表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/125

2nd Kiss

 

 私は今日、始めて師匠以外の人と見張りをする。部屋に戻る師匠が若干心配そうにしていたが無視した。私、そんなに信用ないかな?

 リビングで純菜と初の見張り。ちょっと楽しみだったりする。私も一応女子なわけで女の子トークとかしたかったのだが、生憎このキャンピンでトーク出来る人は純菜しかいない。なのに私は基本師匠と一緒だし、コルネリア様のお世話もあったし、ハイドと喧嘩という名の殺し合いとかしてたし、純菜はアスターと共にあったので、すれ違いが多くあまり話せていなかったのだ。

 ちょっとパジャマパーティーみたいでワクワクする


「……」


 しかし何を話せば良いのか……。改めて話すとなると話題に困る。女子らしく恋愛とか? このキャンピンの中で誰が1番良いとかか?

 いや、聞いても答えに困る。このキャンピン内に良い人は居ない。顔が良いが性格が酷い人が約2名とお爺さんが2名と乙女な男子が1名。何これ、酷い。改めて見てみると酷い……個性的なメンバーだなぁ。

 では、何を話せば良いのか? この際、お互いの兄の話とかする? いや、兄の話って女子トーク関係ないし……


 悶々と考えていると横から寝息が聞こえて来た。


「えっ⁉︎」


 私が考えている間に純菜は寝てしまったらしい。そんなぁ……。せっかくお話しようと思ってたのに。

 私も不貞腐れながら寝る体制に入った。今まであまり話せなかった分、話したかったのになぁー



 ◆



 今日も白い宝具を捜索しに行く。チームは昨日と同じだ


「アスター……」


 開始からまだ数十分しか経っていないにもかかわらず、休憩を要求するアスター。これでは全然進めないじゃないか


「ゼェ……インドア派の体力を……舐めるな!」

「威張るなよ」


 その後もちょくちょくと休憩を挟みつつ先に進む。

 暫く歩くとお昼になったので持って来たお弁当を食べる。その間に世間話をした


「見張りのとき、純菜と女子トークしようと思ってたのに純菜、先に寝ちゃったんだよねー」

「いや、見張りなんだから女子トークするなよ。仕事しろよ」

「良いじゃん! ちゃんと仕事はしてたし! 大人のお姉さんって感じだから、色々と聞きたいのにー」

「まぁ、お前に比べたらな」


 イラッとした。


「……純菜とメガ萌って良く一緒にいるよね。何か恋愛的な芽生えとか無いの?」

「そりゃな。同じ主人に仕えて居た訳だしな。それに、お互いあの濃すぎるメンバーに混ざるのが難しくてね。自然に一緒に居るって訳。お前の思っている様な事は無いよ」

「ちぇー。濃すぎるか……まぁ、確かにね。師匠とかハイドとかギースは濃いよね」

「言っておくけど、お前もだからな」

「え⁉︎」


 そんな感じでお話をしていると、フッと思い出した。純菜は最近、何か思い詰めているのだった。それを相談してみよう!


「純菜さ、最近、何か思い詰めてるけど……何か有ったのかな? アスターは聞いてる?」


 私の問いにアスターは横に首を振る。何も聞いてないらしい。他の人は兎も角、仲の良いアスターにも話さないなんて、どうしたのだろうか? 他の人はコルネリア様を除き、他人の悩みとかどうでも良いタイプなので打ち明けるだけ無駄である。あ、でも師匠は聞いてくれたり聞き流してたりする。私がマジで悩んで居たら聞いてくれるが、どうでも良い感じの時は聞き流される。ハイドへの不満を師匠にピーピー言って居た時は、物凄い聞き流された。


「まぁ、大丈夫だって! アイツは、それなりに強いし。自分で何とかできるよ」

「だと良いけど……」

「それより、僕はお前とリンドヴァルが気になるけど。実際どうなんだ?」

「どうって?」

「恋愛関係なのか?」

「えー、私と師匠が? 普通に師弟だよ。それ以上でもそれ以外でもない」


 無いわー。師匠と私が、そんな関係の訳がない。私にも言える事だが男女が共に居ると、何でもかんでも恋愛に結びつけたがるよね。


「そうか? リンドヴァル、お前にだけは甘いから怪しいと思ってたのに」

「ないない」

「まぁ、お前、お子様だから手は出さないかもな」

「おい」


 何故かアスターと恋バナしている。まぁ、恋バナに飢えて居るのでアスターで我慢しよう。


「そこまでお子様じゃないし」

「いやいや、お子様だって。だから、あの兄さんだって手を出してないし」

「うわぁ」


 ゾッとした。お子様で良かったわ。それもこれもジャージのお陰かな? ジャージを着てたからお子様に見えたのかもな!


「でも、もう少し大人になったら手を出すって言ってた」

「一生ジャージ着てよーっと!」


 ジャージ以外、着ないでおこう! 自分の為に!


「でも、流石に冗談でしょ。幾らハイドでも仲間内には手は出さないでしょ!」

「……そうでもないよ」

「え?」

「リンドヴァルもね」

「え?」

「純菜、脅されてないといいなぁ」

「え? 誰が? 師匠が? ハイドは兎も角、師匠が脅したり……するな。あの人はするわ」


 こんな感じで暫くアスターと恋バナに勤しんだ。途中からお互いハイドの愚痴になってたけど。


「ハイドの攻撃、マジで痛い。手加減てモノを知らないよね、アイツ」

「兄さんのアレは、兄さんなりの手解きだよ。リンドヴァルが魔法を使った戦い方を教えられないから、代わりに兄さんが教えてるんだよ」


 衝撃の事実を知った。ハイドとの度々の戦闘は私の訓練だったみたいだ。通りで師匠が何も言わず、側で見ているだけだと思った!


「え゛⁉︎ あれって教えられてたの⁉︎ ただボロボロにされてるだけだと思ってた」

「うん。でも8割くらい遊んでる」

「だと思ったよ!!」


 ハイドめ!!


 ◆


 長く休み過ぎたので、そろそろ出発せねば! 私達は荷物を纏めて、歩き始める


「……おう?」


 草むらがガザガザと音を立て始めた。何か来た!


「あ、純菜と……ハイド」

「そんな嫌そうな顔するなよ」


 茂みから純菜とハイドが姿を現した。ハイドを確認した私の顔が嫌そうに歪んだのを目撃したアスターに注意された。だって仕方ないじゃないか!


 ある日、森の中、野生のハイドに出会った。どうしますか?


 ① 死んだふりで通す

 ② 切り掛かる

 ③ 全力で逃げる


 どれにしよう? やっぱり斬りかかるか? でも、今は昼間だから向こうの方が有利だしなぁ……


「見つかったか?」

「いや、まだ。そっちは」


 私がハイド相手にどうするか悩んでいる間に純菜とアスターは情報共有していた。私も悩んだ末、選択肢にない④ 無視するを選び、ハイドを居ない者と考えて純菜達の会話に混じった。


「地上探しても見つからないって事は水の中とかにあるんじゃない?」


 私は側にある川の側に行き、水面を指差して言う。


「ほら、川有るし手始めに潜って探して来たら……」


 来たら良いんじゃない? っと言い掛けた所で背中に衝撃が来た。そして次に浮遊感が来る。驚いて振り返ると足を上げたハイドと驚愕の表情を浮かべるアスターと純菜が見えた。

 そして、ドボーンっという音と共に私の体は水面に叩きつけられ川に沈んだ。

 信じられない! ハイドが背中を蹴りつけ私を川に叩き落としたのだ。あの足が上がっていたのが証拠だろう。全く何て奴だ!


「ぷはっ! てめぇ、このヤロウ!」


 水面に浮上して直ぐにハイドに抗議。だが、ハイドは素知らぬ顔で私に背を向け何処かに行こうとする。させるか!

 私は水面に映る影を鞭状にしハイドの足に巻きつける。そしてそれを思い切り引いた


「なっ⁉︎」


 流石に驚いた声を上げたハイド。すかさず逃れようとしたがもう遅く、ハイドの体を川に引きずり込んでやった。


「ザマァみろ!」

「……」


 無言で濡れた髪を搔き上げるハイド。イケメンがすると様になっていて腹が立つが今は許してやろう。今、私の気分は良いからな! めっちゃ睨んで来るが気にしない。私はドヤ顔しながらハイドを眺める。


「ドヤァ!」


 ドヤ顔だけでは満足出来なかったのか言葉も出たが気にしないでほしい。


「はぁ……」


 そんな私に溜息を吐いたハイドは私を置いて岸に上がろうと私に背を向け岸に手を付いた。次の瞬間! ハイドの姿が無くなった! 何が有った⁉︎

 何者かによって水中に引きずり込まれたのだと遅れて気付いた。次に私も足に何かが絡まり水中に引きずり込まれた。どんどん遠ざかる水面に肺呼吸を諦め、水系魔法(マイム)を使い血中の酸素を循環させる方法に変えた。これは水中戦間違いなしだな。


 凄いスピードで引っ張られる。まるでアトラクションみたいで面白いな。暫くすると漸く止まった。なので引っ張ってくれた本人を見る為、視線を前に移すと、そこには巨大な蜘蛛がいた。私の足に絡みついているのは蜘蛛の糸らしい。

 蜘蛛って水中で生活出来たのか⁉︎ 場違いだが変な疑問が生まれてきた。その蜘蛛は大口開けて私達を喰らおうとしているが、これ以上糸を引く様子はない。恐らくだが獲物が溺死するのを待っているのではないだろうか? でなければ直ぐにでも喰いに来そうなのだが……


 溺死で思い出したがハイドは大丈夫だろうか? アイツ水中で息できるのか? 辺りを見回すとピクリとも動かないハイドを発見! え? もしかして死んでる? それはマズイ。いくらなんでもマズイ。今、黒を保有出来る者を亡くすわけにはいかない。

 私は慌ててハイドの側に寄る。するとハイドは私に視線を寄越した。珍しく辛そうな表情をしているので息は出来ず苦しんでいるようだ。仕方ない。

 私は魔法を使い辺りに酸素泡を発生させる。それを口に含んでハイドに唇を押し付けてやった。要は口移しで酸素をやったのだ。

 本当は嫌だが、ここで死なれるのはマズイので仕方なしだ。



 それにしてもセカンドキッスがハイドとはつくづく付いてないな私。

映画を見てたら書きたくなったネタです。水中でキスって良くないですか?あれ? 私だけか。


相手は適当にクジで決めたらハイドになりました(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ