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てへぺろ!

 

 ギースも揃ったのだが、狭い通路では戦えないと言う事で広い場所まで走る。

 先程、ベロニカが登場した広場まで戻って来た。結局、一周しちゃった

 私達の後を当然だが、ベロニカも久遠も追って来た。2人を確認したギースとハイドは剣を構えて臨戦態勢に入る。向こうもコチラの動きを確認したのか構えた。


「兄上!」


 これで五分五分、勝てるかもしれない! と思った所で純菜が遅れて向こうに合流した。


「手を貸します」

「え⁉︎」


 そしてまさかのアキラも合流して来た。アキラは縛って動けない様にした後、兄が見張っていた筈なのだが……。兄様め、しくじったな! 役立たず!

 人数的に向こうが有利になった。しかも向こうは六花2名に花弦No.2と純菜。純菜も花弦だがNo.は忘れてしまった。下位だった気もする。さて、そんな面々に勝てるか? 私の活躍によって変わって来るよな。


「あ、やっと見つけだぞ!」

「あ、兄様」


 兄も合流。なんだか、わちゃわちゃして来た。


「後は師匠だけ」


 それ以外は全員此処に集まった。後は迷子の師匠だけだが……。


「リンドヴァルは諦めろ」

「そうだの」


 ハイドとギースは師匠の増援を期待していないらしい。まぁ、師匠の方向音痴は今に始まった訳ではないし、ここでは期待しない方がいいだろう。


「では!」


 私が余所見をしていると、いつの間にか戦いが始まっていた。私は慌てて参戦する。私の相手は純菜とアキラである。兄様も私の側で2人を相手取るので2vs2の勝負であるが、兄が使い物にならないので実質は1vs2である

 銃で純菜を牽制しつつ、アキラと対峙する。アキラは先程同様に殊技を使い私を追い詰めて来る。つらぁ!


 私に剣を振り下ろしたアキラの剣を受け止めて押し合いをする。すると驚くべき事に気が付いた。それは……


「左手に白の紋様?」


 左手に白の宝具の紋様が薄っすらと出ていた。最後の白発見だ!

 黒い方は男性しか持てず、白は女性しか持てない。だが、私は闇を操る殊技のお陰で、なんの影響もなく黒い宝玉を持って居られる。それと同様に、光を操る殊技を持つアキラは何の影響もなく光の宝具を持って居られるのだろう。

 成程なー


「アキラが白を持ってる!」


 これにより何が何でもアキラを捕らえねばならなくなった。私は溜息を吐き、どう捕らえようか悩む。


 この2人を相手しつつ、他の2人の様子をチラチラ見ていると、久遠が懐から何かを取り出し床に投げたのを確認できた。床にぶつかった何かは弾け、煙が出始める。まさか、煙幕か?

 それを投げると同時に久遠が部屋から退散する


「違う!」

「煙を吸うな!」


 ハイドとギースの声が聞こえて来た。辺りは煙に包まれ誰が何処に居るか分からない状態になっている。

 しかし、前方で複数名の倒れる音がした。そこで気付く。これは何かしらの効果が有る煙幕だと判断し、煙を吸わぬ様に口を押さえて扉を目指したが……出口が見つからない!! 何処だよ出口! 段々と眠くなって来た。この煙幕は睡眠効果が有るらしい。


「佳月! このまま、ココに留める!」

「は⁉︎ アキラ⁉︎」


 アキラが斬りかかって来た。今、この状況で⁉︎ てか何で起きてるの⁉︎ 寝といてよ。


「忘れたのかい? 僕らの一族は薬剤の効果を遅れさせられるんだよ」

「そうだったわ!」


 だからアキラは動けて居るのか! 後、私も! じゃあ、兄様は? あの人も動けるよね! 加勢しろよ!


「クソ!」


 流石に眠い。幾ら体質で遅らせても、眠いものは眠い。頭が回らない。刀を持つ手にも上手く力が入らない。私はできるだけアキラから距離を取り、眠気をどうにかしようと格闘する。


『諦めては駄目よ! 親戚に土下座で謝ってもらうまでは頑張らないと!』

『もう、いいだろう? 頑張ったじゃないか……。もう、辛くて立つ事さえ叶わないじゃないか。だから、もうココまでで良いんだよ』


 私の脳内で、またデフォルメされた兄様姿の天使と悪魔が囁いてくる。眠すぎて意識が若干寝てるのかも。これ夢かもしれない


『良いの? ここで大人しくしてたって良い事なんて何もない! 忘れたの? 仲間は皆んな冷たい人達よ? 誰も助けてなんてくれない! ここは自分で何とかしなくちゃ!』

『いや、いや。大丈夫だよ。もう、何もかも忘れて楽になろうぜ』


 相変わらず裏声の兄様は気持ちが悪いな……。だが、そうだ。ここで立ち止まれないのだ! 

 眠気を取る方法は何だったか……あ、あの休眠状況に時に口の中を噛んで目が覚めたな。痛みを伴えば起きられるかもしれない!


「こんちくしょう!」


 私は自身の太ももにある久遠の噛み傷を思いきり刀の柄で殴った。治りかけていたのに、また血が出てきた要な感じがする。クソが! 久遠め! 鈍い痛みが私を襲い、意識が戻って来た。

 そして扉まで全速力で走ったが……。


「あべしっ⁉︎」


 なんと扉ではなかった。よくよく考えれば、この煙幕の中、記憶を頼りに出口を探すのは困難である。その辺に扉が有ると決めつけて勢い良く壁にぶつかってしまった。痛い……。鼻打った……

 仕方がないので、殊技を使い壁から脱出。外の通路に出た。


「ゲホッ、皆んな大丈夫かな?」


 あの時、久遠は自身の仲間も見捨てるつもりで煙幕を使ったのだろう。1人だけ退散したのは、後で回収する為か……。もしかするとベロニカ辺りは効かない薬だったのかもしれないが、他の面々は無理だと思われるので、やはり初めから見捨てる気だったのだろう。冷たい奴だ


 私は取り敢えず、物陰に隠れてエナジードリンクを飲んだ。ほら、眠気を取るのにエナドリは最高だから! 講義のお供に最適だから!

 そして廊下を歩き、身を隠せそうな場所を探す。この後、久遠は広場に戻り意識がなくなった面々の回収に向かうだろう。その時を狙おう。

 私は辺りを警戒しながら安全そうな場所を探す。歩きまわっていると、イネスの亡骸を発見! 本当に亡くなっているかの確認をする為、首に手を当てて脈の確認をする。


「死んでる」


 まぁ、色んな人の恨みを買って居た様だし、自業自得と言えばそうなんだけど……。

 私は溜息を吐き、ポッケからハンカチーフを取り出して顔に掛けてやる。


「どうか安らかにな」


 一応はアキラがお世話になった訳だしな……。


「随分、優しいじゃないか」

「あ、」


 私は警戒を怠って居なかった。なのに気が付いたら私の背後に久遠が立って居り、後頭部に銃を突き付けられた。これが隠密ならベロニカさへ倒せると言われた男の、本気の隠密ですか……全く気が付かなかった。

 私は大人しく手を上に上げて降参のポーズを取る。


「いつから居たの?」


 何処から見てたんだろうな


「お前が物陰に隠れてドリンクを飲む時から」

「割と前⁉︎」


 そんな前から見られてたのか! 全然気付かなかった。流石である


「大人しくしてろ」


 捕まりました☆ てへぺろ!

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