200 テプラとの戦い②
初めてこちらを見つけていただいた方へ。
ありがとうございます。
1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度、朝7時更新という短いスパンです。(土日の場合はお休みです)
たまに遅れまる場合が(^0^;)
ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。
ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと覗いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw
よろしくお願いしますm(_ _)m
では、どうぞ!
「やったぞ!」
「さすがだ!」
ライナーの父親と兄、そして部下達は喜び声を上げるが、ジンとバルターは眉根を寄せる。
――あれじゃあだめだ。
――あれではだめだろうな。
すると視界が晴れる間もなく、煙の間を抜けテプラが無傷で突進してくるのが見えた。
「!」
そしてそのテプラの全貌に、そこにいた者達は驚愕し目を瞠った。
「テプラがシールドだと!」
リュカは2本の角があるテプラの攻撃を防御した直後、テプラがしたのと同じ光魔法のビーム射撃で反撃する。だがテプラはシールドのようなものを張り防御した。それにはリュカは驚く。
――テプラが防御だと!
まずテプラほどの魔獣が防御結界のような高度なシールドを張ることはない。
「どういうことだ?」
すると、またもやテプラからビーム射撃が放たれた。だがリュカの防御結界に当たり弾かれ、方向を変え海の彼方へと消える。そこではっきりと分かった。
「あの2本の角から発射されているのか」
刹那、今度は海岸で爆発が起きた。
「なんだ?」
リュカは視線を向け、探索眼で海岸を見る。するとライナーの父親と兄が撃ったことがわかった。
その時だ。リュカが対峙している2本の角のあるテプラの角から何かが海岸へと発せられた。すると海岸にいたテプラ達に次々と防御結界の類いのシールドが張られていったのだ。
「!」
――こいつがやったのか!
すると白竜の声が聞こえてきた。
『リュカ、こいつはテプラの親玉だ』
「親玉だと?」
『ああ。集団で生活する獣には頂天に親玉がいる。蜂にも女王蜂がいるだろう? それと一緒だ』
「だが今まで報告がないぞ」
すると今度は青竜が言う。
『それは人間が気付いてないだけだ。こいつらは海の魔獣だ。親玉はまず海面に出てこないし姿を現わすことはほとんどない。今回お前がたまたま気付いただけだ。まず探索眼を使うやつはおらぬからな』
確かにここにこの親玉のテプラがいることに気付いたのは探索眼を使ったからだ。
その時だ。またもや海岸で爆音が起き、リュカは視線を海岸へと向ける。
「連射射撃?」
砂埃が海岸を覆うように立ち上り視界が遮られる。だがリュカの探索眼の目には詳細に映っていた。連射射撃はテプラに命中するも、シールドによってすべて弾かれ、テプラは止まることなくライナー達へと突進し、今にも襲いかかろうとしていのだ。だがライナー達は砂埃で視界が遮られ気付いていない。
「ちっ!」
瞬間移動しようとした時だ。ライナー達の前に巨大な横長の太い防御結界のシールドが張られた。
「!」
リュカはその場に留まる。
――誰かがシールドを張った?
そこで張ったのがバルターだと気付く。
「ボスか」
バルターは結界を張ると吐き捨てるようにライナーの父親と兄へと文句を言う。
「――ったく、だから止めろと言ったじゃねえか」
そして部下達へと叫ぶ。
「第一部員! 毒くらげをぶち込め! 後の者は下がれ!」
ここで言う『毒くらげ』とは、猛毒を持つくらげの一種で、人間が刺されれば死に至る猛毒だが、魔獣に投与すると体を硬直させ、動きを止めることができるものだ。手に負えない海の猛獣や魔獣に使うことが多い代物だ。
バルターの計画に元々組み込まれており、『もしテプラが襲ってきたら使う』という手筈になっていたものだ。
それを聞いたライナーの父親のフィリップが叫ぶ。
「バルター! 何を言っている! さっきも言ったであろう! テプラは全滅させればいいのだ!」
フィリップはここに来た時にバルターにテプラを全滅させろと言ってきていた。そして自分達に任せてくれれば全滅させてやると言っていたのだ。だがバルターはそんな無謀な戦略を聞き入れるわけもなく、きっぱり断ったのだが、納得がいかなかったフィリップは単独で息子と攻撃したのだった。
勝手な行動をしたフィリップと息子にバルターは苛立ちと怒りを覚え、敬語を使うのを忘れ、怒鳴るようにフィリップへと言う。
「まだそんなことを言っているのか! この状況が分からないのか! あんたらの攻撃はまったく通用していないだろ!」
「たまたまだ! 次は大丈夫だ!」
「何度やっても一緒だ! そんな攻撃は効かねえ!」
まったく言うことを聞こうともせず、自身の行動を全否定するバルターに、フィリップはプライドを傷つけられた怒りから鬼の形相になり、怒鳴り声をあげた。
「誰に向かって言っている! 元魔術師団団長だったからと言ってそのような口の聞き方は許さんぞ! いいのか! お前達の会社に駆除資金の援助をしているのは私だぞ! 今すぐにでも切ってもいいんだぞ! それが嫌なら言うことを聞け!」
だが元魔術師団団長で、場を踏んできたバルターにそのような脅しが通用するわけもなく、
「うるせい! この状況で言うことじゃねえだろ! 戦い方もわからねえやつが口出すんじゃねえ!」
と一蹴する。
「きさまー!」
だがバルターは、文句を言いかけたフィリップを無視し、第一部員のリーダーのクライドへと首を向けると命令する。
「クライド! もし駄目ならすぐ離れろ!」
「? 駄目とは?」
「シールドが張られ攻撃が聞いてねえということは、毒くらげも打ち込むことができない可能性のが高い。そうなれば為す術がねえからな。逃げろ」
「しかし! それでは!」
「これは命令だ! ただ死者を増やすだけだ。まず下がって防御に徹する!」
それは住民をまず第一に守るというものだ。
「わかりました」
そしてクライド率いる第一部員がテプラへと向かって行った。そしてバルターはフィリップ親子へと視線を戻し言う。
「あんたらも足手纏いで邪魔だ! どっかに行け!」
「なんだと! 誰が足手纏いだ!」
ライナーの兄のディートマーが反論する。だがバルターは睨みを聞かせて言い返す。
「経験もねえのに勝手に行動し状況を悪化させ、俺の言うことも聞けねえやつを足手纏いじゃねえって言うなら何て言うんだ!」
「これからあいつらを倒すのだ! 状況は悪くはない!」
フィリップも負けじと声を荒らげ反論する。
「どうやって倒すんだ? この状況になってもまだそんなことを言っているのか! あんたらの魔力を増幅させた攻撃はことごとくテプラのシールドで弾かれたんだぞ! 同じ攻撃をまたするんじゃねえだろうな?」
「うっ!」
フィリップは言い返すことが出来ず黙る。バルターはやはりそうかと舌打ちし視線を海へと向ける。テプラは防御魔法のシールドを破壊しようと体当たりをしていた。
――シールドが壊されるのも時間の問題だな。
そして遠くで爆発が起きた方へと視線を向ける。すると遠くの空に一点の黒い物体があるのに気付いた。
「ん?」
それがリュカだということに気付くのに時間はかからなかった。
――リュカか。じゃあさっきの爆発はリュカがしたのか?
だがそれは違うと否定する。
――違うな。あいつが攻撃をされたのか。だとすれば、あの下に何かがいるということか?
バルターは目を凝らし見るが、肉眼では確認することは出来ない。
その時だ。海面から無数の光がリュカへと発射された。
「! やはり何かいるのか!」
最後まで読んでくださりありがとうございます。
少しでも良かったと思っていただけましたら、ブックマーク、いいねボタンの方よろしくお願いします。
とても励みになります。
これからもよろしくお願いします(_ _)




