15 ベルの次はオロフ!
お読み下さり、ありがとうございます!
「アクセル!誇り高き騎士が庇護すべき人間を攻撃するとは何事だ!」
もぅ!楽しい追いかけっこに水差さないでよね!
「ボクを捕まえる事もできないのに庇護〜?笑っちゃう〜。正直ボク、ここの騎士団バカにしてるよ?ボクより強い人団長しかいないじゃん。他にまだ強い人いる?」
挑発してみる。
「その通りだ。アクセル程度で傷つけられるほどチハヤは弱くない。人間が庇護の対象だったなんて嘘じゃないのかと疑うくらいだ。」
「ボクは強い方なの!普通の人間は城壁1周でへばるし、その剣だって振り回せないよ?」
片手剣だけど3kg はあるよね?それ。
地球の片手剣は1.5kg 程度だよ。
持たせてもらって振ってみたら重い。10回も振れば軌道がぶれて来る。悔しい。
「あ…」
豆が出来て潰れた。
「…やっぱり弱いのか?」
「皮膚は薄いかも知れないね。」
「怪我したんですか!?」
ベルが慌てて飛んできた。
「豆が潰れただけだよー。大丈夫、大丈夫!」
「いけません!すぐにお部屋へ戻りましょう!じきに朝食の時間です。」
「こら!勝手に抱っこしない!自分で歩きます!」
「ですが…」
「ご褒美もらえる程じゃなかったよね…?」
ビクッとして、しぶしぶ降ろしてくれた。
「アクセル君、動き良くなってたよー!あと団長ー、練習メニュー3倍は必要だと思ったー!」
そう言ったら頷いてたから、これからは練習量が増えるだろう。頑張れー!
部屋に戻るとかのこちゃんに怒られた。
手に豆作るなんて女子力が足りてないって。
しょぼーん
利き手に包帯巻かれてたので王子につけ込まれて膝抱っこで食べさせられた。
逆らえないぃ!悔しいぃぃぃ!
ベルは交代したから今はオロフが護衛。ボクが王子に構われるのを何も言えずに見ていたけど、ひたすら戸惑ってたんだろうな。真面目ワンコ可愛い。
王子が人の世話焼くなんて、普通ならあり得ないよね。
食べ終わったらお風呂入ってからオロフのブラッシングだ!
手が使えないのでお風呂ではしかたなくニルスに洗ってもらった。
…と言うか服を脱がせてもらって洗ってもらって身体を拭いてもらってパンツ履かせてもらったよ。そして今日もかのこちゃんに剥かれた…
ブラシを持つのも痛いので左手でブラッシング。
「オロフ、気持良くなかったら言ってね?」
オロフがおろおろしてる。ダジャレじゃないよ!
真面目くんをあまり脱がすのは可哀想なので上だけ脱いでもらった。
もふもふだ!もっふもふだ!!
かのこちゃんにお願いしてブラシ各種揃えてもらったからね!
まずはピンブラシでホコリやフケを取り除く。次は毛のもつれを取ったり毛玉や下毛を取るスリッカーブラシ。そして香油を垂らした獣毛ブラシで仕上げ!
換毛期はラバーブラシで抜け毛を取るんだけど、もふもふの子ならマッサージにもなるから毎日でも良いんだって。
動物じゃないからちゃんとお風呂に入っててフケは無かった。訓練でホコリはつくはずだけど、交代前にお風呂入って来たみたいできれいだった。
仕上げの頃にはオロフもすっかりリラックスしてゆったりとしっぽが揺れていた。
「物足りない所は無い?気持良かった?」
そう尋ねれば
「これほど丁寧に扱われた事など、未だかつてありません。やはり夢を見ているのでしょうか…」
「うふふ…現実だって実感できるまで何度でもブラッシングしてあげる。」
…はっ!なんだか愛を信じられない子に甘く囁いてるみたいになってる!!
その通りだ、合ってる。
起き上がらせて肌着、上着と順に手渡したら、それも戸惑われた。
「チハヤ様、かいがいしい!」
って、かのこちゃんがうっとりしてる。かのこちゃんて、あんまりあれダメこれダメって言わないで好きなようにさせてくれるから嬉しい。剥かれるけど。
それはともかく、文字の練習もしたいんだった。
かのこちゃんにお願いするとすぐに子供用の絵本と練習用黒板を用意してくれた。
まずは数字と文字の書き取り。数字はここでも1、2、3、4、までは直線の数で表している。5は角張った r みたい。10が△。△rで15、△△で20。r の中に小さな△を書き込むと50。
文字はア行が「・」、カ行が 「 | 」サ行が「 — 」、タ行が「Y」…
あ「 ⊙ 」、い「 ∩ 」の中に・、う「 △ 」の中に・、え「 弓 」見たいな字に・、お「 ⊡ 」。
…先は長そうだ。習うより馴れろ!
全部を1回ずつ書いて3回繰り返して終了。字が丁寧できれいだと褒められた!
今日も護衛はベッドの隣。
「おやすみ、オロフ。」
「チハヤ様、おやすみなさいませ。」
数字は古代ギリシャ数字、文字はホツマ文字を参考にしています。




