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Épilogue 懐かしい香り


Season I、最終話です。

ノエルは、ベルサイユへ。


Un parfum familier


ベルサイユの秋は、

まだ夏の名残を残していた。


母のアトリエを、そのまま下宿にした。


少しずつ机を片付け、

運んできた荷物をほどいていく。


気がつくと、

窓の外は夕暮れから夜へ変わっていた。


ノエルは窓を開け放つ。


夜風が、

部屋いっぱいに流れ込む。


見上げると、

澄んだ夜空に星が瞬いていた。


その時だった。


ふわりと、

黒い影が窓の前を横切る。


え……


そして、

風に乗って、

懐かしい香りが鼻先をかすめた。


あの香り……


古木。


絵本。


森。


「あの.....!」


思わず声をかける。


静かな夜。


返事はない。


窓の外には、

誰もいなかった。


「……気のせい、かな。」


ノエルはもう一度、

星空を見上げた。


夜風の中に、


あの香りだけが残っていた。



Season II へ続く



Season Iを、

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


ノエルは十六歳になり、

京都の森を離れました。


ベルサイユでの新しい暮らし。

そして、窓辺に残った懐かしい香り。


Season IIは、もうすぐ始まります。


それまで、

ノエルと一緒に、

よかったら少しだけ、星を眺めてみませんか。


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