表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/125

いざ、探検へ!

 

「暑い……」


 只今、【シュトバッハ】に有るビーチにて、暫しの休息中である。コルネリア様と純菜、アスター、ギース、クレマチスのジィジは水着に着替えて海で、はしゃいでいる。純菜も楽しんでいる所を見ると気分転換にはなったのだろう。良かった、良かった。私のハグは要らなかったな!

 みんなが遊んで居る間、私と師匠、ハイドは水着になれないのでパラソルの下で荷物番である


「難しい……」


 ただ今、私はパラソルの下で師匠に縄抜けの仕方と解かれにくい縄の括り方を習っている。パラソルの下でお互いに手を結びあったりしている姿は側から見たら奇妙な光景だろう。


「いつもの縛り方とどう違うのですか? あれじゃダメなんです?」


 私の縛り方はSM縛りが多い。その縛り方ではなく王道の縛り方を教わっているのだが、これが結構難しい。師匠に教わった通り師匠の手を結んでみるのだが、直ぐに解かれてしまう。逆に師匠に結ばれたら私は解けなかった。


「お前、少しは格好を変えたらどうだ?」


 私がうんうん言いながら師匠の手を縛っているとパラソルの中に一緒に居るハイドに言われた。ハイドの言う私の格好とは半袖で半パンのジャージ。以上! 後、太ももに包帯が巻かれている。包帯の理由? 久遠の噛み傷だよ!


「いいんですー! これが私の一張羅なの。それより、ハイドよ、その服似合ってるね。女の子達も放っておかない訳だ。ちょっとその辺で散歩しきてよ。そしてナンパされておいで。そんで暫く帰って来なくていいよ」

「行かなくても来るだろう。ホラ」

「だから、何処かに行って来てほしいんだよ」

「……」


 師匠もだがハイドもかなり見た目が良いので、パラソルの中に居るだけで女性が沢山寄ってくる。正直鬱陶しい。

 寄って来る女性は皆、私を睨んで来るのだ。勘弁してほしい


「荷物番は私がしてるんで、師匠も久しぶりに女の人と宜しくヤッてきたらどうです? ハイドも羽目を外して何時もの様に泣かせてきたら良いじゃん」

「「……」」


 視界の隅にブーメランパンツのギースが浮き輪持って、はしゃいでいるのが見えたがスルーする。


「……そんなに邪険にするな。嫌ならお前が何処かに行け」

「……良いさ! 行ってやらぁ! 一週間は帰って来ないと思え!」

「まだ終わってない」


 飢えた女の子達から逃れる為、私は1人旅に出ようとしたが師匠に今日のノルマが終わってないと怒られたので大人しく腰を下ろし師匠の手を縛る。あ、また外された。


 あーでもない、こーでもない、と師匠を縛り続ける事、1時間弱。海から悲鳴が聞こえて来た。


「何事⁉︎」


 あちこちから悲鳴が上がり始め、海から人が我先にと逃げ始める。なんだか見た事ある光景だ。映画でよくあるよね。


「何があったんでしょう?」

「さぁな」


 コルネリア様が心配だ。私と師匠とハイドはパラソルから出てコルネリア様を探す。しかし人が逃げて、ごった返したビーチで目的の人物を見つけるのは容易ではない。


「見つからないなー。あ、嘘ついたわ」


 直ぐに見つかった。ブーメランパンツの厳つい爺さんは目立ちまくりだったので、直ぐに見つけられたのだ。

 ギースに連れられて戻って来たコルネリア様。他の面々も一緒だ。今し方戻ってきた面々に何があったか聞いてみる


「何があったんですか? サメでもでました?」

「佳月、映画の見過ぎだ」


 いや、よくあるよね? 人食いザメがビーチに現れて人をバクバクと食べて行くやつ。パニックホラー映画


「サメではないな」

「見た目はカニじゃな」

「は?」


 首を傾げていると海面が盛り上がり、海の中から巨大なカニもどきが出てきた。姿はカニなのだが、気持ち悪いことにカニの甲羅に当たる部分に巨大な顔がついている。


「あれは……」


 それはいつぞやの廃遊園地で見た観覧車についていた顔と同じであった。という事は?


「ここから引くぞ。ここにシュトバッハの兵が、もうじき来るだろう。僕らが出しゃばることじゃない」


 コルネリア様に従い私達もここから避難する。避難の途中、コルネリア様が言った様にシュトバッハの兵が来て対処し始めた。なんでもシュトバッハでは最近になって、このカニもどきが暴れる事件が多発しており、カニもどきが現れたら直ぐに兵が対処出来る様になっているらしい。

 それから数時間後、カニもどきは倒され無事ビーチは平穏を取り戻した。



 もう一度、海に行く気にもなれず私達はキャンピンに戻った。テレビをつけるとカニもどきの話でもちきりだった。どの番組に変えてもカニもどきの話。何も面白味がない。

 テレビを消しコルネリア様のお世話に回る。シャワー室にて海水で軋む髪を丁寧に洗い、元のツルツルサラサラヘアーに戻す。


「佳月、明日には宝具の持ち主に逢いに行くから準備しておけ」

「はい」


 カニもどきの事は忘れて明日に備えねば。それにこれは国の問題なので、私達が出しゃばることじゃない。顔の事は気になるが気持ちを切り替えなければ。


 しかし気になるのは仕方がない。あの廃遊園地で見たものと同一のモノかは分からないが、もしかするとイネスとかいう指名手配犯が関わっているかもしれない。ちょっとだけ調べてみようかなー


 コルネリア様が就寝した後、散歩に出ると言いキャンピンを出た。夜にはいつも外出しない私が外出したので師匠は大変驚いていた。

 見張り番のギースとハイドの側を抜けてキャンピンを出てその辺りをぶらぶらと歩く。特に当てもなく彷徨っていると、人気のない場所に来ていた。目の前には森、後ろには海。大自然だ。

 耳を澄ませば波の音と風の音、虫の音くらいしか聞こえてこない。


 冒険心が疼いたが、迷って帰れなくなっては困るので元来た道を戻ろうと踵を返す。一瞬、視界の隅に、どこかで見た事が有る気持ち悪い生物が見えた気がした。


「……何で、こんな所に」


 私が視線をそちらに向けると、そこには只、森が広がっているだけだった。もしかすると見間違いかもしれないが、気になったので調査してみる事に。

 森に足を踏み入れ、先程見た生き物の痕跡を探す。先程見た生き物は、いつぞやに立ち寄った廃遊園地で出てきた、謎の生命体と酷似していたのだ。これは何か有ると思い、探検する


「観覧車の妖精さんー。出ておいでー!」


 気持ち悪い生き物や謎の生命体と呼び続けるのも何なので、【観覧車の妖精】と名付けた。妖精には程遠い外見だけどな

 静まり返った森の中を暫く歩いていると前方に観覧車の妖精を発見! 何やら、何処かに向かう模様。その後をコッソリと追う事に


 ◆


 追い続ける事、数十分。大きな建物が見えて来た。所々に穴が空き、瓦礫が散乱している事から、どうやら廃墟の様だ。

 その廃墟に観覧車の精は入って行く。入る間際にチラリとコチラを向いたので、私が付いて来ていたのを知っていた様だ。もしかすると、誘い込まれたのか?


「まぁ、良いか! どうせ暇だし! 入ってみよう」


 冒険心くすぐる物とか置いてないだろうか? 私は迷わず中に入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ