197 テプラへの対応に不満
初めてこちらを見つけていただいた方へ。
ありがとうございます。
1話がとても短いものになっております。あっという間に負担なく読み終えてしまう短さです。ですので3日に一度、朝7時更新という短いスパンです。(土日の場合はお休みです)
たまに遅れまる場合が(^0^;)
ちょっとの暇な時間の穴埋めになれたら嬉しいです。
ちらほらと、あらすじが挟んでおります。もし興味がありましたら、そちらをちょこっと覗いていただければ、なんとな~くわかっていただけるかとw
よろしくお願いしますm(_ _)m
では、どうぞ!
次の日、リュカとジンはバルターの命令で昼から会社に出勤になった。理由は午前中に町長、長老、そして役所の者、漁師の代表者、町の権力者達との会合にバルターが出席することになったからだ。
全員が出勤したのを確認するとバルターが言う。
「全員集まったな。じゃあまず話すぞ」
そして作戦を皆に話した。
「午前中の会合での話し合いの結果、やはり海岸に来たテプラを仕留め、海岸は危険な場所だということをテプラ達に認識させるしかないという結論に至った。そしてもしもの時のために海岸に柵を設けて対処することになった。幸いにもこの前リュカが一気に海岸近くのテプラを排除してくれたおかげで、テプラも警戒をしているからか、海岸にやってくるテプラの数は5匹程度と少ない。そのぐらいの数ならどうにか対処できる数だからな」
それを聞いたリュカとジンは、
――結局海岸に来たテプラをその都度討伐し、もしもの時は柵を設けて侵入を防ぐという作戦か……。
と安易な作戦に眉根を寄せる。
すると1人の部員が挙手し質問した。
「でもずっとテプラの数が増えないという保証はないですよね?」
それには皆同意見のようで、頷いている者がほとんどだった。
「ああ、その通りだ。ただもう少しすればテプラの繁殖期は終わる。そうなればあの島からテプラはいなくなり、襲ってくることは少なくなるんじゃねえのかというのが午前中のお偉いさん達の考えだ」
そう言いながらバルターも少し納得いかない表情を見せる。そしてそれを聞いたリュカも目を細める。
――確かにそうだが、それではいいのか? 根本的な解決にはならないのではないか。
なぜそう思うのか?
それはきのうの夜に見ていた資料が原因だった。
資料2冊のうち1冊は、テプラの生態や特徴、そして魔獣としての脅威、弱点などが書かれており、もう1冊は実際戦った記録が書かれた資料だった。その実際に戦った記録の資料に気になる討伐記録が書かれていたのだ。それは、途中までは討伐記録が書かれていたが、最後まで書かれていなかったのだ。普通は討伐隊が全滅してもその後どうなったのかということが必ず書かれているのだが、この一つの討伐記録だけが、どうなったのかがまったく書かれておらず、白紙の状態だったのだ。
その理由は1つ。
それは、その目撃情報がないということを意味していた。
なぜなのか?
資料によれば、テプラの数は10体ほどで、今回リュカ達と戦ったテプラの数とほとんど変わらない数だ。そしてその討伐にあたった人数は5人。テプラはそれほど強い魔獣ではないため、中級クラスの魔術師団や討伐部隊が対応したとして、10体に対して5人は妥当な人数だとリュカは異論はなかった。もしリュカが派遣をするとしても同じ人数を送ったはずなのだ。ならば、人数は妥当だったことになる。
ではなぜ記録がないのか?
それは討伐をした者達からの報告がないからだ。しかしそれはまず王宮の魔術師団員では有り得ないことだった。
――時間になっても戻らなければ、こちらから連絡を入れるか、危険な状態ならば、討伐メンバーの1人が連絡を入れに戻るはずだ。
それがなかったということは、魔術師団ではないバルター達のような一般企業の討伐専門の会社員か、その街の討伐部隊が対応したことになる。
そして、なぜそうなったのか?
考えても答えがでなかったため、朝起きた時にジンに相談すれば、わからないと前置きした後、
「考えられるのは、一瞬にして全滅したかだな」
と言った。それはリュカも一番に思ったことだったが、まず有り得ないことだとすぐに排除した考えだった。
「一瞬にして全滅させるには、それ相当の魔力がいりますよね。それがテプラにあるとは思えないんです」
「そうなんだよなー。そうなると、一瞬にして全滅させるという考えは、ないよなー」
そこでやはり原因は分からずじまいで終わったのだ。
だがそのことがどうしても頭から離れず、リュカは眉根の皺を深くする。
――本当にこれでいいのか?
すると隣りに座るジンが周りに聞こえない声で話しかけてきた。
「今朝言っていたことを気にしているのか?」
リュカは頷き、
「ええ。テプラの資料を見ましたが、やはり海の魔獣だけあり、陸の魔獣よりも資料が少な過ぎなんです。それはまだ人間が知り得ない何かがあるということでもあります」
だからいつもの対応をしようとしているのは良くないのではないかと持論を述べる。
「それはお前の経験値からの言葉か?」
前世の魔術師団団長までの経験のことを言っていた。
「ええ。テプラのように討伐情報が極めて少なく、ましてや原因が分からない途中までの討伐記録がある魔獣の場合、安易に考えないほうがいいというのが王宮魔術師団の考えです。それで今まで命を落とした者が沢山いましたから」
「そうだな」
それに関してはジンも同じ考えだった。
「テプラに関してユーゴ団長に聞くというのもありだが、海の魔獣に関しては王宮魔術師団もわからないだろうからな。良い答えが返って来るとは考えにくいしな」
「ええ」
「こういう時にお前の父親がいれば、良い情報が得られそうだけどな」
確かにオーエンなら何か知っていそうだとリュカも思った。
「まだオーエン様とは連絡が取れないみたいだな」
「ええ」
「海は広いため、そう簡単に見つからないのはわかっていたが、もどかしいものだな」
「ですね」
すると、各々で話していた部員に向かってバルターが言う。
「いろいろと異論はあると思うが、一応被害を最小限に抑えるために、海岸にテプラが侵入しないように柵を設置する。その柵が出来てくるのが1週間ほどかかる予定だ」
それを聞いたジンは、
「1週間の間、何もなければいいがな」
と苦笑する。
「じゃあまず見回りだ。皆、今から言う場所へと行ってくれ」
そう告げると、バルターは部下達に見回る場所を指示した。
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