表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/125

裏切り

 

「はぁ……はぁ……」


 無事に脱出成功だ。私は長距離の影移動を行った所為で魔力が空になり一歩も動けない状態になったが、2人とも無事に脱出出来たので良しとしよう。


「しぬぅ……」

「喋る元気があるなら大丈夫だろう」


 こちらには目もくれず辺りを見回して場所を確認しているハイド。相変わらず冷たい奴である。誰のお陰で逃げられたと思っているんだ。

 私は心の中で悪態をつきながら地面に寝そべり空を見上げる。空には都会では見られない綺麗な星々が宝石の様に散りばめられており、とても綺麗だった。月は既に真上辺りに来ており、いつの間にか夜も遅い時間になっている様だ。決まりで夕方までにキャンピンに戻る様に言われていたので、破ってしまった事になる。コルネリア様達は許して下さるだろうか? 師匠の圧力は勘弁願いたいのだが……


「所で私、途中からアスター放置しちゃったんだけど、ちゃんと純菜と帰れたのかな?」

「知らん」


 疑問を口にしたが帰って来たのは冷たい一言。自分の弟の事なのに無関心かよ。


「そろそろ行くぞ」

「あ、待ってよ! 私、魔力がすっからかんで動くに動けないんだよ!」

「チィッ!」


 心底面倒だと言わんばかりの顔をされた。コイツェ……。誰のお陰で逃げ切れたのか分かっているのだろうか? 私のお陰だぞ!

 ハイドがイライラしているので仕方なしに無理矢理立ち上がりハイドの後ろに続いた。足がプルプルと震えており生まれたての子鹿のようになっているが気にしないでもらいたい。


「もしモンスターとか出てきたらハイド宜しく」


 ハイドの背中に話しかけたが無視された。自分で何とかしろっという事らしい。だから私、魔力空なんだって!


「遅い」

「だから魔力無いんだって! あと、疲れてるの!」


 魔力が無くて、更に疲れてるから動きに支障が出てるんだよ。


「はぁ……仕方ない。多少、やる。口を貸せ」

「は? もが⁉︎」


 私の唇にハイドの唇を押し当てて来た。わー、またキスしちゃったー。重ねた唇から魔力が流れて来る。成程、マウス・トゥー・マウスで魔力を送ってくれているのか。

 暫くすると唇が離れた。少しだけ魔力を貰えたので多少は魔法が使えるが、影移動の様な魔力消費が激しいモノは行えない。それに疲れはまだ有るから動きは鈍いままだ。


「行くぞ」

「待ってよ! まだ疲れてるんだよ」


 ハイドは待ってくれなかった。酷い……


 ◆



 夜の森は不気味だった。至る所で獣の呻き声が聞こえて来るし、謎の鳥は鳴いてるし、小人みたいな気持ち悪い妖精は後ろを付いて来るし……何故、夕方までに戻る様に言われたのか良く分かった。

 ひたすら歩き続けると見慣れたキャンピングカーを発見。キャンピンだ! 無事に帰って来れたらしい。ようやく休める……っと淡い期待を抱いていた私だが、次の瞬間にその期待は泡と消えた。なんとキャンピンは私達を置いて発信してしまったのだ。それを草陰から呆然と見つめる私。ハイドは別の場所に視線を寄越している。


「賢明な判断だなギース」


 ハイドはそう言うと両手を上に上げて降参のポーズを取った。え? 何事?


「漸くお戻りかハイド」

「え? 双子?」


 謎の行動をし始めたハイドを眺めていると奥から声が聞こえて来た。そちらを振り返ると、いつぞやの双子の1人ラミルがコルネリア様の首に剣を当てて人質にしながら歩み寄って来る所だった。その横にはNo.9の力自慢で兄様の上司(仮)の花弦の男が師匠を捕らえて立っている。カミルはそんな師匠の側に立っていた。


「師匠⁉︎ なんで捕まったし!」


 師匠は捕まっていた。師匠が居ながら何故捕まったのか? 答えは簡単。師匠の背後にいる純菜が敵に捕まりもせずに普通に居る事から純菜が裏切ったのが分かる。純菜はバツの悪そうな顔をしているが何も話さない。


「……そうか。お前、裏切ったな」

「……。すまないとは思っている。しかし! やはり私はソフィア様の為に!」

「純菜……」


 ソフィア様の為にか……。ならば怒れない。ソフィア様を助けられなかったのは私にも責任があるからだ。


「コチラに部がある。コルネリア様の首、落とされたくなければ大人しくしろ」


 ラミルはコルネリア様の首に剣を押し当てて、私達を脅して来た。思い切り悪役のセリフである


「どうするハイド」

「どうするもこうするも従うほかあるまい」

「ですよねー」


 私は為す術も無くカミルに捕まる。だって動いたらコルネリア様が危ないし……。殊技使って助け様にも殊技殺し使える奴いるし。てか魔力少ないし


「あの……。お手柔らかにお願いしますね」

「知らん」

「イタ! 痛い、痛い! 掴み方、雑い! 女の子は優しく、真綿に包む様に触れろって習わなかっ……もが⁉︎」


 騒いでいると口を何かで覆われた。これで何も話せない。


「1番厄介な能力を持つ女は俺が持つ。後はお前が連れて行け」


 カミルが私を、他の面々はラミルとその配下が連れて行くらしい。完璧に私の殊技を封じに来たな


「さて、行こうか」


 船に乗せられて、連行された。さて、何処に連れて行かれるのでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ