエルは、そっと水面を覗き込む。

何かが動いた。


遠くで、誰かが話している。


聞こえそうで、

聞こえない。


ノエルは、

もう一度、耳を澄ませた。


つづく



おやすみなさい。

夢の中で。

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