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第五章:魔導書の真実
魔導学院で学ぶうちに、私は一つの事実に気づいた。
魔導書──悪役令嬢が用いて災厄を起こすとされる魔道の書物。
だが、その正体は、異世界からの情報端末だった。
「これは……まるで、前世のタブレットみたい」
魔導書を開くと、文字が浮かび上がる。だが、それはこの世界の言語ではない。
日本語だった。
そして、そこに書かれていたのは──
【ゲーム『薔薇の誓い』プロトコル起動中】
悪役令嬢:ベアトリクス・カーマ・ルージュ
運命分岐点:婚約拒否(成功)
新たなシナリオ:『自由を求める令嬢』
警告:システムの干渉が発生する可能性あり
「……まさか、この世界、本当にゲームだったの?」
私は震えた。
前世で書いた小説──それと同じ構造の世界。
そして、私たち全員が、キャラクターとしてプログラムされている?
「だとしたら……ダリラも? 王太子も?」
いや、違う。
彼らは、意識を持っている。
感情がある。苦しみ、喜び、迷う。
──ならば、この世界は、ゲームのシミュレーションなのかもしれない。
「なら、私は、このシミュレーションを壊す」




