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師匠ぉおおお!!

 

 純菜は直ぐに見つかった。と言うか、既に出口付近まで来ていた。さすが、純菜! 方向音痴の誰かさんとは、違いますなぁ!

 純菜と別れて、私は奥へと進む。室内は本当に真っ暗で月明かり1つ入っては来ない。これでは灯を持っていない師匠は身動き1つ取れないだろう。


「ししょー。何処ですかー」


 声を上げて師匠に呼びかけるが返ってこない。まだ先の様だ。キョロキョロと見渡していると、ココが何かの実験に使われた施設である事が分かった。至る所に実験器具が配置されている。

 その奥から先程見た気持ち悪いモンスターが走って来た。私はそれを難なく撃退したが、見えない師匠には難しいかもしれない。急いで探さねば


「あ、師匠発見!」


 歩いていると座り込んでいる師匠を発見。珍しく余裕のない顔をしている。至る所に打った後が有り、服が汚れている。見えない中を歩いて何かにぶつかったのかもしれないし、地面が揺れた際に転んだのかもしれない。


「佳月か」

「そうです。お迎えに来ましたよ」


 私はそう言い座り込む師匠に手を差し出した。その手を師匠は正確に掴み立ち上がった。この暗がりで手を差し出して掴めるとは、目が見えてるんじゃないか? 何故、掴めた?


「見えてます?」

「いや、何も見えない。ただ、お前が手を出したのが気配で分かっただけだ」

「成る程……」


 師匠は気配と感を頼りに暗がりを進んで居た様だが限界が来て座り込んでいたらしい。その内、黒の宝具の気配を辿ってハイド辺りが来るかと思った様だ。残念ながら、そのハイドは早々と何処かに行った。迎えが私で申し訳ない


「佳月、感謝する」

「……⁉︎」


 師匠に初めて感謝された! これって凄い事なのでは? 褒められる事は有っても感謝されるなんて!

 感激で打ち震えている私に師匠が早く行く様に促した。もうちょっと打ち震えさせてほしかった。


 師匠の手を引いて暗い中を歩く。偶に来る敵は私が素早く仕留めた。師匠は私を信頼してくれているのか、暗がりで敵が来ても何もせず私に任せてくれている。かなり嬉しい!

 外に出ると月は既に真上に来ており夜も遅い事が分かった。コルネリア様は既に寝入っているだろう。お世話を出来なかったが、大丈夫だろうか?

 ここまで来ると月明かりも有るし、師匠も問題無いだろう。私は師匠の手を離す。


「師匠。私、ハイドに地下に呼ばれてるので嫌々ですが行って来ますね」

「分かった」


 師匠は1つ頷くと私に背を向けて歩いて行こうとする。キャンピンとは逆方向に……


「師匠ぉおおお!! 違う! そっち違うから!!」


 目を離すと直ぐにこれだ!


 私は師匠の裾を引いてキャンピンが有る方角を向かせる。


「師匠、見えます? アレ、あの入り口を出たら直ぐにキャンピンが有りますから、あっちですから!」

「分かった」


 師匠は私の示した方に歩いて行ったが……大丈夫か?

 心配なので師匠の背中が見えなくなるまで見送った後、私は室内に戻った。室内に入り地下へ続く階段を降りて地下へ向かう。地下には上階と違った作りになっており、こちらの方がより実験施設の様に見える。上階の様に迷宮の様な作りではなく、ただ一本道の為、迷う事なく進める。

 至る所に実験器具が有るのは上と同じだが、所々に人と思わしき亡骸が診察台の様な物の上に転がっている。そんな異様な地下を私は只管進んだ



 ◆



「ハイド」

「来たか」


 奥に進むとハイドが居た。ハイドの他にも白衣を着た学者の様な人達が5名いる。その5名はハイドにより拘束されて動けない。


「女の人を足蹴にするなんて紳士にあるまじき行為だね」

「五月蝿い」


 ハイドはその内の唯一の女性の腹に足を乗せていた。顔には殴ったのか赤黒くなり、腫れていて痛々しい。本当に紳士にあるまじき行為だ。まぁ、コイツ紳士じゃないしな。


「で、何のご用事? それとこの人達何?」


 私は疑問をハイドにぶつけてみたがハイドは答えない。代わりに『部屋の入り口を見張っていろ』とだけ伝えられた。


「はぁ……」


 私は部屋の入り口にて待機。ハイドが今からする事を見ている事にする。


「だから! 私、何も知らないの!」

「黙れ」


 女性がハイドに向けて叫ぶが聞く耳持たないハイド。ハイドは基本、聞く耳持たない奴だから言っても無駄だぞお姉さん。


「質問を変えるぞ? ここに有った白い宝具は何処だ? 」


 あぁ、ハイドは白い宝具の所在を知る為に、地下に来ていたのか。漸く理解した。そういえば、ここには白い宝具の気配がしたから来たんだったな


「さっさと答えろ」

「さっき黙れって言ったくせに答えろとか言い出したよ。言ってる事、矛盾してるよコイツ」

「お前は黙ってろ」

「イエス」


 揚げ足取ったら睨まれたので大人しくしておこう。それにしても、この感じ師匠が拷問する時とよく似ている。もしかして今から拷問ですか?


「うわぁ……加虐心に満ちた顔してるわぁ」


 ハイドの顔は師匠が拷問時にする時の様な、アスターを弄る時の様な、加虐心に満ちた様な興奮している様な顔をしている。そんな顔をしてもイケメンだから様になっているが、普段を知っている私からしたら怖くて堪らない。

 全く六花というものは興奮した表情を抑えられない生き物なのか? 師匠然り、ハイド然り、久遠然り。後の六花も、そんな感じなのだろうか? あー、嫌だなぁー六花。


「……知らないわ」

「ほぉう」


 舌なめずりし出したハイド。色気、有りますね。私がそんなハイドから目を逸らし廊下の方を見ると先程見た、気持ち悪いモンスターが廊下の奥から走って来ているのが見えた。それは真っ直ぐこちらに向かっている。

 成る程、ハイドはコレを見張っていろっと言っていたのか。拷問時に邪魔が入って欲しくなくて私を呼んだな。

 走ってくる生き物を殊技で仕留めてハイドの方に視線を戻す


「やめて! やめて!」

「お前、何やってんの⁉︎」


 何故かハイドは女性のズボンを脱がし始めた。何してるの⁉︎

 ここでピーな事をする気なのか、何なのか知らないが、流石にマズイだろう。女性の仲間だって見てるし、私だって……は⁉︎ さては羞恥プレイか? お主、なかなかやるな! いや、だけど、私の前でそれは辞めてくれ。止めようと近づいて……私は回れ右して元の入り口付近に戻った。

 だって今止めたら私に被害が来そうだったんだもん。表情がもう止まらない時の師匠にソックリだったんだもん。それを止めると私が後で痛い目見る事は師匠で経験済みなので、私は大人しく引き下がる。スマン、女性。我が身が可愛い

 ハイドは脱がし終えると自身の懐からライターを取り出す。そして火を付け、その火に息を吹きかけると火炎放射器もビックリな炎が出た。それを女性に向けて……


 〜暫くお待ちください〜

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