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巨大な観覧車(顔つき)

 

 私は気持ち悪いモンスターを1匹1匹斬り殺し、銃で撃ち殺し、魔法で焼き払い、殊技を使い串刺しにした。しかし、斬っても焼いても刺しても減らない気持ち悪いモンスターに疑問が起きる。一体これだけの数、何処から来ているのか?

 1度、後ろに引いて相手を観察する。観察すると観覧車のゴンドラから沢山モンスターが降りて来ている事に気が付いた。もしかして、あの気持ち悪いモンスターは、あそこに住んでるの?


「うわぁ……」


 明らかに収まりきらない量が詰め込まれているのか、生まれて来ているのか、どういう作りなのか、無尽蔵にゴンドラから出てくる気持ち悪いモンスター達。


「これじゃ、埒が明かないな……後ろの観覧車狙うか」


 倒しても倒してもキリが無いなら、大元を狙うしかない!

 もう一度、顔に張り付いた髪をかきあげ、殊技を使い一瞬にして前に居たモンスターズを串刺しにし、全滅させる。またモンスターが出て来て身動きの取れなくなる前に観覧車にダイレクトアタック! 闇を足場に高く登り、観覧車モンスターの顔面を容赦なく斬りつけた。


『ギシャァァアアア⁉︎』


 悲鳴を上げたモンスターは地面に倒れ、のたうち回る。その度に地面が揺れて地震が起きる。


「揺れる、揺れるー」


 地面に降りたった私は、揺れる地面に立ってられず尻餅をつく。勿論、気持ち悪いモンスターも立っていられず転がっていた。それどころか、観覧車の近くに居たモンスターは観覧車にプレスされて圧死を迎えていた。南無南無


 ようやく動きが止まり、起き上がった観覧車は怒りのままに私に向かって走って来た。かなり気持ち悪い走り方だが今は気にしないでおこう。

 私は慌てず騒がず、観覧車の周りに闇を集める。そして、ゆっくりと手を前に掲げ、握り潰す動作をすると……闇が目の前のモンスターを圧殺! グシャっと音を立てて潰れた観覧車。哀れなり


「さぁ! 終わりました! 早く帰ろう! 暖かいお風呂が待ってるよ!」


 私はスキップしながら観覧車から離れて出口に向かう。いつの間にか雨は止んで綺麗な夜空が広がっていた。


 出口辺りの建物からハイドとアスターのベルナール兄弟が出て来た。2人以外、見当たらない。どうやら、他は別行動らしい


「ヤフー! お久だね。ハイドはいつも通りだけど、メガ萌はなんだかお疲れの様子だけど、大丈夫?」


 いつも通りのハイドと、とってもお疲れのアスター。何が有ったのだろうか?


「大丈夫なわけあるか。兄さんと2人で迷宮探索なんて……もう嫌だ」

「ふっ。良い声で鳴いていたな、弟よ」

「あ、察しました」


 いじめっ子のハイド君は気弱なアスター君を虐めて遊んでいたのだろう。本当に嫌な性格してるな。

 というか、迷宮探索してたのか。良いなぁ、私も入れば良かった。意地になって外を駆け回るんじゃなかった


「所で他の3人は? コルネリア様は師匠と一緒?」


 師匠が一緒ならコルネリア様は大丈夫だろう。しかし……師匠は方向音痴だからなぁ。中が迷宮なら迎えに行かないと彷徨い続ける羽目になる。


「いや。コルネリア様は先にキャンピンに戻ったぞ」

「マジで⁉︎」


 アスターはコルネリア様の現状を告げた。なんでも私と逸れた直後、嫌な予感がした為、コルネリア様をキャンピンに帰したそうだ。この時、コルネリア様が居ないなら、回復係のアスターも必要ないからキャンピンに置いていこうとしたらしいが……ハイドが面白がってアスターを引っ張って連れて行ったらしい。

 そして4人で再度、探索を始めたが雨が降り始めた為、建物の中へ! そして迷宮探索が始まったそうだ。


「それで、入った直後にリンドヴァルは逸れて……純菜も居なくなった」

「師匠……」


 また逸れたのかよ。


「まぁ、コルネリア様がキャンピンに居るなら急がなくても良いよね。キャンピンにはギースが居るし!」


 急いで探しに行く必要がなくなったな! 師匠なら、多少放置しても大丈夫でしょ!


「で、お前はどうなんだ? かなり、ずぶ濡れだけど」


 私は事の経緯を全て2人に話した。すると2人は呆れた顔をした。あ、この2人、兄弟なのにあまり似てないっと思っていたが、呆れた顔はクリソツだった。


「なんで素直に入らないんだよ。兄さんの事、性格歪んでるとか言ってるけど、素直に従わないお前の性格も歪んでるよ」

「私、ハイドの性格は最悪で嫌な奴だと思ってるけど、歪んでるって言った事無いよ。それ、お前が言ってたんだよ」

「……」


 自分で墓穴を掘るアスター。そして、本人が居る前で堂々と暴言を吐く私。なかなか良い性格してると思う。


「何はともあれ、此処のボスは倒したんだろ? お前は先に戻りシャワーを浴びろ。風邪引くぞ」

「いや、中が迷路なら師匠が心配だし見に行くよ」

「あぁ……」


 アスターは遠い目をしていた。師匠……貴方、色々な人から方向音痴認定されてますよ。


「中の電気は落ちて真っ暗になっていた。俺やアスターは暗視の魔法が使えるから、どうって事はなかったが……魔法が下手なリンドヴァルでは身動きが取れないかもな」


 フッと笑って言うハイド。笑い事じゃないよね?

 暗視の魔法は暗い場所でも昼間と同じ様に見える様にする魔法だ。その魔法は結構難しく使える人は少ない。私は勿論使えるが

 魔法音痴の師匠が使えるとは、とてもじゃないが思えない。これは迎えに行かないと本当に出られないだろう。


「途中で地震も起きていたから、転んで怪我でもしているかもな」


 楽しげに言うハイド。地震って観覧車が暴れた時のやつかな。確かに結構な勢いで地面が揺れて居たから、転んでしまったかもしれない。


「そう言うお前は転ばなかったの?」


 私はニヤッと笑みを浮かべながら聞いてやった。転んで怪我でもしてくれていたら面白いのになぁ!


「あれしきで転びはしないさ」

「チッ」


 ハイドは転ばなかったらしい。ムカつく顔で言って来た。イラッとした。転べば良かったのになぁ!


「だが、アスターはコロコロ転がって居たぞ。悲鳴をあげながら転がり回って、立ち上がろうと藻搔いて、また転んで、ぶつかって……実に面白かった」

「うわぁああああ!!」


 クツクツと笑いながら言うハイドと、悲鳴をあげ頭を抱えるアスター。こんな感じで、室内で虐められてたのかな? 想像付くなぁ。これ以上は可哀想だし、そろそろ話題を変えてやるか


「所で純菜は暗視の魔法は……」

「使える訳ないだろう」


 ハイド、即答。純菜も暗視の魔法は使えないのか。いよいよ危なくなって来た。純菜を迎えに行かないと


「でも、純菜は懐中電灯を持っていたから、多分大丈夫」

「そうなの⁉︎ じゃ、大丈夫だね」

「怪物に喰われていなければ、だけどな」

「嫌な事言わないでよ、兄さん」

「ハイド……」


 純菜は懐中電灯を持っているから、まだ動けるそうだ。じゃあ、師匠の方が優先度は高いかな? でも師匠は多少放置しても大丈夫そうだし、やっぱり純菜? でも純菜は戦えるし……師匠は明かりないし……うーん


「2人を見つけたら地下に来い」


 私がウンウンと悩んでいると、ハイドはそう言い、つい今し方出てきた入り口から入って行ってしまった。私とアスターは顔を見合わせてから1つ溜息。自分勝手な奴だなぁ。建物に入るなら、お前も探せよ。言った所で聞く耳持たないハイドに、わざわざ言うのも面倒なので放置した。


「はぁ……」


 キャンピンまでは直ぐそこなのでアスターをキャンピンまで送る必要はないだろう。アスターとはここで別れて私は師匠と純菜を探しに行くことに。


 2人とも何処かなぁー

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