激突!
私は羽を作り上空に飛び上がる。辺りには闇で作りあげた剣が飛んでいる。
魔法を発動! 魔法を放つのに暫し時間を要するので、その間は時間を稼ぐに限る!
私は頭上に手を掲げ、黒くドス黒い球体を生み出す。終わる大地だ。これは幾らベロニカと言えども避けられないだろう。多少のダメージは覚悟してくれ!
流石に撃たれたらマズイと思ったのか宙に浮く6本の剣が飛んで来た。それを防御魔法と闇の剣で弾く。
「……同時に2つの魔法が使えるとは」
今、私は防御魔法と終わる大地の魔法を同時に使った。
同時に複数の魔法を発動できるのは我が一族の特徴だ。まぁ、出来る人と出来ない人が居るけど。兄様は出来ないよ! アキラは出来るらしい。後、お母様も出来る
こういう時だけ、この一族で良かったと思うよ!
「行くよ! 【終わる大地】!!」
手加減無しだ!
地面が揺れ、土煙が舞い、轟音が辺りを支配する。揺れが収まりかけた頃、剣が勢い良く飛んで来た。張っていた防御魔法が一瞬で溶けた。
「ファッ⁉︎」
慌てて回避したお陰で脇腹を掠った程度で済んだ。その剣は天井に轟音と共に突き刺さった。
私は土煙が収まりかけ、地上にいるベロニカを確認した。ベロニカは投擲後のポーズを取っていた事から、剣を投擲して来たのだろう。通りで今までと違う威力の攻撃だった訳だ。
地面は抉れ、瓦礫の山と化していた。もう闘技場として使えないレベルにまで壊れた会場。ちょっとやり過ぎた気もする。
しかし、そこに佇むベロニカは若干の傷は負っているもののダメージはそこまでなさそうだ。
「マジかよ」
もうちょっとダメージあるものだと思っていた。私の願望では今ので終わって欲しかった。願望は願望で終わり、彼はピンピンしている。彼の魔法系統無効化は上級以上の魔法は確かに効く。効くのだが、しかしダメージカットが付くみたいだ。まともに当たってもダメージはカットされてしまうそうだ。
「そんなん有り?」
ダメージカットとか知らないし、聞いてないし! そんなの出して来ないでよ!
やはり王様の笑いは正しかったわ。あんなに笑われた時は『そんな笑う?』って思ったが、アレは笑うよね。マジで魔法が殆ど効いてないもん。上級魔法を撃てば何とかなると思って居た私を嘲笑っていたんだね。
「仕方ない!」
私は次の一手を加える為、魔力を両手に溜め込む。私のオリジナル魔法を魔法をお見舞いしてやろう!
両手に溜めた魔力を放出し、雷系魔法と闇系魔法の複合魔法【邪悪な雷】を撃つ。複合魔法は同時に2つ魔法を発動しなければ使えない魔法だ。邪龍相手にも使った魔法だ。多少は効くだろう。
天井から真っ黒な雷がベロニカ目掛けて降り注いだ!
辺りに轟音が轟く。しかし、寸前で避けられた為、ベロニカにダメージはない。あの魔法って避けられるんだ⁉︎ 初めて知ったよ
「2つの魔法を混ぜて使うとは……あの魔法が苦手なリンドヴァルの弟子とは思えんな」
言われてますよ師匠。
「しかし……」
ベロニカは周りを見渡しながら言う。
「暴れ過ぎだなぁ」
「性分でして」
このままでは勝てない。いや、勝つ事が目的では無いが時間稼ぎにもならないかもしれない。やはり奥の手を出そうか。
私は地面に着地して羽を仕舞う。そして私は闇を生み出しす。ドス黒いオーラが辺りを広がる
「これは……宝玉では無いな」
「どうでしょうね」
闇は私を覆い、辺りに大きく広がる。その闇から現れたのは、巨大で恐ろしい怪物だ。顔の真ん中に大きな目が1つと、大きな口、鋭利な手、太く筋肉質な足、色は黒い、そんな怪物だった。
これが私の奥の手である。
邪龍を倒した際、邪龍の核にあたる部分を私は奪い取っていた。その核に倒して集めたモンスターの一部をなんとなく引っ付けていたら、怪物が出来あがった。
この怪物は私が作り上げたモノなので、自身で考えて動く手段を持たない。なので自動では動いてくれない。私が操らねばならないのだ。
内部に入りロボットみたいに操縦しても良かったが、もし攻撃を受けた時に、当たり所が悪く内部に居る私に当たったら最悪なので、コントローラで操縦するタイプにしてみた。要はラジコンだ。
怪物を出現させると同時に私は闇の中に隠れて安全圏から操縦するつもりだ。これぞまさに芋プレイ!
「面妖な姿になったものだな……」
あ、これは私が怪物になったと思っているな。違うよ! 私は闇に隠れただけだ。しかし、この展開面白いので、このまま怪物になったと思いこんでおいてもらおう。
『楽しませて下さいね』
いつぞやに買ったエコー音を付けられるマイクを使い、ちょっと声に細工してみた。それを怪物から聞こえる様に調整して、私が怪物の中に居る様に思わせる。完璧じゃないか!
私はゲームで鍛え上げたコントローラ捌きを披露する。なかなかいい動きをしてくれる怪物。ベロニカに引けを取っていない。
ザシュッという音を立てて怪物の腕が斬られたが直ぐに引っ付く。なんか、そんなモンスターも入れてたら自然に治癒する様になったのだ。色々混ぜ過ぎてどういう機能が備わっているのか私にも分からない。そのうち説明書でも作ろうかな。




