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無人島へ

 

 勝手に持ち場を離れた事を師匠とハイドにコッテリ絞られた後、私達は汽車でコルネリア様達の待っている所まで戻る。戻り際に騒ぎになっていた街の様子を伺ってみたが、皆怒りが鎮静化し騒ぎは収まっていた。

 汽車では汽車ジャックに巻き込まれるという多少のゴタゴタが有ったものの、特に問題も無く移動出来た。

 帰って来ると、先程は居なかった純菜も交えてバーベキューをして居た。呑気だなぁ


「御苦労だった。で、どうだった?」


 コルネリア様への報告は師匠が行なってくれたので、私はバーベキューに混ざる事に。


「お肉、お肉!」


 焼けたお肉を頬張りながら、元気の無い純菜を見やる。何か有ったのだろうか? ハグでもする?


「純菜? どうした? お腹痛い?」

「お腹は痛く無いし、どうもしていないよ」


 それだけ言うと純菜はキャンピンの中に帰ってしまった。


「メガ萌……。なんか気に触る事言った? 特にギースらへんが」


 あれだけ思い詰める純菜の姿には見覚えが有る。それは、師匠とハイドにボロカスに詰られた時、あんな感じだった


「特に何も無かったぞ? いつの間にか純菜は居なくなってて、いつの間にか戻って来てた」

「ふーん」


 なんか引っかかるが、特に気にする事でも無いだろうと思い、食事を再開する



 ◆



 所変わって無人島


 この無人島に白い宝具が眠っているらしく捜索に来たのだ。ここには何年も前から白い宝具が眠っているのが分かっていたので、色々な国の偉い方が捜索をしに来て居たらしいが、未だに白い宝具は見つからないらしい。

 何度も捜索されているのにも関わらず、未だ見つかっていないという事は相当難しい場所に隠されているのだろうか?


 2人1組になり無人島内を散策する事になった。チーム分けははクジ引きで決まった。私の相方はメガ萌ことアスターである。キャンピン内にはクレマチスのジィジと師匠という異色の2人が残り、後は探索しに行く。師匠が残るのは迷子になると面倒なので、お留守番させられたからだ。

 ギースはコルネリア様とペアで、純菜はハイドとペアらしい。綺麗に非戦闘要員と戦闘要員が分かれた。


「んじゃ、眼鏡! 行くぞ!」


 制限時間は夕方まで。それ以上は危険な為、探索しないでキャンピン帰って来ること。

 私はアスターを連れて木々の生い茂る森の中に足を踏み入れた。


「なんだか冒険心擽れらるね!」


 大自然にテンションが上がりご機嫌な私とは違い、アスターは既にぐったりとしている。彼は体力が皆無なので少し歩いただけで疲れて息が上がるのだ。

 なので話かけても何も返ってこない事が多い。仕方ないので私は独り言を大声で言う。


「ヤッホー!!」


 山に登ったので山びこで遊んでみた。返ってくる声にテンションはうなぎ上りに上がった。探検楽しい!


「元気だなぁ」


 その辺にあった長い木の棒を杖代わりに、何とか付いて来るアスター。おじいちゃんみたいだよ?


「体力ないなー。モヤシか!」

「モヤシで悪かったね」


 プルプルと足が震えているアスター。まるで足が棒の様だ。仕方ないので休憩にする事に。川に違い場所で休憩を取る事に。アスターを木の幹に腰をかけさせて休ませる。


「ほれ、水」

「ありがとう。ぬるいっ⁉︎」


 私は影から水の入ったペットボトルを取り出してアスターに与えたが、アスターはぬるいと文句を言って来た。そりゃそうだ。私の影の中が冷蔵庫の様に冷んやりしている筈がないだろう。何を期待してるんだ。そんなにハイテクじゃないよ。

 アスターは疲れている様なので話しかけるのはよくないと思い気を使って私は黙った。向こうもそれを分かっているのか黙り、目を閉じて休憩している。

 辺りには川のせせらぎの音だけが残っている。


 お互い無言で暇なので私は釣竿を取り出す。それを川に向かって投げてみる。餌はその辺にいた虫を付けた。

 何か掛かれば良いなぁ何て淡い期待を抱きながら竿を垂らしていると……


「おぉ⁉︎」


 竿が引いた! 私は立ち上がり糸を引き、水面に浮かび上がった獲物を確認したが……


「……うん? 何だアレ」


 針には黒い物体が付いていた。見た感じ黒い髪の塊の様に見える。それは私が手元に糸を手繰り寄せなくても徐々にコチラに近づいて来ている。割とホラーだ

 私は糸を切って逃がそうと試みたが、黒い毛玉は構う事無くコチラに近づいてくる。

 私の直ぐ側まで来たので好奇心に負け、黒い塊を (殊技で)突いてみたら……


『ギィシャァアア!!』


 顔を上げて吠えられた。そして長い髪を振り乱し、勢い良く岸に上がって来た謎の生き物。正直、かなり気持ち悪いし、怖い。本当にホラーだ。思わず後退りる私。


「うわぁあああっ⁉︎」


 一部始終を見ていたアスターが情けない悲鳴をあげる。そのお陰で冷静さを取り戻せた私はアスターを守る為に構えた。そんな私に黒い髪の塊は飛び掛かって来た。

 それに蹴りを入れてその辺りに転がす。すると毛玉は足二本で立ち上がり、私に向かって走って来たが……


「うおっ⁉︎」


 草むらから出てきた別の生き物により捕食されてしまった。そのモンスターの姿は昆虫のカマキリに似た姿のモンスターであった。カマキリ型のモンスターはバリバリと黒い毛玉を喰った後、標的を私に定めたのか羽を広げて飛び掛かって来た。


「キモい」


 デッカいカマキリはキモい。ホントに辞めて欲しい。こっち来んな!!


 私は刀を取り出して襲いくるカマキリの攻撃を受け流し、鎌を弾いて相手のバランスを崩す。そこに留めの一撃を叩き込めばカマキリは動かなくなった。


「私の勝利だね」

「だなぁ」


 何故か乙女ポーズで見守っていたアスターに何故そのポーズをチョイスしたのか聞きたかったが止めた。アスターが乙女ポーズを決めるのは今に始まった事ではないしな。だから私にヒロイン扱いされるんだよ。

 それから暫く捜索を続けたが、見つかる気配は無く時間だけが過ぎて行った。空が茜色に染まり、夕暮れの空が広がり始めた頃、捜索を打ち切りキャンピンに戻った。

 キャンピンに戻ると私達が最後だった様で、皆んなリビングに揃っていた。

 戦果を聞いてみたが全員何も無い様で手掛かり無し! 困った。


「ここに有る筈なのだが……。一体何処に有るのだろうか」


 コルネリア様が肩を落とされていた。それを純菜が慰めている。

 結局、手掛かりが無いまま1日が終わった。皆んな明日に向けて休む事に。今夜は私&純菜ペアの見張りなので、それ以外は皆、部屋に帰った。


 初の純菜との見張り番だ!

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